2012年02月10日
アイデアよもやま話 No.2057 参考にすべき高齢者の”葉っぱビジネス”!
1月17日(火)放送のNスタ(TBSテレビ)で高齢者の”葉っぱビジネス”について取り上げていましたのでご紹介します。

徳島県上勝町では27年前から町が音頭をとり、およそ200世帯が刺身などに添えられる”つまもの”を栽培し、出荷しています。
生産農家の平均年齢は70歳と高齢者ばかりですが、扱っているのはモミジなどの葉っぱなので軽く、高齢者にも負担なく作業が出来ます。
しかも、この作業が生き甲斐になっている、と生産農家の高齢者はおっしゃいます。

もともとは温州みかんが主要産業だった上勝町ですが、1981年に局地的な大寒波に見舞われ、みかんの木が全滅しまったのです。
そこで、町ではみかん農家のための仕事を模索した結果、”葉っぱビジネス”がスタートしました。
その仕掛け人が生産者をまとめている第三セクターの株式会社いろどりの横石知二代表です。
”葉っぱビジネス”は高齢者にぴったりだと横石さんは考え、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「高齢者の方は長い間生きてきた知識と経験を持っているんですね。」
「こういう場所はこういう物を植えると良いよっていうのはずっとそこに生活してきた自分の知識と経験が生んでいるんです。

更に、驚くべきはその収入です。
なんと年収1000万円を超える高齢者もいるといいます。

その仕組みを支えるのは、高齢者でも簡単に使えるように改良した専用パソコンです。
葉っぱが現在いくらで取引されているのか、更に自分は町で何番目の売り上げなのかなどすぐに分かるシステムになっています。
このシステムについて、この事業は良い意味での競争であり、生産者同士のライバル心をあおることもこのビジネスが成功している秘訣だと横石さんはおっしゃいます。
こうして、上勝町には年間4000人が視察に訪れるほど注目されています。

”葉っぱビジネス”は高齢者の強みと地場の特徴、そしてITシステムを活用した効率的な管理とを組み合わせた素晴らしいアイデアだと思います。
今、少子高齢化というと社会の停滞や税負担増などとてもマイナスな状況がイメージされがちですが、発想の転換によりどんな状況でもビジネスとして成功出来る可能性を秘めていることをこの”葉っぱビジネス”は証明してくれています。
ビジネスというとお金儲けというぐあいに受け止められてしまいがちですが、私はビジネス的に物事を考えて利益を生み続けることによる持続可能性がとても大事だと思っています。
どんなに素晴らしい制度や仕組みを組み立てて実行に移しても赤字垂れ流しではしずれそのシステムは破綻してしまうからです。

ということで、少しでも多くの地方自治体で、それぞれの強みを生かした、そしてそれに携わる人たちが心地よさを感じることの出来るようなビジネスが展開出来るような状況を少しでも早く実現して欲しいと思います。

 
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