これまで「食品ロス」について何度かお伝えしてきました。
そうした中、7月8日(土)付けネットニュースで世界初の全て無料のスーパーについて取り上げていたのでご紹介します。(詳細はこちらを参照)
オーストラリアのシドニーに「すべて無料」のスーパーがオープンしました。
賞味期限切れ前でも処分されてしまうような食品を大手スーパーなどから譲り受けて提供するのです。
まだ食べられるのに廃棄される「食品ロス」問題に対する意識を高めてもらい、生活に困っている人々の支援も狙います。
お客は選んだ商品への支払いは求められず、自分の意思で寄付が出来ます。
専用の箱には「1豪ドル(約83円)の寄付で2人分の食事が届けられます」とあります。
この無料のスーパーは、シドニー南部の「オズハーベストマーケット」で、約200平方メートルの店内に果物や野菜、パンやコーンフレーク、ビスケットなどが並びます。
値札はなく、レジもありません。
お客は買い物かご一つまで品物を手に出来ます。
開店時間は平日の午前10時から午後2時までで、毎日150人ほどが来店し、約2千点の品物の大半はなくなります。
小売業者などから譲り受けた食品を売るスーパーはデンマークにもありますが、「無料」なのは「世界初」といいます。
運営するのは、2004年以来、国内各地で支援が必要な人に計6500万食を提供してきた市民団体「オズハーベスト」です。
スーパーのお客には代わりに寄付をお願いしており、開店から5週間で2万豪ドル(約170万円)が集まりました。
なお、寄付は団体の食事提供事業の費用に充てられます。
以上、ネットニュースの内容をご紹介してきました。
一般的なスーパーでも賞味期限間近の商品は、「xx%引き」の紙を貼って販売されています。
こうした商品を無償で提供するスーパーやコンビニなどと今回ご紹介したような“無料スーパー”が提携すれば、毎日の食費にも困っている人たちにとってはとてもありがたい存在となります。
また、こうした取り組みは「食品ロス」の削減にもつながり、省エネや“もったいない”精神の大切さをつたえる上でとても素晴らしい社会貢献になります。
そして、注目すべきは、商品を“全て無料”にしたことです。
これにより、値札を貼る作業だけでなくレジ係も不要になります。
ですから、低コストでのサービスが可能になるのです。
さて、運営費は全てお客の寄付により賄われているといいます。
ですから資金的には一見不安定な事業と思われがちですが、そこはお客に対する事業運営への理解を求める活動、あるいは協賛企業による寄付など、アイデア次第で継続的な運営は可能と期待出来ます。
ということで、“全て無料スーパー”においては、作業プロセスのシステム化などでより効率化を図り、どこの国でも共通化したかたちで、是非こうした取り組みは世界的に展開していただきたいと思います。