2015年07月13日
アイデアよもやま話 No.3127 驚くべき緑茶パワー その1 「氷水出し緑茶」の驚くべき美味しさ!

7月1日(水)放送の「ためしてガッテン」で日本伝統の緑茶をテーマに取り上げていました。

そこで、今回は、番組を通して今まで気づかなかった緑茶の素晴らしさについて、4回にわたってお伝えします。

1回目は、「氷水出し緑茶」の驚くべき美味しさについてです。

 

そもそも、煎茶も番茶も、高いお茶も安いお茶も、更には紅茶もウーロン茶も全て植物としては同じ1種類のお茶の木(カメリア・シネシス)から作られているといいます。

煎茶は、お茶の葉の一番小さい葉とその次に小さい葉の2つ、すなわちお茶の新芽を摘んで、それを蒸したり、煎ったりして作ります。

紅茶やウーロン茶は、お茶の葉をちぎってもんで発酵させて作ります。

ちなみに、ペットボトル緑茶の市場規模は今や約4350億円といいます。

 

さて、緑茶といえば、メタボ改善、高血圧抑制、歯周病予防、更には抗がん作用まで、すごい健康パワーを誇っています。

その飲み方といえば、熱いお湯にお茶っ葉を入れて飲むというのが定番です。

ところが、こうした飲み方は、お茶の持っている本来の美味しさのほんの一部しか引き出せていないのです。

いつものお茶から出てくるうま味が一挙に50%以上もアップし、その上免疫力が倍増する飲み方があるというのです。

まさに“お茶革命”です。

 

その具体的な飲み方ですが、緑茶のお茶っ葉を氷水で5分かけて入れるという方法です。

味覚センサーで科学的に分析してみると、氷水出しではお湯で入れた時に比べて1.5倍以上のうま味が出ています。

そして、もう1種類、これよりももっと葉の量と水の量を変えて濃い目に氷水出しすると別次元の美味しさを味わうことが出来るといいます。

 

では、なぜ氷水出しが美味しいのでしょうか。

お湯でお茶を入れると、茶葉から出てくるのはテアニンという緑茶独特のうま味をもたらすアミノ酸、そして緑茶の苦味・渋みの元になるカテキンです。

なお、カテキンには、抗酸化作用、がん抑制作用があるのです。

ちなみに、ふだんお茶を多く飲んでいる人は、飲まない人に比べて死亡率が低いといいます。

国立がん研究センターの発表によると、緑茶を1日5杯以上飲む人の死亡率は、男性で13%、女性で17%低いといいます。

 

一方、氷水出し緑茶でも5分でテアニンは出ます。

ところが、カテキンはほとんど出ません。

氷水出し緑茶がうま味をより強く感じられるのは、カテキンの苦味がないためなのです。

では、カテキン効果がないかというと、そうではありません。

氷水出し緑茶からはエピガロカテキンという新健康成分が出ているのです。

 

去年、緑茶の健康効果に関する驚きの研究結果が発表されました。

「水出し緑茶」には、これまで知られていなかった新しい健康効果があるというのです。

現在、緑茶の研究で世界をリードする農研機構野菜茶業研究所(静岡県島田市)の実験で、培養されたヒトの細胞にエピガロカテキンを加えてみると、動きが活発になりました。

これこそが、「水出し緑茶」の健康パワーなのです。

動いているのは、マクロファージという白血球の一種で免疫細胞です。

マクロファージは異物を病原体と見なして食べてくれるのです。

エピガロカテキンが沢山出ると、免疫細胞が活性化し、それによって感染症などの病気にかかりにくくなるのです。

実際のヒトの身体でも免疫力が高まることが実験で確かめられつつあるので大変注目されています。

 

ちなみに、お湯で入れたお茶にもエピガロカテキンがいるのですが、カテキンがエピガロカテキンの働きを抑えてしまうのです。

また、お湯にあって氷水にはないものがあります。

それはカフェインです。

4℃以下という低い温度の氷水で5分ほどしか茶葉から吸収しない氷水出し緑茶の場合は、カテキンも出ませんが、カフェインもほとんど出ません。

そのために、妊婦さんや子どもにもお勧め出来るし、寝る前に飲んでも大丈夫なのです。

 

ところで、見方を変えれば、氷水出し緑茶にカテキンが含まれればもっと効果的なのです。

そこで、氷水出し緑茶を一旦飲み切った後で、空っぽになった急須にはカテキンたっぷりの茶葉が残っているので、熱湯を注いでカテキンを取り込むお茶を飲めばいいといいます。

 

では、次はいよいよ具体的な氷水出し緑茶の作り方です。

とても簡単で、煎茶10gに対し、氷水100mlの割合で急須に入れて、5分待つだけでいいのです。

注ぐ時は、最後の一滴まで注ぎ切ります。

深干し茶では苦味が出るので、いつもより少し高級な煎茶がお勧めです。

入れた後は、急須を冷蔵庫に保管しておくと4煎、5煎と何度でも飲むことが出来ます。

ただし、保存は1日以内です。

しかも2煎目からは、氷水を入れて5秒でOKです。

 

もっと手軽に沢山作りたい場合は、煎茶10gをだしパックに入れ、1リットルの氷水に入れます。

30〜40分ほどしたら軽く振って茶葉を取り出せば、出来上がりです。

 

一方、本格的な緑茶の味も楽しみたい、そんな方には、茶葉10gに氷水40mlの割合で濃く入れると、うま味が凝縮したエスプレッソ氷水出し緑茶の完成です。

カテキンの渋みがないので緑露のように香り高いお茶の醍醐味を味わえます。

 

更に、氷水出し緑茶を何度も楽しんだ後にお湯を注げば、いつものお茶が作れるのです。

茶葉に残ったカテキンを残さずいただくことが出来るのです。

 

これまでの常識に囚われずに、ちょっと違った方法により、今までになかったメリットを享受出来ることを「氷水出し緑茶」は教えてくれます。

 

早速、「氷水出し緑茶」を自宅で試してみましたが、確かに苦味を感じず美味しく飲みました。

夏場の今の季節、冷たい緑茶は季節的にもピッタリです。


 
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