2017年04月15日
プロジェクト管理と日常生活 No.484 『IoT時代の不正アクセス対策 その3 自動車の制御システムへの侵入による遠隔操作』

最近、AI(人工知能)やロボットとともにIoT(Internet Of Things モノのインターネット化)に注目が集まっています。

そこでリスク管理の観点からIoT時代における不正アクセスの問題やリスク、およびその対応策について3回にわたってご紹介します。

3回目は、自動車の制御システムへの侵入による遠隔操作についてです。

 

ちょっと古い情報ですが昨年12月21日(水)放送のニュース番組(NHK総合テレビ)で自動車の制御システムへの侵入について取り上げていたのでご紹介します。

 

海外では自動車への不正アクセスの実証実験が行われています。

ITや科学専門のメディアが公開した実験の動画では、離れた場所から自動車の制御システムに侵入、すると突然音楽が大音量で鳴り出します。

ブレーキを踏んでも自動車は止まりません。

専門家はネットにつながる機器が飛躍的に増える一方で、悪用への対策が追いついていないと指摘します。

横浜国立大学の吉岡 克成准教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「相互接続してデータがやり取りされる便利な技術は、それを悪用してやろうという攻撃者にとっても非常に都合がいい状況になっている。」

「こういった問題をしっかり共有して議論を進めることでセキュリティの重要性を認識していく必要があるかなというふうに思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した自動車への不正アクセスの実証実験の結果により、あらためてIoT時代の負の側面を思い知らされました。

私も含めてほとんどの人は自分が運転している自動車のコントロールを外部からの不正アクセスにより奪われてしまうというような状況は想像していなかったと思います。

 

特に自動車の制御システムへの不正アクセスは人命に係わる大事故につながる危険性があります。

だからこそ、そうした場合のコンティンジェンシープランがあらかじめ組み込まれていなければならないのです。

将来的には自動車に限らず、ロボットを連れ歩く時代が来ると想像されます。

そうした時に、これらを誰かに暴力を振るったり、更には殺人ツールとして使うことを考える人が出てこないとも限りません。

ですから、IoT時代の本格的な到来に備えて、最悪の事態を考慮したリスク対応策が求められるのです。

そうしなければ、利便性よりもリスクの大きさの方が勝り、普及の妨げとなってしまいます。


 
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