2017年06月05日
アイデアよもやま話 No.3721 無人レジを巡る動き その1 静脈認証で決済する世界初”無人コンビニ”が韓国で登場!

最近、ドライバー不要の自動運転車に大きな関心が寄せられています。

そうした中、”無人コンビニ”に関する2つの情報に触れたので2回にわたってご紹介します。

1回目は、静脈認証で決済する世界初の”無人コンビニ”についてです。

 

5月16日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」で世界初の”無人コンビニ”について取り上げていたのでご紹介します。

スーパーマーケットやレンタルビデオショップなどではセルフレジが見られるようになってきましたが、韓国では世界初という”無人コンビニ”が登場しました。

 

5月16日、韓国のロッテグループ系の運営会社が”無人コンビニ”、セブンーイレブンシグネチャーをソウルにオープンしました。

”無人コンビニ”に入るためにはクレジットカードと手の静脈の登録が必要です。

そして、店のゲートに手をかざすと3秒ほどで静脈を読み取り、ゲートが開きます。

商品を置いている棚などは普通のコンビニと変わらないのですが、飲み物の棚に近づくと自動でガラス扉が開きます。

商品を買い物かごに入れ、レジに向かうと無人のレジ、そこで商品をベルトコンベアのような装置に通すと360度から読み取れるセンサーがバーコードを読み取り、請求金額を表示します。

そして、静脈読み取り装置に手をかざすと、決済完了です。

運営企業によると、静脈認証で決済する”無人コンビニ”は世界初といいます。

 

もし、静脈登録していないお客が”無人コンビニ”に入ると、すぐに警備会社に通報されるシステムで、AI(人工知能)付き防犯カメラも付いています。

このカメラの映像と静脈登録した情報から万引き犯の追跡が可能だといいます。

 

この”無人コンビニ”を導入する狙いについて、コリアセブンの企画部門長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「単純なレジ業務を減らし、商品陳列など他の業務に時間を使えて、労働の質が高まる。」

「一般の店舗ではなく、オフィスビル内の店舗で”無人コンビニ”を検討している。」

 

店側が人件費を圧縮するために、お店の無人化は選択肢の一つになるといいます。

しかし、課題もあります。

この”無人コンビニ”は高層ビルの31階にあり、利用者は基本的にビル街のオフィスの関係者に限られます。

出店場所は限定されそうだというのです。

 

”無人コンビニ”は人件費圧縮の切り札になるのでしょうか。

”無人コンビニ”の可能性について、番組コメンテーターで、レオス・キャピタルワークス社長の藤野 英人さんは次のようにおっしゃっています。

「日本で地方を回ると、多くの経営者から相談を受けるんですよね。」

「仕事は十分にあるのに、若者が不足していると。」

「それによって、仕事をこなせないという話があります。」

「だから結果的に労働力の不足している地方ほど韓国でやっているような”無人コンビニ”のニーズがあると思います。」

「この巨大な無人販売機を動かすためには、“自動レジ”とかICタグとかAIとか防犯カメラとか沢山の技術が必要です。」

「でもそれは結果的に需要を促進し、関連テクノロジーとか産業のすそ野も大きいんじゃないかなと思います。」

「これはかなり未来に広がる技術、産業じゃないかなと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

一般的なコンビニのプロセスと今回ご紹介した”無人コンビニ”で対応する技術との関連を以下にまとめてみました。

・商品の特定:商品ごとにバーコードの取り付け

・購入者の特定:クレジットカードと手の静脈の事前登録

・万引き対策:AI付き防犯カメラの設置と警備会社との連携システムの導入

・入店時のチェック:静脈認証

探している商品の有無など買い物客からの問い合わせ対応:(番組からは不明)

・レジでの購入商品の清算:360度から読み取れるセンサーが商品のバーコードを読み取り、請求金額を表示

・決済:静脈認証と事前登録済のクレジットカード番号と紐付け

・不審者の発見・通報:事前登録していないお客が”無人コンビニ”に入ると、すぐに警備会社に通報

・万引き犯の追跡:AI付き防犯カメラの映像と静脈登録した情報から万引き犯を特定して追跡

 

どのような”無人コンビニ”も上記のようなプロセスが必要です。

ですから、それぞれのプロセスに対応した技術の進化により、店舗の生産性の向上、および購入者の手間や買い物時間の短縮が図られると期待出来ます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています