5月30日(金)放送の「おはよう日本」(NHK総合テレビ)で搾りかすをビジネスにする取り組みについて取り上げていたのでご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。
私が持っているバッグ(こちらを参照)、生地にはりんごの種や茎などを乾燥させて潰した粉末が使われているんです。
環境保護の観点から、これまでは捨てられていたものを活かそうという取り組みが広がっています。
昨年夏、パリで行われたファッションショー。
このショーで話題になったのがりんごの皮を剥いたようなデザインのジャケットです。
肩の部分にりんごの搾りかすを使った“ヴィーガンレザー”をあしらいました。
“ヴィーガンレザー”とは、動物の皮を使用せず、石油素材の比率も極力抑えた合成皮革のことで、持続可能な社会の実現に向けて世界的に注目されています。
この“ヴィーガンレザー”を制作した香田遼平さんです。
りんごの皮や種を乾燥させて粉末にして、塩化ビニールに混ぜ込みます。
不規則なかたちの搾りかすを活かすことで唯一無二の模様に仕上がります。(こちらを参照)
このカードケースとポーチ(こちらを参照)は大手セレクトショップで取り扱われ、制作した150本が完売。
第二弾、第三弾として、様々なデザイナーとのコラボレーションも進められています。
香田さんは次のようにおっしゃっています。
「デザイン資源の世界にも新しい可能性を見出せることが出来るんじゃないかと思っています。」
りんごの生産量、日本一の青森県。
ジュースなどの加工品にも使われ、搾りかすの処理が長年の悩みの種でした。
青森県で排出される量が年間約2万トン。
処理するには手間も費用もかかります。
その軽減につながるとして“ヴィーガンレザー”が期待されているのです。
りんごの搾りかすの活用は航空業界にも広がっています。
こちらは資源廃棄量ゼロなどの実現を目標に運航されている機体です。
この航空会社(ANA)の3つの機体、合わせて529席分のヘッドレストカバーに“ヴィーガンレザー”を使用。
生地を開発したのは青森出身の“ヴィーガンレザー”などの製造・販売をしている藤巻圭さん。
藤巻さんも搾りかすの問題を解決しようと知恵を絞った一人です。
航空会社の目に留まり、起業からわずか5ヵ月で採用されました。
藤巻さんは次のようにおっしゃっています。
「(採用は)私たち自身も驚いているのが正直なところで。」
世界市場は30兆円以上とも言われる皮革業界。
藤巻さんは、そのシェアの1%をりんごの搾りかすの“ヴィーガンレザー”に置き換えていきいと考えています。
藤巻さんは次のようにおっしゃっています。
「こうした活動を通じて関係人口を増やして、りんご産業を守っていきたいなと思っています。」
他の果物の産地でも同じ悩みを抱えているところもありそうですから、こうした動きはヒントになりますね。
廃棄物の処理という課題を解決しつつ、ビジネスとして成り立っていくと、まさに一石二鳥ですよね。
搾りかすを活かした取り組みがどこまで広がっていくか注目したいと思います。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
要するに、りんごの皮や種、搾りかすなど本来廃棄されていた部分を活用し、環境に優しい「ヴィーガンレザー」を製造する取り組みが広がっているということなのです。
具体例として、バッグやポーチ、更にはANAの機体のヘッドレストカバーに採用されるなど実用化が進み、りんご産業の支援にもつなげようとしているのです。
こうした取り組みは、廃棄物削減と地域産業振興を両立する「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の新モデルとして注目を集めているのです。
ここでとても重要なことは、「ヴィーガンレザー」がビジネスとして成り立つということです。
これまで廃棄のためのコストがかかっていたのが、「ヴィーガンレザー」により逆に利益を生み出す商品に生まれ変わらせたのです。
なお、環境に優しい「ヴィーガンレザー」のような素材について、ChatGPTで調べた結果を以下にお伝えします。
環境に優しい「ヴィーガンレザー」のような素材を製造する取り組みの事例として、りんごの皮や種、搾りかすなど本来廃棄されていた部分を活用している以外にも、バナナやマッシュルームなどの廃棄物から様々な素材が製造されています。(添付1参照)
また、「原料由来 × 環境効果 × 実用化度」のマトリクスを表にまとめてみると、原料由来に関係なく、環境効果は高く、実用化度については、若干まだ伸びしろがあるようです。(添付2参照)
いずれにしても、地球全体で持続可能な社会を実現するためには、「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」も必須なので、どんどん世界的に普及させていくべきなのです。
添付1)
環境に優しい「ヴィーガンレザー」のような素材を製造する取り組みの事例として、りんごの皮や種、搾りかすなど本来廃棄されていた部分を活用している以外に、どんな事例があるか?
ChatGPT:
りんご搾りかすのように「廃棄物を新素材に変える(アップサイクル)」動きは、世界的に急速に拡大しています。
以下では、環境に優しいヴィーガンレザーやサステナブル素材の代表的な事例を、素材別に整理して紹介します。
🌿 環境配慮型「ヴィーガンレザー/新素材」活用の代表事例一覧
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素材の由来
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活用される廃棄物・植物
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主な製造企業・ブランド
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特徴・用途
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🍌 バナナレザー
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バナナの茎・繊維
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Green Banana Paper(米)など
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柔軟で通気性が高く、財布や名刺入れなどに利用。バナナ農家の副収入にも。
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🍍 パイナップルレザー(Piñatex)
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パイナップルの葉
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Ananas Anam(英)
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革に似た質感で軽量。Nike、Hugo Bossなどが採用。
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🍄 マッシュルームレザー(Mylo)
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キノコ菌糸体(マイセリウム)
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Bolt Threads(米)
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柔らかく通気性がよい。Stella McCartneyなどがバッグ・衣類に使用。
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🌾 コメレザー(Rice Leather)
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米ぬか、稲わらなど
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日本のスタートアップ企業など
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廃棄米資源を活用。和素材の再利用として注目。
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🍇 グレープレザー(Grape Leather)
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ワイン製造時のブドウ搾りかす
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Vegea(伊)
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高級ブランド(Mercedes-Benz、H&Mなど)も採用。
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🌵 カクタスレザー(Desserto)
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サボテン(主にメキシコ産)
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Adrián López Velarde & Marte Cázarez(墨)
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耐久性が高く、環境負荷が極めて低い。自動車内装にも使用。
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☕ コーヒーレザー
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コーヒー豆のかす
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nat-2(独)など
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廃棄コーヒーから抽出した油分を利用。香りが残ることも。
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🍊 オレンジファイバー
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オレンジの皮・果汁かす
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Orange Fiber(伊)
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イタリアのファッションブランドが採用。絹のような質感の繊維。
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🌰 ココナッツレザー
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ココナッツ殻の繊維
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Malai(印)など
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完全生分解可能。耐水性に優れた軽量素材。
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🌱 竹ファイバー
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竹の繊維
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各国の繊維メーカー
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抗菌性と通気性が高く、衣料や靴に活用。
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🪵 パルプレザー/木質由来素材
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木材・セルロース繊維
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Treetap、Naia Renewなど
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植林木・森林副産物を活かすバイオ素材。
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♻️ 共通の潮流(トレンド分析)
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観点
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内容
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1. アップサイクル化
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廃棄物(果実・植物・副産物)を原料にし、環境負荷を下げる動き。
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2. 動物由来ゼロ
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動物皮革を使わず、倫理的ファッション(エシカルファッション)を実現。
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3. 脱化石素材
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従来の合成皮革に使われたPVCやPUを植物由来樹脂で代替。
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4. 地域循環モデル
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地元農産物や副産物を再資源化し、地域雇用・ブランド化を促進。
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5. 大手ブランドの採用
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Stella McCartney、Gucci、Adidas、H&Mなどが採用を拡大中。
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🌏 一言でまとめると:
廃棄されていた植物・農産物の副産物を活かした「バイオマスレザー/ヴィーガンレザー」は、
環境負荷を減らしつつ、地域経済・農業・デザイン産業を結びつける“次世代循環ビジネス”の象徴となっている。
添付2)
「原料由来 × 環境効果 × 実用化度」のマトリクスを表にまとめると?
ChatGPT:
以下に「🌿原料由来 × 🌏環境効果 × ⚙️実用化度」の三要素を整理したヴィーガンレザー・サステナブル素材マトリクス表を示します。
(★=評価レベル。★5が最も高い)
🧭 サステナブル素材マトリクス
―「原料由来 × 環境効果 × 実用化度」比較表 ―
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素材名
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原料の由来
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主な国・企業
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環境効果(CO₂削減・廃棄物削減)
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実用化度(市場普及・製品採用)
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主な用途・採用事例
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🍏 アップルレザー
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りんご搾りかす(青森など)
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Frumat(伊)、日本各社
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★★★★★ 廃棄2万t削減・地域循環促進
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★★★★☆ ANA・国内ブランド採用
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バッグ、ポーチ、航空機内装
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🍍 パイナップルレザー(Piñatex)
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パイナップルの葉
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Ananas Anam(英)
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★★★★★ 廃棄葉再利用・CO₂削減
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★★★★★ Nike、H&M採用
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靴、バッグ、アパレル
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🍄 マッシュルームレザー(Mylo)
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菌糸体(マイセリウム)
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Bolt Threads(米)
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★★★★☆ 再生可能・CO₂固定
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★★★☆☆ 高コストで限定展開
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高級ブランド(Stella McCartney)
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🌵 カクタスレザー(Desserto)
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サボテン葉
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Desserto(墨)
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★★★★★ 耐久・低水消費・無農薬
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★★★★☆ 自動車内装にも採用
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シート、財布、衣料
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🍇 グレープレザー(Vegea)
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ワイン搾りかす
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Vegea(伊)
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★★★★★ 農業廃棄物削減
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★★★★☆ H&M・Mercedes採用
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バッグ、車内装
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☕ コーヒーレザー
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コーヒーかす
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nat-2(独)など
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★★★★☆ 廃棄抑制+香り残存
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★★★☆☆ 試験的導入段階
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スニーカー、雑貨
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🍌 バナナレザー
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バナナの茎・繊維
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Green Banana Paper(米)
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★★★★★ 廃棄茎再利用+地域雇用
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★★★☆☆ 中小規模流通
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名刺入れ、財布
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🍊 オレンジファイバー
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オレンジの皮・果汁かす
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Orange Fiber(伊)
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★★★★☆ 果汁副産物の再資源化
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★★★★☆ Salvatore Ferragamoなど
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衣料、スカーフ
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🌾 コメレザー
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米ぬか・稲わら
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日本スタートアップ
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★★★★☆ 廃棄農産資源の利活用
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★★☆☆☆ 実証段階
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バッグ、試作品
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🥥 ココナッツレザー(Malai)
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ココナッツ殻
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Malai(印)
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★★★★★ 生分解性・低環境負荷
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★★★☆☆ 環境ブランド中心
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小物、ノートカバー
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🪵 木質・セルロース由来(Naia、Treetap)
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木材パルプ、再生繊維
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Eastman(米)ほか
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★★★★☆ 森林副産物活用
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★★★★☆ 繊維産業で普及中
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ファッション、包装材
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🧩 分析のポイント
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観点
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傾向・インサイト
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原料多様化
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農業・食品副産物(果物・穀物・木材)を幅広く活用。地域ごとの「地産素材」が増加中。
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環境効果
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多くが廃棄物削減とCO₂抑制を両立。特に果物系・菌系素材の効果が高い。
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実用化度
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パイナップル、カクタス、アップルが商業化の最前線。マッシュルームやコーヒーは高付加価値領域で拡大中。
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今後の課題
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コスト削減・量産化・耐久性確保がカギ。再エネと結びつく「完全循環製造」が次の焦点。
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💡 一文でまとめると:
現在のサステナブル素材市場は、「果実系(アップル・パイナップル)× 高環境効果 × 実用化が進行」という三位一体のトレンドを形成しており、
日本の地域素材(りんご・米・竹など)も国際標準化の動きに加わりつつあります。