2016年12月03日
プロジェクト管理と日常生活 No.465 『COP22に見る国際的な地球温暖化対策の現状!』

モロッコで開かれていた国連の気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が11月19日に閉幕しました。

2020年からの協定実施に向け、詳細なルール作りを2018年までに完了することなどで合意しました。

今回は、プロジェクト管理の観点から、COP22に見る国際的な地球温暖化対策の現状についてお伝えします。

まず、11月10日(木)付け読売新聞の朝刊記事の内容の一部をご紹介します。

 

COP22では、途上国側から、風水害や熱波など地球温暖化の影響に対応する「適応策」を優先して議論するよう要望がありました。

適応策とは、地球温暖化の進行をある程度見越したうえで、温暖化の影響で起きる気象災害の被害を軽減させる対策を指します。

温暖化対策の中では、CO2などの温室効果ガス排出削減と同じく重要とされています。

協定では、全ての国に排出削減の目標を達成するよう努力する義務が課せられており、適応策の強化も求められています。

 

排出量の少ない途上国の場合、削減による温暖化対策への貢献には限界があります。

一方、インフラが脆弱で気象災害の影響を受けやすいため、削減よりも適応策に力を入れたい国が多いのです。

 

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

 

さて、プロジェクト管理の観点から見ると、世界各国による温室効果ガス排出削減対策は地球温暖化のリスク対応策に相当し、適応策はコンティンジェンシープランに相当します。

本来であれば、リスク対応策の実施により地球温暖化による被害の発生を防止するのが常道なのです。

ところが、太平洋上の途上国を中心に既に海面上昇などの被害が発生しています。

また、世界各国で最近異常気象が毎年のように発生し、その被害は今後増々増えていくと見込まれます。

また、一部の研究機関では既にこれまでのリスク対応策では地球温暖化の進行を食い止めることは出来ないので、温暖化による被害を緩和させるための適応策の検討をすべきだという声が上がっています。

 

こうした状況は何を意味しているのでしょうか。

リスク対応策でリスクの顕在化を食い止められず、コンティンジェンシープランを同時に実施しなければならない状況に追い込まれたということなのです。

すなわち、地球温暖化はそれほど進行しており、リスクはどんどん大きくなり、一部ではリスクが顕在化している状況を迎えているのです。

ですから、地球温暖化対策は予断を許さない状況を迎えているといえます。


 
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