2016年08月24日
アイデアよもやま話 No.3477 新たながん検査法で期待される早期発見!

6月14日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新たながん検査法について取り上げていたのでご紹介します。

 

今、がん検査の分野が新たな広がりを見せています。

6月14日に発表されたのはマンモグラフィーなどの検査をしなくても尿検査だけで乳がんなどを発見出来るという方法です。

 

日立製作所と住友商事グループは、健常者、乳がん患者、大腸がん患者の尿に含まれる糖や皮質などの老廃物を細かく分析、そして健常者と乳がん、大腸がんの患者とではその成分量が異なることを発見しました。

尿から様々ながんを見つけ出せる可能性が出てきたのです。

日立製作所研究開発グループの坂入 実さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「乳がん、大腸がんで代謝物を用いて検査出来る可能性があることについては世界初・・・」

「今の段階では100%(の発見率)。」

「(乳がんは)若い時から発症するといっても、(病院は)非常に精神的なバリアーが高いのでちょっと行きにくいんですね。」

「それが尿に代わると劇的に緩和出来るんですよ。」

「これから日本にとって重要なのは、経済的に繁栄・伸長することに加えて、社会課題を解決する、この両面が必要になっています。」

 

今回の研究は若いうちから発症し、女性の死因として高い乳がんと大腸がんを優先して進められています。

 

現在の日本の乳がん検診の受診率は36%、欧米と比べるとかなり低い数字です。

この受診率の低さの原因と言われているのが、病院で受けるマンモグラフィー検診などへの抵抗感です。

坂入さんは、自分で採った尿を検査機関に送るだけのシステムを数年以内に実用化し、乳がん検診率8割を目指しています。

 

今、がん検査の分野に電気や精密機器メーカーが次々と参入しています。

コニカミノルタ東京サイト日野(東京・日野市)では、コピー機のトナー製造技術などを応用し、新たにがんの種類を見分ける方法を開発しました。

使うのは発光する蛍光材料です。

製薬会社などから送られてきたがん細胞の検体に蛍光材料を垂らすと、がん細胞が放出している悪いタンパク質を光らせるのです。

光の強さをコンピューターで解析し、従来の方法では分からなかった小さながん細胞も発見することが出来ます。

また、色の違う蛍光材料を使うことで2種類のがん細胞を同時に発見することも出来ます。

がんは効く薬が違うため、種類を見分けることがとても重要なのです。

実用化されれば、患者に合った治療薬をピンポイントで見つけ、患者の負担や治療費を大幅に削減することにつながると期待されています。

コニカミノルタの腰塚 國博常務取締役は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「分子を見ることによって、この方はこのタンパク質が沢山出ているのでこの薬が効くんだという薬効診断が出来るようになって、薬を無駄に飲まない時代が来ると信じてます。」

 

今回は尿、そして蛍光材料を使った2種類のがん検査法をご紹介しました。

今後ともいろいろな検査法が開発されると思いますが、検査を受ける立場からは、より低料金で検査を受けやすく、より早期の段階で正確に発見出来るような検査法を開発していただきたいと思います。

より早期の段階でがんが発見されれば、がん患者の治療費の負担を軽く出来、保険費用も削減出来ます。

そして、より多くのがん患者の命を救うことが出来ます。

ですから、無料で誰でも定期検査が受けられるようにして、がんによる死亡率ゼロを目指して欲しいと思います。


 
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