前回、ゲノム編集の技術を利用し、がんや肝炎の治療にも使われる高価な薬の成分を含む卵をニワトリに産ませる研究についてご紹介しましたが、今回ご紹介するのは10月8日(日)放送の「未来の起源」(TBSテレビ)で取り上げていた放線菌から生活習慣病の治療薬を作り出す研究開発についてです。
北里大学薬学部である天然資源を使って薬の開発を行っているのが、微生物薬品製造学教室の大城
太一さん(38歳)です。
その資源とは放線菌やカビなどの微生物です。
今回、微生物から見つけ出して合成したのがピリピロペン誘導体で、肝臓の脂肪の蓄積を強力に抑えるといいます。
ピリピロペン誘導体がコレステロールの吸収に係わる酵素の働きを抑制することで、肝臓への脂肪の蓄積を抑えるのです。
将来的には脂肪肝だけでなく、動脈硬化にも効果のある生活習慣病の治療薬の開発が期待されています。
なお、大城さんにとって研究の原動力とは、「大学アカデミックから薬を開発してみたい」ということだといいます。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今回ご紹介した、微生物から見つけ出して合成して出来るピリピロペン誘導体に対して、あらためてアイデアを既存の要素の組み合わせであるという言葉を思い出します。
ピリピロペン誘導体により、コレステロールの吸収に係わる酵素の働きを抑制したり、将来的には脂肪肝だけでなく、動脈硬化にも効果のある生活習慣病の治療薬の開発が期待出来るといいますが、今後こうした微生物の更なる合成によりいろいろ治療薬の開発が期待出来そうです。