2008年09月09日
アイデアよもやま話 No.986 振動発電でエネルギー問題解決!
8月31日(日)放送の近未来×予測テレビ ジキル&ハイド(テレビ朝日) のテーマの一つは「首都高速が東京の4割の電力を作る」でしたのでご紹介します。
人が歩く時、あるいは車の振動、すなわち資源ゼロで電気エネルギーを生み出すというのです。
2008年1月19日に東京駅での実験結果では、ゴムシートを敷いて発電し90平方メートルの発電床で1日500KWの電力を発電したそうです。
この電力によりICカード式改札1台が約5.5時間稼動できるのです。
これこそが振動で電気を発生する画期的な発電装置「発電床」なのです。
そして、「発電床」により首都高速を巨大発電装置に変えてしまおうとする計画があるのです。
この「発電床」を発明したのは、慶応大学大学院の速水浩平さんです。
「発電床」は押すだけで電機が発生し、照明が点くのです。
内部に敷き詰められた薄い円盤が電気を発生するのです。
この円盤には、力を加えて変形すると発電する性質があるのです。
このアイデアの元は、スピーカーだそうです。
スピーカーは電気で振動し音を出しますが、この「発電床」はその逆で振動によって電気を発生できないか、という発想に基づいているのです。
限りある資源の消費により生み出されていたエネルギーから捨てられていた振動というエネルギーを有効利用する、という発想の転換です。
そして、この振動発電は既に実用化されているのです。
コクヨでは、歩くと踏む振動で一つ前のランプが光る床に応用しています。
停電になっても、踏めば明かりがついてお客様を安全に誘導できるのです。
また、首都高速の足立区荒川の五色大橋では、橋を彩るイルミネーションの一部を振動発電によってまかなっています。
更に、振動発電を使った壮大な計画が進んでいるそうです。
振動発電装置を首都高速全体に敷き詰め、膨大なエネルギーを得ようとするものです。
首都高速の全長295km、一日の平均通行量はおよそ115万台なので、実現すれば総発電量は約500万kW、とのことです。
これは火力発電所の2〜3基分で、23区で使われる一般家庭の4割の電気量という試算が出ているのです。
また、振動発電素子は1枚当り十数円で、割れたりしなければ半永久的に使用可能だそうです。
そして、速水浩平さんは更なるエコ発電機を開発中なのです。
人の声(振動)で発電する音力発電機です。
携帯電話やPHSが話しながら充電できるようになるのです。
声に限らず、振動エネルギーはいたるところに存在しています。
ということで、今まで全く見向きもしなかった振動エネルギーを電力に変えることによって資源小国日本は環境に優しい資源国として生まれ変わることが出来るかもしれません。
そして、世界中でこの振動発電が実用化されれば、どんなに省資源化されることでしょう。
振動発電や太陽光発電などを組み合わせることによって、資源問題解決への大きな突破口が期待できます。

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています