先週、4回にわたって新しい瞑想法、マインドフルネス(日本語では“気付き”)についてご紹介してきました。
そうした中、9月28日(水)放送の「ガッテン!」(NHK総合テレビ)でも「ボケない!
脳が若返る“めい想パワー”SP」と題して、私たちの脳に秘められた知られざる力について取り上げていました。
そこで、先週ご紹介した4回と一部ダブった内容になりますが4回にわたってご紹介します。
1回目は、私たちの脳に秘められた知られざる力についてです。
私たちの脳に秘められた知られざる力はストレスや不安を退く、うつなどの病を撃退し、認知症までをも防いでくれます。
そんな驚くべき効果をもたらす方法とは、今からおよそ4000年前、古代インダス文明で生まれた人類最古の健康法です。
それは瞑想で、今様々な分野で大注目されています。
私たちの脳はふだんその一部しか使われていないといいますが、瞑想は脳に秘められた力を引き出すことが出来るのです。
今回、徹底調査によって浮かび上がったのは、寝ている時だけに現れるある特別な脳の働きです。
およそ2500年前のインドに瞑想の力によって人々を苦しみから救おうと考えた人物がいました。
ブッダです。
ブッダは、この時既に瞑想が持つ特別な力に気付き、多くの人々に勧めました。
インド北部の標高3000mを超えた山岳地帯にブッダの教えを当時のまま残している秘境の地があります。
かつて大国として栄えたラダック地方です。
今、ラダックで最も注目を集めているのは、一般の人を対象にした瞑想教室です。
あるお坊さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「実は、瞑想は宗教や思想とは関係のないものです。」
「ブッダが考えた純粋な“心の科学”といえるものなんですよ。」
この地方で、実際に瞑想をしている一般の人たちは瞑想について番組の中で次のようにおっしゃっています。
「たったの15分も瞑想をやれば健康になれるからさ。」
「瞑想をするととても幸せな気分になれるんだ。」
ラダックの高僧、パルダン尊師(74歳)は、具体的な瞑想法について番組の中で以下のように説明されております。
・まず、頭は少しだけ前に傾け、目をしっかりと閉じる
・舌は上あごにつけ、手のひらを重ねて親指を合わせる
・吸って吐いて呼吸に意識を持っていく(一番大切なのは呼吸で、呼吸のことだけを考える)
こうしたことだけで、“ある変化”を感じるはずだとおっしゃいます。
なお、瞑想法について、以下のようなブッダの言葉が残されています。
「意識して息を吸い、意識して吐く。」
「こうすれば、大きな効果がもたらされる。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
瞑想というと、仏教との関連性が思い浮かびますが、実は宗教や思想とは無関係でブッダが考えた純粋な“心の科学”という解釈はとても新鮮に感じます。
しかし、先週お伝えしように瞑想は仏教の世界で2500年にわたって探求されてきました。
それが今日、瞑想から宗教性を排除してマインドフルネスというかたちで世界的な注目を集めているということは瞑想の原点回帰と言えなくもないように思います。
それはさておき、短時間の瞑想で健康を維持出来、あるいは幸せな気分になれる、脳に秘められるパワーを引き出す方法、すなわち瞑想がブッダにより始められて以来2500年経った今も当時のまま伝えられているという事実は驚きです。
この瞑想を発見したブッダは、偉大なる宗教者としてだけでなく素晴らしいアイデアマンであったと思います。