2012年08月24日
アイデアよもやま話 No.2225 ソーシャルビジネスも儲からなければ・・・
8月13日(月)放送のワールドビジネスサテライト (テレビ東京)でソーシャルビジネスの育成について取り上げていたのでご紹介します。 

貧困や環境など、社会的問題をビジネスで解決するソーシャルビジネスは、社会の役に立つことと儲けを出すことを両立することが求められます。
このソーシャルビジネスに特化して投資するファンドが登場しました。

その中心となるのは、グラミン銀行の創設者であるムハマド・ユヌスさん、さわかみ投信の澤上篤人会長、そして
ワタミの渡邉美樹会長です。
ちなみに、さわかみ投信は運用する純資産総額が2000億円を超え、日本有数の投資信託です。
共同でソーシャルビジネスファンドを設立し、他の企業にも参加を呼びかけ、3年以内に資金総額20億円規模を目指すといいます。
収益力のあるソーシャルビジネスを日本で育成するのが狙いです。

ワタミの渡邉会長は、ソーシャルビジネスはあまりにも特殊なビジネスであるがゆえに、大企業と若者が二人三脚を組まないと出来ないと考えています。
そこで、大企業を募ってファンドを集め、更に大企業のノウハウを注入するようなファンドの仕組みを目指しています。
要するに、資金の提供だけでなく、経営などのアドバイスもセットにしているのです。

ちなみに、ソーシャルビジネスの市場規模は以下の通りです。(2008年 経済産業省予測)
 2008年 約2400億円
 2011年 約2兆2000億円

このようにソーシャルビジネスは急激に成長すると予測されています。
ところが、きちんと収益が出て、ビジネスとして成功している例はまだ少ないのが現状といいます。

 ソーシャルビジネスと言えども、継続的に収益が上がらなければ、事業を続けることは出来ません。
ところが、 ソーシャルビジネスは一般的に社会的な問題に関心の強い人たちが何とか解決させたいという思いで立ち上げられます。
ですから、どうしても経営力の弱さから継続的な収益を上げられず、ビジネスとして頓挫してしまう可能性が高いと考えられます。
そこで、今回ご紹介したようなソーシャルファンドは ソーシャルビジネスの成功を高める可能性があり、とても素晴らしい取り組みだと思います。

ソーシャルビジネスというと、特殊なビジネスと考えられがちですが、私は飽くまでもビジネスが主体と考えた方がいいと思っています。
世の中のビジネスは、全て何らかのかたちで社会から必要とされているのです。
なぜならば、始めにビジネスありき、ということはあり得ず、必ず何らかの社会的な要請があり、そこにビジネス誕生の芽があるのです。
逆にいえば、ソーシャルビジネスと言えども社会的な必要性がなくなれば、その存在意義もなくなるのです。 

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています