6月7日(水)放送の「探検バクモン」(NHK総合テレビ)で明治神宮をテーマに取り上げていたのでご紹介します。
明治神宮があるのは、まさに東京のど真ん中、およそ3km圏内に渋谷、新宿、六本木といった都会の喧騒があります。
明治神宮は言わば東京のオアシスなのです。
今、この明治神宮が外国の観光客に大人気で、訪れる外国人は去年の調査で5年前の4.6倍以上に増えているといいます。
明治神宮は、大正9年(1920年)に明治天皇と昭憲皇太后を祭るために建立されました。
現在、参拝者数は全国一、初詣だけで毎年300万人以上が訪れています。
七五三や結婚式の会場としても人気が高く、日本人になじみの深い場所です。
一方、外国人はこの場所に意外な魅力を感じているといいます。
明治神宮では誰でも手を洗えるのです。
ヨーロッパでは教会があると、水は祈る人だけが使っています。
それに対して、日本の手水は宗教も国籍も関係ありません。
また、イスラム教では身を清める時の決まりごとが複雑で数が多いといいます。
カトリック教では、司祭が作る特別な水、すなわち聖水を使うことが一般的です。
一方、手水は簡素な決まりがあるだけで、どんな人でも気軽に行うことが出来るのです。
多くの人にとって、ここは他の国ではそう簡単に許されない宗教的な体験が出来るスポットなのです。
また、祈ることは海外では頭の中か心の中なので、書くのはあまりやっていないといいます。
絵馬に願い事を書けば、心の中を人前にさらすことになります。
ですから、これを外国人は新鮮だといいます。
そこで、明治神宮には英語だけでなく、フランス語やタイ語、アラビア文字などの絵馬が見かけられます。
このように、どの言語でも受け入れてもらえるので、神社はダイバーシティ(多様)な場所なのです。
ちなみに、江戸時代に絵師や庶民が絵柄に願いを込めて描いたのが絵馬の起源と言われています。
さて、明治神宮を訪れる外国人は4年で4.6倍になりましたが(2016年調べ)、その立役者となったのは参道にある酒樽です。
それほど珍しいものではありませんが、人気の秘密は漢字と酒の組み合わせがまさに日本とのことです。
写真に撮ったらすぐに投稿サイトへ、明治神宮に関する投稿10万件のうちおよそ5枚に1枚は酒樽といいます。
こうした新しいかたちの情報発信が更なる観光客を次々と呼び込んでいるのです。
手水や絵馬、酒樽はどこの神社でも見かける光景ですが、明治神宮ならではの魅力があります。
参道の落ち葉は木々の養分にするために森に返されます。
また、森には人の手をほとんど加えないのです。
97年前、明治神宮が建立された時にこのやり方は始まりました。
目指したのは“永遠の森”です。
人の手を加えなくても木々が自分の力で気候や土壌に合わせていくに違いないと考えたのです。
この森は自然への敬意の森でもあるのです。
また、参道の落ち葉を掃く時に電動の道具は使わないのです。
掃き“清める”という作業なので、基本的に電動は使えないというのです。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
番組を通して感じたことが2つあります。
一つは、日本の神社の誰でも国籍や宗教に関係なく受け入れるダイバーシティ(多様性)です。
2つ目は、明治神宮の目指す、極力人の手を加えない“永遠の森”、“自然への敬意の森”です。
お互いを受け入れる多様性、自然への敬意の2つの視点は、人類が今後とも真っ当に存続していく上での国際関係のあり方、自然との向きい方においてとても重要なポイントだと思うのです。
世界各国が、あるいは個々人がお互いの考えを受け入れてお互いに尊重すれば、争い事はなくなります。
また、人類が自然に敬意を払えば、地球環境問題は解決出来るのです。