2011年08月30日
アイデアよもやま話 No. 1916 ミドリムシからバイオ燃料!
ミドリムシ(学名ユーグレナ)についてはアイデアよもやま話 No.1363 ミドリムシが世界の食糧危機を救う!?などで何度かお伝えしてきました。
8月12日(金)放送のワールドビジネスサテライト (テレビ東京)でミドリムシからバイオ燃料をつくる研究について取り上げていましたのでご紹介します。

ミドリムシ大量培養の研究を重ね、栄養素として食品に展開する事業などを手掛けている株式会社ユーグレナの出雲 充社長は最近新たにミドリムシからバイオ燃料をつくる取り組みをしています。
ミドリムシには全部で100種近い種類があり、その中から特別な燃料をつくるミドリムシを見つけたのです。

培養液から取り出したミドリムシを超音波で破壊してろ過装置にかけると、ろ過装置の中でわずかにオレンジ色の帯のように見えるミトリムシオイルが出来るのです。
今のところ取り出せるのはごくわずかですが、新日本石油、日立プラントテクノロジーとミドリムシからの燃料製造で共同研究し、量産化の可能性を探っているといいます。
出雲さんは、ミドリムシで飛行機の燃料をつくれることをここ1,2年の課題としています。

実際に、日本航空では以前からアブラナの一種や藻からつくったバイオ燃料を混ぜた燃料で試験飛行を実施しています。
そして、ASTM(航空燃料の世界基準を扱う団体)が今年7月にバイオ燃料を50%までジェット機用に使用可能と認可しました。
ですから、航空業界では既にバイオ燃料が実用化の時代に入ったのです。
ミドリムシからつくったバイオ燃料の低価格化が進めば、巨大なビジネスに成長するし、化石燃料の枯渇問題の解決策としても大変有望です。

こうした動きを受けて、航空エンジンなどを手掛けるIHIも今月ベンチャー企業と共同で藻類からつくるバイオ燃料の量産に向けて新会社、IHIネオジーアルジを立ち上げました。
ボツリオコッカスという藻の一種を品種改良していますが、非常に油分を蓄積する能力があり、油を取り出しやすいのが特徴です。
普通のボツリオコッカスに比べて1カ月で1000倍以上に増えるので実用化が可能としています。
効率よく油が取り出せるため、屋外の大規模施設を使い、光合成だけで増殖させれば生産コストはおさえられる、という構想です。
そのための技術課題をクリアし、3年以内のサンプル供給を目指す、としています。

ミドリムシは食料としてもエネルギー源としても再生可能なので遠い未来に人類が宇宙で生活を送る際にも不可欠な存在と成り得ます。
ですから、
アイデアよもやま話 No.1001 ミドリムシが地球の救世主?でもお伝えしたように、やはいミドリムシは人類生存の救世主になってくれるのかも知れません。

 
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