2012年04月24日
アイデアよもやま話 No.2120 エチゼンクラゲで山の再生!
3月25日(日)放送の夢の扉〜NEXT DOOR〜(TBSテレビ)のテーマは「エチゼンクラゲで地球を救う」でした。
エチゼンクラゲについては今まで何度かお伝えしてきましたが、今回はエチゼンクラゲによる山の再生についてご紹介します。

大量発生を繰り返し、漁業に大きな被害を与えてきた海の厄介者、そんなエチゼンクラゲを役立てようとしているのが愛媛大学農学部客員教授の江崎次夫先生(66歳)です。
江崎先生が目指すのは海のクラゲで山の緑を再生することです。
更に江崎先生の夢は広がります。
世界中で進む砂漠化にクラゲで立ち向かおうというのです。

江崎先生は奥様と共に県や市と連携し荒れた山林を甦らせようと苗木を植え続けています。
その際に、土に混ぜているのがクラゲから作った土壌改良材、クラゲチップです。
クラゲチップは江崎先生の地球への危機感から生まれたものです。

今、地球の陸地の3分の1は砂漠、あるいは砂漠化しつつあります。
緑の再生に力を入れ、砂漠化の進行を食い止めなければ、世界は危機的な状況になると江崎先生は次のように訴えます。
「このまま砂漠化が進行すれば、今世紀中には地球の森林はなくなります。」
「そうすると人類は終わりです。」
「緑がなくなった時点で、古代文明は消滅してます。歴史が証明してますので。」
「日本には(緑化の)戦略が全くないと思います。」
「もう少し(クラゲチップによる緑化研究を)支援する方々がいればありがたいと思います。」

江崎先生の専門は、環境緑化工学で、緑化による自然災害の防止や土壌や肥料の研究など40年にわたって続けている緑のスペシャリストです。
クラゲチップの保水能力は、50gで400mlの水を20時間ほどで吸収してしまうほどです。
更に、クラゲチップは化学肥料と同程度の窒素のほか、リン酸、カリウムという植物の生育を促す成分を豊富に含んでいます。
つまり、クラゲチップは大量の水をため込み、およそ1年じっくりと根に水分を与え続け、分解されると天然肥料としての効果を発揮するのです。
更に、食べても美味しいのです。

現在、クラゲチップに対する評価は国内よりも海外で高く、近年山の荒廃が社会問題となっている韓国では2年前から江崎先生の研究を援助しています。
更に、クラゲチップによるアラブ首長国連邦の砂漠の緑化計画も進んでいます。

番組の最後に、江崎先生は次のようにおっしゃっています。
「アフリカとか東南アジア、そういったところはすごく砂漠化・乾燥化が進んでいるので、とにかくそれを少しでも緑に戻して食糧生産や環境改善につなげれば、と思っています。」
「地球の素晴らしい緑を次世代の子どもたちに残していくために努力していかなければならないと痛感しております。」

クラゲチップを水田に利用するという新たな可能性も出てきました。
おいしい米作りにクラゲチップが有効という実験結果も出始めているというのです。

クラゲチップをきっかけにあらためて人類の活動を考えてみると、とても非効率性を感じてしまいます。
生活の豊かさを追求するあまり森林の伐採などにより地球規模で砂漠化を進めてしまい、それをまたクラゲチップなどにより緑化させようというのですから。
やはり、自然と共生しながら日々の暮らしをしていく、というライフスタイルが求められていると思います。
そのためには、地球上に暮らし続けていくうえで必要なルールを人類自らが作って守る、という姿勢が必要なのです。

 
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