2016年04月28日
アイデアよもやま話 No.3376 命の宿るような”おしぼり人形踊り”!

2月2日(火)放送のニュース(NHK総合テレビ)で命の宿るような”おしぼり人形踊り”について取り上げていたのでご紹介します。

 

おしぼりで作られた人形を巧みに操って躍らせる”おしぼり人形踊り”が宴会を盛り上げる芸として福岡県などで人気を集め、インターネットでも話題になっています。

短なる宴会芸の域を超えて広がりを見せる”おしぼり人形踊り”は箸と指で細かなしぐさを表現します。

レパートリーも豊富で、動画投稿サイトでもかなりの人気のようで、命が宿っているようだと、全世界からコメントが寄せられています。

 

”おしぼり人形踊り”は宴席のテーブルで演じられます。

手軽に場を沸かせることが出来ると人気です。

この踊りの起源は不明ですが、北九州では製鉄景気に沸いた戦前にはこうして演じられていたといいます。

ある宴席で場を沸かせていた“おしぼり人形踊り”に夢中になっているおひとり、中村 泰隆さん(72歳)は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「どんな歌が来ようが、どんな音が来ようが、どんな太鼓が来ようが、踊れるのがこの子(おしぼり人形)の良いところです。」

 

IT関連の会社を経営している中村さんがおしぼり人形に出会ったのは22年前、当時の取引先に見せてもらったのが最初でした。

その時の様子について、中村さんは次のようにおっしゃっています。

「おしぼりをクルクルクルクル丸めてされているから、何かなあと思っていたら、人形になったでしょ。」

「それでまず驚くでしょ。」

「次にそれが踊り出すでしょ。」

「もう衝撃よ。」

 

そこで、腕を磨き、宴会や商談の席で披露したところ、効果てきめん、ビジネスの味方になり、次のようにおっしゃっています。

「ちょっと操ってみたらゲラゲラ笑われてね。」

「座がいっぺんにはじけたんですよ。」

「それでお客さんに近づけた。」

「お客さんもこっちに近づいてくれた。」

 

こうして中村さんは今やおしぼり教室を開くまでになっています。

中村さんと同じようにコミュニケーション術にしたいと企業経営者などが集まっているのです。

 

”おしぼり人形踊り”には日本舞踊の基礎が盛り込まれています。

品を付けるなどの所作が生かされているため、人間らしい動きになるといいます。

これまで100人以上が学び、遠くは関西から通っている方もいるといいます。

 

更に、おしぼり人形は宴会芸の域を超えて広がりを見せています。

介護施設などから頻繁に招かれるようになっているのです。

お年寄りが笑顔になるうえ、指を使うため認知症の予防にもつなげようというのです。

こうしたご自身の取り組みについて、中村さんは次のようにおっしゃっています。

「笑っていただいて元気を出してもらうというのが自分はうれしいからね。」

「今日、僕は自分も興奮しているんですよ。」

「頑張ります。」

 

箸とおしぼりだけで作られたおしぼり人形、私も番組で初めて”おしぼり人形踊り”を見て、中村さん同様に衝撃を受けました。

同時に、”おしぼり人形”に命を宿らせる元となっている日本舞踊の品を付けるなどの所作の表現力の素晴らしさをあらためて感じました。

 

ということで、”おしぼり人形踊り”は日本の隠れた伝統芸能の一つと言えると思います。


 
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