2009年05月19日
アイデアよもやま話 No.1202 電気自動車普及の鍵 - スタンドでバッテリー交換!
以前から、電気自動車はどんどん普及してほしい、でもそのネックはバッテリー充電時間だ、と思っていました。
そうしたら、5月13日(水)放送のワールドビジネスサテライト (テレビ東京)で「電気自動車普及の鍵は・・・」をテーマに取り上げていましたのでご紹介します。

2年前にカリフォルニアで創業した、アメリカのベンチャー企業、ベタープレイスの考えるバッテリー交換システムは、充電スタンドでバッテリーを交換してしまうという方法で、まさにコロンブスの卵なのです。
まるで、おもちゃのクルマの電池を取り替えるように、空のバッテリーを充電済みのバッテリーに交換するのです。
実際に、このバッテリー交換システムは2011年にイスラエルでサービス開始の予定だそうです。
スタンドの建設コストは約5,000万円で、これはガソリンスタンドの半分で済むそうです。
また、車両やバッテリーはルノー・日産連合が供給することが決まっているそうです。

番組の中で、ベタープレイス・ジャパンの藤井清孝社長は次のようにおっしゃっていました。
「お客様はクルマをご自分で全部買わないで、バッテリーを除いた価格で安く買うことが出来ます。」
「バッテリーの分は走行距離に合わせて月々課金するモデルです。」

現在、電気自動車は、価格の半分から3分の2はバッテリー代、つまり200万円前後はバッテリー代が占めている、と言われています。
バッテリーを取り外すことで、ユーザーは電気自動車をその分安く買うことが出来るのです。
そして、ユーザーはバッテリーをベタープレイスからレンタルし、スタンドでバッテリーを交換する際に、利用料金を支払うのです。

また、番組で確認した給油/交換時間の比較は、以下のとおりです。
バッテリー交換システム:およそ1分30秒
従来のガソリンスタンド:1分40秒
急速充電器(高岳製作所で開発):34分

ということで、バッテリー交換システムの交換時間には、問題なさそうです。
でも、このバッテリー交換システムには課題があります。
それは、メーカーによって、バッテリーの規格が違うのです。
それに対しては、それぞれのブランドに対応したバッテリーの種類(最大10種類)を用意しておくことを考えているようです。
そういう意味では、このコストを抑える意味でもバッテリー・インフラの共通化が必要となります。

ある調査によると、電気自動車の世界市場は、2010年で3,000台、2020年で13万5,000台だそうです。
これは、ハイブリッド車の30分の1です。
でも、以下の項目のスピード如何では、電気自動車はもっと速いスピードで普及していくのではないか、と期待しています。
・電気自動車の購入価格、ガソリンに代わる維持費
・バッテリー本体の世界的な統一規格化
・バッテリー本体の技術進歩(1回の充電での走行距離、充電時間の短縮)
・バッテリー交換システムや充電施設などのインフラ整備
・地球温暖化への危機の高まり

 
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