2011年06月12日
No.1848 ちょっと一休み その282 『日産「リーフ」での高速道路走行』
6月9日(木)、太陽光発電の実験施設を見学するために、茨城県つくばの産業技術総合研究所まで日産「リーフ」を運転して行って来ました。
事前に目的地までの距離を確認したら約110kmでしかもそのほとんどが高速道路だったので、これなら途中で充電しなくても間違いなく行ける距離だと思ったからです。
また、今の季節なら何とかエアコンを使わなくて済む、という思いもありました。
そして、決定打は、たまたま宿泊したホテルのすぐ近くに急速充電器設置済みの日産販売店があったことです。
こうして、EVの普及活動をしている私としては、電欠(ガソリン車のガス欠に相当)による追突などの事故は絶対に避けなければならない、という思いで自宅を出発したのです。
勿論、前日深夜から自宅でフル充電完了してのことです。

「リーフ」のカタログ仕様では、フル充電での航続可能距離は200kmとなっていますが、実走行してみると140kmほどです。
しかも、ガソリン車同様の速度でまともに高速走行をすると航続可能距離が約20%ダウンして、エアコンを使うと更に約20%ダウンしてしまうので90km近くしか走行出来なくなってしまいます。
更に、平坦な道、上り坂、あるいは下り坂によっても大きく走行可能距離は変わってきます。
ですから、今回の片道約110kmの長距離では常にエコメーターに注意を払いつつ時速80kmをキープして走行しました。
その結果、途中で充電することなくメーター上の残りの走行可能距離40kmくらいの状態で無事目的地に到着出来ました。

さて、問題は自宅への帰途です。
急速充電器での充電は一般的にほとんど充電されていない状態から30分かけて80%の充電と言われています。
これだけの充電量では安心して帰ることは出来ません。
ですから、私はまず急速充電で80%充電してから普通充電で残りの20%を充電してフル充電にしようと考えていました。
ところが、販売店の方にその旨お願いしたら、急速充電器でも2回に分けて充電すれば98%くらまで充電出来る、ということでしたのでトータル45分ほどで98%充電した状態で出発することが出来ました。
そして、ちょっと蒸し暑かったのですが、エアコンを我慢して往路同様の航続可能距離を残した状態で帰宅出来ました。

このように、現在販売中のEV、「リーフ」や「iMiEV」の実質的な航続可能距離はせいぜい120km前後なのでいざ長距離走行をする際には、あらかじめ走行距離や急速充電器の設置場所などをきちんとチェックしておくことが必要なのです。
しかも、走行時には急発進や急加速をせず、あるいはあまりスピードを出さないようにしないと航続可能距離が短くなってしまうのです。
更に、往復でどちらかに上り坂が多い場合には要注意です。
特に、往路に下り坂が多く、復路には上り坂が多い場合には、行きはとても電費が良いので、そのつもりで帰りも大丈夫だと思ったら大間違いでとんでもないことになってしまいます。

どんな状況にあっても走行可能距離を気にせずに安心してEVで遠距離ドライブも出来るようにするための走行可能距離の目安を、私は200kmと考えております。
その前提は、エアコンをかけて高速道路をガソリン車同様のスピードで走行し、途中急速充電しながらの遠距離ドライブです。
そのためには、仕様上のフル充電での航続可能距離450kmくらいが必要になります。
ここまでEV関連技術が進歩するするのは今後5年くらいはかかりそうです。
でも、これが実現すれば一気にEVの普及は進むと思います。
ただし、充電インフラの整備も条件付きです。
今回はたまたまラッキーなことに宿泊したホテルのすぐ近くに急速充電器があったのですが、地方都市にはまだまだ急速充電器が少ないのです。
そして、せめて10km四方に急速充電器が設置されていなければ、特にビジネスなど急いでの移動を必要とするケースではEVは普及しません。

 
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