2012年03月13日
アイデアよもやま話 No.2084 紙のパレット!
物流に用いる、荷物を載せるための荷役台の素材となるパレット (pallet) は、数百キロから1トンもの荷物を載せるため頑丈なプラスチックや木製のものが一般的です。
ところが、2月20日(水)放送のワールドビジネスサテライト (テレビ東京)で紙のパレットについて取り上げていましたのでご紹介します。

シー・エス・ピー(神奈川県厚木市 高木歳夫社長)は4年前に全て紙で出来たパレットを開発しました。
重さはプラスチックや木製に比べて約70%と軽く、主に航空貨物用として使われています。
自動車が載ってもつぶれず、重さ2.5トンまで耐えられるといいます。
更に、紙を何枚も貼り合わせているので中に接着剤の層があり、そこが防水の役割をするので表面は濡れても中まで水が入っていきにくいのです。
材料はカードボードと呼ばれる、ダンボール原紙を貼り合わせたラップの芯などに使われる紙です。

強度と組み立てやすさの観点から必要最小限の材料でシンプルな紙のパレットの構造を見つけるまでには試行錯誤を繰り返し、開発には3年を要したといいます。
紙のパレットの立方体の隅にある直角部分が縦の強度を最大限に引き出しています。
また、この90度をきっちり出すために入れるV字型の切れ込みで特許を取得しています。

こうして、現在3人で1日200台のパレットを生産しています。
木製では必要な防虫処理が不要で、コストもプラスチックや木製に比べて15%ほど安いので引き合いが増えているといいます。

このようにアイデア次第で紙でも十分に強度のある、そして安価な製品が出来るのです。
また、素材がダンボール原紙なのでリサイクルの観点からも優れていると思われます。

 
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