2017年08月16日
アイデアよもやま話 No.3783 AIの活用事例 (4) その3 AIが”無意識”を見破る!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第4弾として今回も8回にわたってご紹介します。

3回目は、”無意識”を見破るAIについてです。

 

5月29日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で”無意識”を見破るAIについて取り上げていたのでご紹介します。

 

今やAIで人の心を読み解く研究も進められています。

NTTコミュニケーション科学基礎研究所では、運転している場面を想定し、目の動きをカメラで撮影して分析する実験を進めています。

前方を走るトラックが急ブレーキをかけたら足元のブレーキを踏んで衝突を回避します。

分析した結果を見ると、眼球の様子から推定された注意レベルがグラフ表示されます。

カメラが認識していたのはマイクロサッカードと呼ばれる100分の1秒に満たないほどの間に起きる細かい眼球の動きです。

本人も自覚していない僅かな目の動きをAIが解析します。

マイクロサッカードの発生頻度が多いのは、注意レベル、すなわち集中力の低下として反映されるのです。

この研究は、自動車を運転する時の注意喚起だけでなく、学校の授業やプレゼンなどにも使えるといいます。

NTTコミュニケーション科学基礎研究所では、無意識の心を読み取ることが出来るAIの研究を更に進めていく考えです。

前田 英作所長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「(心が丸裸になる恐怖について、)使い方と同時に危険性もよく考えながら進めていきます。」

「(将来的にどこまで心の中が見えるかについて、)それはやってみないと分からないですね。」

「(心の中が丸裸になる可能性について、)ありますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

現在、あらゆるモノがIoT(モノのインターネット)により“見える化”に向けて動き出しています。

そうした中、マイクロサッカードは人の“無意識”の“見える化”と言えます。

確かに、学校の授業やプレゼンなどで、受ける側の集中力の度合いが分かれば、授業やプレゼンの改善に向けた取り組みにとても参考になります。

 

しかし一方で、前田所長も指摘されているように、こうした技術は人の心をガラス張りにしてしまうリスクを秘めています。

ですから、こうした技術の実用化に向けては、常に個人情報の保護という観点が考慮されなければならないのです。


 
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