2010年03月09日
アイデアよもやま話 No.1454 マグロの完全養殖で日本人の食生活を救う!
2月21日(日)放送の夢の扉〜NEXT DOOR〜(TBSテレビ)で「マグロの完全養殖」をテーマに取り上げていましたのでご紹介します。

日本は世界一のマグロ消費大国です。
ところが、今日本は世界規模のマグロの捕獲制限が検討され、全面捕獲禁止という危ういところまで来ています。
このままだと、マグロの値段は現在の数倍に跳ね上がる、と言われています。
そこで、注目されているのがマグロを卵から孵化させていく、という近畿大学による”マグロの完全養殖”プロジェクトです。
そこには、次のように多くの難題がありましたが、一つ一つ解決していきました。
・繊細なマグロの稚魚に与えるエサ
・育てた稚魚を全国に輸送する手段
ちなみに、マグロの皮膚は人の手で触っても火傷をするほど見かけによらず繊細だそうです。

今、水産業界で注目されているのが卒業証書付きの完全養殖で育った”近大マグロ”で、
都心の有名デパートでも販売されています。
天然ものよりも脂ののりがよく、しかも値段は天然の半額なのです。

近畿大学水産研究所 大島実験場(和歌山県串本町)職員で、”近大マグロ”育ての親と言われているのが岡田貴彦さん(53歳)です。
岡田さんは番組の中で次のようにおっしゃっていました。
「世界中で捕られるマグロのほとんどを日本人が食べちゃっているんですよね。」
「我々が責任を持って我々が食べるマグロは我々が作る。」

そして、”マグロの完全養殖”プロジェクトが目指すのは、完全養殖マグロの全国展開です。
日本中の全ての養殖業者に近畿大学の稚魚を配り、それを育ててもらい、国内のマグロ養殖を賄う、というのです。

昨年11月、初の稚魚出荷の第一便が数千匹長崎県の養殖会社に向かい、ほぼ全ての稚魚は無事たどり着きました。
ここで2〜3年飼えば出荷サイズになるのです。
いよいよ、全国展開に向けて大きく前進し始めたのです。

2008年現在の世界の人口を養うのに必要な穀物の量は21億トンですが、人口増に伴い2050年には30億トンも必要になると予測されています。
ところが、実際には気候の変化や水不足、土壌の悪化などで穀物は最大で25%不足する、と言われています。
ちなみに、以前お伝えしたように、現在、日本の食料自給率は41%です。

マグロの捕獲制限問題は、近い将来の食料不足問題を暗示しているように思えてなりません。
マグロを含めた日本人の食生活を守るためには、いろいろな方法で食料自給率を上げる方法を考える必要があるのです。
そして、その方法を国内のみならず世界展開しなければなりません。
そうすることによって、世界規模での食料問題が解決され、食料を奪い合う紛争勃発のリスクを下げることが出来るからです。

 
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