2017年09月21日
アイデアよもやま話 No.3814 幻想的な光る花の誕生!

7月7日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で光る花について取り上げていたのでご紹介します。

 

結婚式などで彩を添える花ですが、今回ご紹介する花を使えば新しい演出が生まれるかもしれません。

 

ガーデニングなどでよく見るペチュニアという白い花が、暗くすると蛍光色の不思議な光を放つのです。

その秘密について、この花を開発したNECソリューションイノベーターの白鳥 行大さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「富山湾の深海に住む光る海洋プランクトンの蛍光タンパクの遺伝子を組み込んでいます。」

「(こうした光る花を作ろうとした動機について、)匂いとか花のかたちとかで、いろいろな花があるんですけど、単純にこれまでにない“光る”という花の属性がなかったので開発を進めました。」

 

紫外線の光を出すブラックライトを当てることで、それを吸収してクラゲのように光るのです。

光る花と照明を組み合わせることで、結婚式やディスプレーなどで変わった演出が出来るようになるといいます。

 

しかし、白鳥さんは、この光の持つリスクについて、以下のようにおっしゃっています。

「遺伝子組み換え花があることによって、例えば花粉を介して他の花が光ってしまうような環境への影響とかというのを試験で一つ一つ明らかにしていかなければいけません。」

 

現在は、実証実験を重ねており、この“光るペチュニア”が市場に出るのは早くても数年後だということです。

 

なお、遺伝子組み換えには法律があり、生物多様性を図るために遺伝子組み換えによる生物を用いる際に規制措置があり、それをクリアするためにはまだまだ実証実験などの課題が沢山あるといいます。

また、商品化するためには協業する業者を探す必要もあるということです。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

遺伝子組み換えまでして、人の欲望を満たすために“光る花”を開発するのはいかがなものかと考える人もいると思います。

また、生物多様性への影響があっては良くありません。

しかし、考えてみれば、人類は長い歴史の中で様々な工夫をこらして、少しでも美しい花、あるいは少しでも美味しい食べ物としての植物を人工的に開発してきました。

ですから、遺伝子組み換え技術はその延長線上にあると言えます。

 

さて、遺伝子組み換え技術が人に応用されるとなると話は別です。

誰しも自分の子どもは少しでも病気になりにくく健康的で、頭が良い遺伝子を持って生まれて欲しいと願うものです。

そして、遺伝子組み換え技術を持ってすれば、こうしたことはいずれ出来るようになるはずです。

ですが、だからといって生まれてくる子どもがみんな遺伝子組み換え技術を使用されることを考えれば、疑問を持たざるを得ません。

 

ということで、遺伝子組み換え技術については、その使用に際して既に規制措置があるということですが、生物多様性という観点から慎重に考えつつ、私たちの暮らしを豊かにするために開発を進めて欲しいと思います。


 
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