3月14日(月)放送のニュース(NHK総合テレビ)で”夢の新素材”グラフェンを取り上げていたのでご紹介します。
ダイヤモンド並みの強度を持ちながら折り曲げることが出来る”夢の新素材”とも言われているグラフェンを使った製品が2月にスペインで開かれた世界最大のモバイル機器展、モバイルワールドコングレスでお披露目されました。
展示品の一つは、曲がるディスプレーです。
画面はガラスではなくプラスチック製で、通常シリコンと金属で作る半導体をグラフェンとプラスチックで代替しています。
この製品を展示していたウエアラブル端末に特化しているディスプレー会社では数年以内の実用化を目指しているといいます。
また、他に展示されていた、電気を通し易いグラフェンの性能を活かした充電器はスマホをわずか5分で充電出来るといいますが、課題は小型化です。
この製品を展示していたバッテリー会社では、家電製品のリチウムイオン電池を全てグラフェンにするのが目標といいます。
グラフェンの研究で6年前にノーベル物理学賞を受賞した研究者が在籍するイギリスのマンチェスター大学のグラフェン研究所では、通電性の高いグラフェンをインク状にして服に塗ったセンサーを開発しています。
このセンサーに指で触れると音声が出ます。
研究室では、グラフェンは既に実用化の段階に入っていると考えています。
また、この研究所のアラビンド・ビジャヤラガバン博士は、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「スマホの全ての部品をグラフェンで改善出来ます。」
「グラフェンが理論上の素材ではなく、実際の製品として使われる日は近いです。」
グラフェンは炭素で出来た素材です。
極めて薄い素材でありながら、ダイヤモンド並みの強度があります。
折り曲げることが出来、熱に強く、電気も通し易いことから様々な分野に応用が期待されています。
なので、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めています。
グラフェンはモバイル以外にも、例えばがん細胞を探して動脈の中を移動するセンサーなど、医療分野でも応用が期待されています。
こうした実用化に向けては、製造コストの削減や性能を安定させての量産化が当面の課題といいます。
なお、市場規模は15年後には1000億円に拡大するとの見方もあります。
以上、番組の内容をご紹介してきましたが、確かにグラフェンは私たちの生活をいろいろな面で改善してくれそうです。
私が特に実用化を期待しているのは、スマホ、およびEV(電気自動車)のバッテリー、および充電機器です。
番組で取り上げていたように、スマホをわずか5分で充電出来る充電器があればとても便利です。
また、EVの充電もガソリン車並みに短時間で充電出来るようになれば、普及の起爆剤になります。
そして、フル充電でのスマホの利用時間が長くなれば、毎日の充電から解放されます。
同様に、EVのバッテリーは現在リチウムイオンが主流ですが、グラフェンで代替出来るようになれば、軽量化、低価格化、およびフル充電での後続可能距離が伸びると期待出来ます。
ということで、関連メーカーには出来るだけ早く実用化していただきたいと思います。