2008年05月15日
アイデアよもやま話 No.886 ヨーロッパ生まれのJUDOから貪欲に学ぶ柔道!
5月5日(月)放送のNHKスペシャルで「JUDOを学べ 〜日本柔道 金メダルへの苦闘〜 」をテーマに取り上げていました。
柔道の勝利を決めるのも、常なる勝利にむけたアイデアであることを感じたのでご紹介します。
番組では、今年開催される北京オリンピックの柔道の代表選手に選ばれた石井慧さん(21歳)に焦点を当てていました。
日本の柔道の伝統は、一本を取りにいくことです。
ところが、石井選手は違いました。
石井選手が目指したのは、変則的な技を使ってでも勝つことに徹する柔道でした。
番組のなかで、石井選手は以下のようにとおっしゃっていました。
・効果でも指導でも勝ちは勝ち
・基本的に、力が強かったり、才能があったり、努力したりする人が勝つのではなく、変わっていく環境にいち早く順応できる人が勝つ
・日本の柔道は進化していないが、外国の柔道は進化している
・横文字のJUDOに柔の柔道を組み込ませていけば、一番速く勝てる方法だと思う
勝ちに徹する柔道、その原点はヨーロッパにありました。
ヨーローッパでは、背中と脚とつかんで放り投げるハバレリという新たな技が生まれました。
また、どんな体形からでもポイントを取りにいき徹底的に勝負にこだわるのです。
こうした、ヨーローッパで生まれたJUDOが日本の柔道を脅かしているのです。
あるヨーロッパの選手は、「日本の選手にきれいな投げ技を決めさせないためには、汚いJUDOもやらなくちゃならない」とおっしゃっていました。
ここで、石井選手に話を戻します。
石井選手はしっかりと、ヨーロッパ生まれのJUDOを取り込んで北京オリンピックのへの切符を手にしたのです。
それにしても、日本伝統の一本勝ちは野球で言うところのホームランと同じようにとても魅力的な勝ち方です。
ですから、日本柔道には、是非外国JUDOの技を取り込んだうえで一本勝ちにこだわる道を進んでいただきたいと思いました。
この番組をとおして、何事によらず、ゲームや競争の場では、孫子の兵法『敵を知り、己を知らば、百戦危うからず』の原理が働いていることをあらためて思い出しました。
進歩のない現状維持はいずれ負けにつながるのです。

 
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