2016年06月22日
アイデアよもやま話 No.3423 進化するシェアリングエコノミー その1 個人間のマッチングサービス!

4月10日(日)放送の「サキどり↑」(NHK総合テレビ)で「進化するシェアリングエコノミー」をテーマに取り上げていたので2回にわたってご紹介します。

1回目は、個人間のマッチングサービスについてです。

 

今、シェアリングエコノミー(共有型経済)が大進化しています。

家事やペットの世話、特技の趣味など、シェアするのは得意分野のスキルです。

便利さと割安さで成長するシェアサービス、昨年末には業界団体が発足しました。

市場規模は、2年後の2018年には462億円まで拡大する見込みです。

更に、シェアリングエコノミーは過疎化で悩む地域で動き出しています。

 

そうした中、ネット上にマッチングサイトが登場しています。

その一つ、ANYTIMESは、日常の家事、旅行の間のペットの世話、家具の組み立て、語学レッスンなどの“誰かに手伝って欲しいこと”、と “自分が得意なこと”を気軽に提供し合えるサービスです。

サイトにはスキル提供者のプロフィールが掲載されており、これまでの評価なども参考にして相手を選ぶことが出来ます。

 

このサイトを運営しているのは創業3年のベンチャー企業、売り上げは昨年の3倍、会員数は10倍の2万人に増えました。

社長の角田 千佳さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「地域の互助会のようなシステムをインターネットを使ってもう1回再構築しよう。」

「得意なことは、みんなそれぞれ何かしら持っているんですよね。」

「なので、誰でもチャンスがあって、誰でも主役になれる場なのかなと考えています。」

 

例えば、スマホの普及によりスマホで依頼をするだけで、料理教室の講師をしているプロの料理人がやってきて腕前をシェア、自宅で食事を作ってもらうサービス、5品、5人分の料理は2時間で5000円(材料費込み)です。

このサービスを依頼した家族は料理の味に大満足です。

一方、プロの料理人も仕事に波があるのが悩みでしたが、料理のスキルをシェアするサービスで働き方が変わったといいます。

仕事の空いた時間をシェアリングサービスで有効活用出来るようになったのです。

その結果、今ではシェアリングサービスのリピーターも増え、全体の収入が3割ほどアップしたといいます。

 

様々なスキルの人たちが集まるこのサービスに新たな動きが出てきました。

集まったのは、ヘアデザイナー、メイクアップアーティスト、そしてカラーセラピスト、3人のスキルを組み合わせてより良い美容サービスのかたちを試します。

このように一つのスキルだけでなく、様々なスキルを組み合わせることによって、その相乗効果により依頼者はこれまでにない満足感を得られるのです。

 

一方、こうしたシェアリングサービスを受けて、大切なモノが壊されたなどの被害を受ける心配があります。

そうした場合、全額カバーしてくれる利用規約になっている仲介サービス業者もあるといいます。

同様に、オークションサイトでの買い物でも購入したモノが届かないというリスクがあります。

こうした場合も、仲介サービス業者によっては全額返金してくれる利用規約になっているといいます。

ですから、シェアリングサービスを受けたり、オークションサイトでの買い物にあたっては、念のためこうした観点から利用規約をしっかり確認しておくことが必要です。

 

以上、番組の内容をご紹介してきましたが、あらためてインターネットが様々なコミュニケーションのツールとして効果的だと思いました。

従来は、個人間で何かを依頼しようとしても友人、知人などその範囲は限られていました。

ところが、インターネットにより今回ご紹介したようなモノやサービスを必要とする側と提供する側とを個人レベルで直接結びつけることが出来、しかもこれまでよりも低価格で提供されるのです。

更には、こうした仲介サイトを通して知り合えた人たちがそれぞれのスキルを組み合わせて新たなサービスを提供出来るというのはとても素晴らしいと仕組みだと思います。

 

ただし、こうしたシェアリングサービスは、スマホを通して行われています。

でも、これからこうしたサービスを最も必要とするのは高齢者の方々だと思います。

一人暮らしの高齢者が何日間も誰とも話すことがなかったという話をよく耳にします。

ですから、こうした高齢者にとっては、こうしたサービスが人と話す機会にもなるし、ボケや認知症の防止にもつながると思います。

ところがその中にはスマホを扱うことに抵抗感を持っておられる方々が少なからずいらっしゃると思います。

ですから、こうしたサービスのインターフェイスとしてスマホの使い易さの向上や新たなより使いやすいツールの提供が求められると思います。


 
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