今、一般ドライバーやタクシー向けの自動運転車に注目が集まっています。
そうした中、6月2日(木)放送のニュース(NHK総合テレビ)で小型バスなどの公共交通機関としての自動運転車の実証実験を取り上げていたのでご紹介します。
石川県珠洲市では、昨年から金沢大学の研究チームが独自に開発した自動運転システムを乗用車に搭載して走行試験を続けてきました。
その結果、同じシステムを大きな車体に乗せても市街地を安全に走行出来る目途が立ったということで、早ければ来年自動運転の小型バスなどを市役所や病院などの間で定期的に走らせ、住民を乗せる実証実験が始まることになりました。
安全に万全を期すため、運転席には担当者が座った状態で走行させるということです。
高齢者が多い珠洲市ではバスが重要な移動手段ですが、運行本数が限られていて、自動運転車が代わりの交通手段になるか検証することにしています。
内閣府によると、自動運転車に一般の人を乗せて定期的に走行させる例は全国でも珍しいということです。
金沢大学の菅沼 直樹准教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「一般の方々に公共交通機関のような使い方をしていただいて、実際に自動運転車が地方の足として使えるのか、どういった効果があるのか確かめていきたいと思っています。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
私の実家のある千葉県の外房の町でも小型バスの定期運行サービスがありますが、本数がとても限られています。
そして、利用者の多くは高齢者ですから、行った先で用事を済ませてから帰りのバスに乗るまでの待ち時間を考えると、特に真夏や真冬にはかなりの負担を強いられていると思います。
こうした状況は全国的に大なり小なり同じではないかと思われます。
そうした中で、今回ご紹介した金沢大学による実証実験は、とても意義があると思います。
現在、政府主導で地方創生政策が進められておりますが、都会に比べて公共交通機関や病院など公共施設の社会インフラのサービスレベルの低さが地方での暮らしの大きな阻害要因になっていると思われます。
そうした中で、自動運転バスは阻害要因の一つを突破出来る大きな柱の一つになると期待出来ます。
自動運転バスが運行されるようになれば、極端に言えば24時間サービスが可能になります。
また、定期運行ではなくオンデマンドでの運行にすれば、省エネ効果も期待出来ます。
こうした背景にはやはりAI(人工知能)やロボットなどのテクノロジーの進歩があります。
AIとロボットの活用により、知的労働や肉体労働を人に代わって出来るようになれば、
究極的には地域格差なくあらゆるサービスを提供出来るようになるのです。