１月３０日（木）放送の「ワールドビジネスサテライト」（テレビ東京）でＡＩが生んだ”発明”における特許権の行方について取り上げていたのでご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。
ＡＩが発明品を生み出した場合、特許を持つのはＡＩなのか、それとも、そのＡＩを作った人間なのか。
特許申請について争われた裁判の控訴審判決が今日、言い渡されました。
アメリカ人研究者のスティーブン・ターラーさんが、独自のＡＩ「ダバス」により発明された食品容器などについて、発明者の欄にＡＩの名前「ダバス」を記載し、特許登録することを求めていた裁判で知財高裁は、今日、原告の請求を棄却しました。
原告側は裁判で、「特許法が作られた時点で、ＡＩの存在は想定されていなかった 食品容器などはＡＩの発明で、人が発明していないのに、人の名前を記載するのはおかしい」などと主張していました。
今日の判決で、裁判所は、現行法は、ＡＩの存在を前提としていないという、現行法の問題には触れつつも、原告の請求を退け、“発明者は人に限られる”との判断を示しました。
原告側の佐藤安絋弁護士は次のようにおっしゃっています。
「未知の課題というか、まだ誰も考えたことがない問題になるかなとは思ってますので、そこについて、いろいろな方面から議論を積み重ねることが出来れば、良い方向に向かっていけるんじゃないかなと思っております。」
ということで、言わば、前代未聞の裁判だったんですが、ＡＩが特許になるのかどうかが争われたのはこちらの男性が持っている、この食品用の容器の特許なのです。
拡大してみますと、このようにギザギザした形状になっています。（こちらを参照）
このギザギザがあることで、容器同士がうまく重なって、密着し（こちらを参照）、運び易い仕組みになっています。
これを発明したのが、原告であるターラー博士らの作った独自のＡＩ「ダバス」です。
この裁判を取材した、司法担当の石津早也果記者は次のようにおっしゃっています。
「（ＡＩは特許を持てるかについて、）ほとんど認められておりません。」
「原告は、同じような特許を中国やイギリスなど、世界１６の国と地域で求めていたのですが、２ヵ国を除いて認められていません。」
「（ということは、逆にいうと、認めた国もあったということかという問いに対して、）そうなんです。」
「南アフリカでは認められました。」
「法律上、発明者が人でなくてもいいからなんです。」
「また、ドイツでもＡＩを作ったターラー博士という、ＡＩの文言を加えた申請が認められました。」
「このドイツの判決について、専門家は画期的だと話しています。」
知財（知的財産）に詳しい多田宏文弁護士は次のようにおっしゃっています。
「（ドイツは）一歩踏み込んだとは言えると思います。」
「今後もＡＩのインパクトは増していくとすれば、どこかで（日本も）対応は求められると思います。」
ということは、ＡＩの権利が認められる国も出てきているということは、将来、日本の法律も変わるということなのかという問いに対して、石津さんは次のようにおっしゃっています。
「はい、可能性は出てきています。」
「実は、今日、知財高裁は判決文で「ＡＩ発明が社会に及ぼす様々な影響など、立法化のための議論が必要だ」と指摘しました。」
「政府も特許権の見直しに動いています。」
「ＡＩを使って、何かを発明した場合、そのＡＩの開発者も共同発明者として認定するかどうかも検討に入っています。」
「こちらは６月を目処に方向性を示していく方針です。」
つまり、ＡＩは法律をも変えつつあるということですね。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
番組の内容を以下にまとめてみました。
（ＡＩによる発明の特許権が破棄）
・アメリカ人研究者、スティーブン・ターラーさんが、独自のＡＩ「ダバス」により発明された食品容器などについて、ＡＩを発明者として、特許登録することを求めていた裁判で知財高裁は、今日、原告の請求を棄却した
（原告側の言い分）
・特許法が作られた時点で、ＡＩの存在は想定されていなかった食品容器などはＡＩの発明と見なすべきである
（裁判所の言い分）
・現行法は、ＡＩの存在を前提としていないという、現行法の問題には触れつつも、“発明者は人に限られる”との判断を示した
（原告側の佐藤安絋弁護士の見解）
・未知の課題というか、まだ誰も考えたことがない問題になると思っており、いろいろな方面から議論を積み重ねることが出来れば、良い方向に向かっていける
（この裁判を取材した、司法担当の石津記者の見解）
・ＡＩは特許を持てるかについて、ほとんど認められていない
・原告は、同じような特許を中国やイギリスなど、世界１６の国と地域で求めていたが、２ヵ国（南アフリカ、ドイツ）を除いて認められていない
・ＡＩの権利が認められる国も出てきているということは、将来、日本の法律もＡＩの権利が認められるようになる可能性は出てきている
・知財高裁は判決文で「ＡＩ発明が社会に及ぼす様々な影響など、立法化のための議論が必要だ」と指摘し、政府も特許権の見直しに動いている
-６月を目処に方向性を示していく方針である
（知財に詳しい多田弁護士の見解）
・ドイツは一歩踏み込んだと言える
・今後もＡＩのインパクトは増していくとすれば、どこかで日本も対応は求められる
（添付１より）
ＡＩが発明した場合の特許権の扱いは日本も含めて世界的にどうなっているか？
2025年現在、AIが発明した場合の特許権の扱いについては、各国で対応が分かれており、法制度はまだ過渡期にあります。
なお、（番組では、「世界１６の国と地域で求めていたが、２ヵ国（南アフリカ、ドイツ）を除いて認められていない」というが、）ドイツはEPOの方針に従い、ＡＩを「発明者」とは認めていないようです。
🧠 国際機関・将来動向
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機関
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動向
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WIPO（世界知的所有権機関）
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2021年以降、AIと知財に関する作業部会を開催。
AIが創作に関与する状況を整理中。結論は出ていない。
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OECD・UNESCO
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AI倫理の観点から「人間中心原則」を強調。
知的財産制度もその枠内で運用すべきとする傾向。
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✅ 結論：世界的整理（2025年時点）
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項目
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状況
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AIが「単独の発明者」として認められている国
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南アフリカ（形式審査のみ）
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人間の関与が必要
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日本、米国、EU、中国、韓国など主要国すべて
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法改正の動き
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多くの国が検討段階（ただし慎重）
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国際議論
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WIPOなどで継続中。標準化には至っていない
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（添付２より）
AIにより作詞、作曲された歌やAIにより創作された小説などの著作権については国際的にどうなっているか？
✅ 最終まとめ
- 完全AI創作物（人間関与なし）：国際的に基本的に著作権保護なし。
- 人間が意図的に関与したAI支援作品：
→ 米国・英・EU・日本などで人間著作者として保護されうる。
- 訴訟や新制度への動き：音楽・文学・画像など各分野で集中的に争われており、フェアユースや訓練データの正当性が鍵。
ということで、今のところ、南アフリカ以外の主要国は従来通り、特許制度における「発明者」は、原則として自然人（人間）に限定されています。
しかし、今後、AI関連技術は非常に速いスピードで進歩していくので、遅ればせながら、WIPO、OECD・UNESCO、あるいはEPO、そして世界各国は、「人間の創造性とは何か？」（定義の再設計）などについて、早急に検討し、特許権制度を再構築することを迫られているのです。
一方、AIの活用により作詞、作曲された歌やAIの活用により創作された小説などの著作権についても特許権制度と同様に、早急に検討し、著作権制度を再構築することを迫られているのです。
このように、今や、ＡＩは特許権制度や著作権制度を再構築しなければならないほどにまで進化しているのです。
添付１）
ＡＩが発明した場合の特許権の扱いは日本も含めて世界的にどうなっているか？
ChatGPT:
2025年現在、AIが発明した場合の特許権の扱いについては、各国で対応が分かれており、法制度はまだ過渡期にあります。以下に日本を含む主要国・地域別の現状と、**国際的な動向（最新情報を反映）**を整理します。
🧭 総論：AIは「発明者」になれるか？
- 特許制度における「発明者」は、原則として**自然人（人間）**に限定されています。
- 2020年以降、AI「DABUS（開発者：スティーブン・セイラー）」による出願が世界中で話題となり、各国が対応を迫られました。
- 2024〜2025年時点でもAI単独を発明者とする特許は、ほとんどの国で認められていません。
🌐 国・地域別の状況（2025年最新）
🇯🇵 日本
- AIは発明者になれない。
- 特許法上、「発明者」は人間でなければならない。
- AIが関与した発明でも、最終的な創意を人間が持ったとされる限り、人間が発明者とされる。
- 特許庁は2023年にガイドラインを明示：AIが補助した発明はOKだが、AI単独の創作は不可。
🇺🇸 アメリカ（USPTO）
- 2020年以降、一貫して「AIは発明者になれない」との立場。
- 連邦巡回控訴裁判所（CAFC）もDABUS訴訟で同様の判断（2022年）。
- ただし、AIの関与が高度な発明について「適切に人間の貢献を記載」すれば、出願可能。
🇪🇺 欧州（EPOおよび加盟国）
- EPO（欧州特許庁）：発明者は「自然人でなければならない」と明記。DABUS出願は却下。
- イギリスも2022年に最高裁が「発明者は人間に限る」と判断。
🇨🇳 中国
- 特許法上も「発明者＝人間」。
- しかし、AI支援による発明が急増しており、2021年に国家知識産権局が報告書を公表。
- 今後、制度整備の動きが出る可能性あり。
🇰🇷 韓国
- 明確な法的整理はないが、2023年にAI発明に関する研究会を立ち上げ。
- 特許庁は「人間が発明者である必要がある」としている。
🇿🇦 南アフリカ
- 2021年、世界で初めてAI「DABUS」を発明者として記載した特許を認めた国。
- ただし、これは形式審査（substantive examinationなし）に基づく登録であり、実質的な法改正ではない。
- 2024年以降、再検討中。制度化の動きはまだない。
🇩🇪 ドイツ（補足）
- ドイツはAIを「発明者」とは認めていない（EPOの方針に従う）。
- 一部誤解があるが、ドイツはAIを発明者と認めた国ではない（→南アフリカと誤認されやすい）。
🇸🇦 サウジアラビア（補足）
- 一部報道でDABUS出願に言及されたが、特許として正式に認めたという記録は存在しない（2025年時点）。
- 認可したのは南アフリカのみ。
🧠 国際機関・将来動向
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機関
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動向
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WIPO（世界知的所有権機関）
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2021年以降、AIと知財に関する作業部会を開催。
AIが創作に関与する状況を整理中。結論は出ていない。
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OECD・UNESCO
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AI倫理の観点から「人間中心原則」を強調。
知的財産制度もその枠内で運用すべきとする傾向。
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✅ 結論：世界的整理（2025年時点）
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項目
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状況
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AIが「単独の発明者」として認められている国
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南アフリカ（形式審査のみ）
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人間の関与が必要
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日本、米国、EU、中国、韓国など主要国すべて
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法改正の動き
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多くの国が検討段階（ただし慎重）
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国際議論
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WIPOなどで継続中。標準化には至っていない
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📝 今後の焦点
- 人間の創造性とは何か？（定義の再設計）
- AIが完全に独立して発明する場合の法的空白の整理
- 特許制度自体の見直し（脱所有・コモンズ化）
- 国際ルールの調和（WIPOの方向性がカギ）
添付２）
AIにより作詞、作曲された歌やAIにより創作された小説などの著作権については国際的にどうなっているか？
ChatGPT:
国際的に最新の動向を踏まえ、AIによる歌詞・作曲、小説などの創作物における著作権の扱いを整理しました。
🌐 世界の著作権制度の現状
✅ 1. 原則：著作権は「人間の創作」に限る
✅ 2. 人間が関与したAI作品は保護対象になりうる
✅ 3. 特許と同様、「人間の関与」「意図的編集」が鍵
- AIを道具として使い、人間が創作意図を持って調整・選定・組み合わせした作品は、著作権で保護されます。
- 完全にAIまかせで「歌詞だけ出力→無修正で公開」した作品には著作権は発生せず、無主物扱いになります wipo.int。
📚 4. 国別動向の比較
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地域
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保護される条件
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備考
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アメリカ
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✅ 人間関与作品は保護
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2025年1月報告（Part2）…登録事例あり copyright.gov
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英国
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✅ "arrangements necessary" に関与すれば可能
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コンピュータ生成物の例外付き
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EU
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❌ 人間関与が少なければ保護されない
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TDM例外など新制度調整中
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中国
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⚠️ 保護対象となる可能性あり
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一部司法判断でAI作品を保護する例あり
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日本
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❌ 人間関与が必須
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現行法では自動生成は非保護、制度見直しの議論継続
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🎵 音楽業界の訴訟・課題
⚖️ 5. 法制度・規制動向：透明性・データライセンスの整備へ
✅ 最終まとめ
- 完全AI創作物（人間関与なし）：国際的に基本的に著作権保護なし。
- 人間が意図的に関与したAI支援作品：
→ 米国・英・EU・日本などで人間著作者として保護されうる。
- 訴訟や新制度への動き：音楽・文学・画像など各分野で集中的に争われており、フェアユースや訓練データの正当性が鍵。
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3 日前
添付2-1）
フェアユースとは？
ChatGPT:
**フェアユース（Fair Use）**とは、アメリカ著作権法における重要な法概念で、著作権で保護された作品であっても、一定の目的と条件を満たせば、権利者の許可なしに使用できる例外的な利用を認める制度です。
🔍 基本定義
フェアユースとは、著作物の使用が「公正」（fair）である限り、著作権侵害とはみなされないという原則です。
典拠：アメリカ合衆国著作権法 第107条（Title 17, Section 107）
🧭 フェアユースの主な目的
- 言論の自由や教育・研究の促進
- 報道・風刺・批評・パロディなどの公共的な使用の保護
- 新たな創造・表現の自由（創造的再利用＝リミックス文化）
🧪 フェアユース判断の4要素（4 Factor Test）
裁判所は以下の4要素をバランスよく考慮して判断します：
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要素
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説明
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�� 利用の目的と性質
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商用か非営利か、変容性（transformative）があるか
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�� 著作物の性質
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創作性が高い作品か、事実ベースか
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�� 利用された量と重要性
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全体に比べてどれくらい使ったか、核心部分を使っていないか
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�� 利用が市場に与える影響
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権利者の利益や市場を侵害していないか
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※ すべての要素を総合的に判断し、「これはフェアだ」と裁判所が認定すれば合法です。
🖼️ よくあるフェアユースの例
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用途
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フェアユースが認められやすいケース
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教育
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教室内での一部コピーや引用、教材利用など
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批評・レビュー
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映画や本のレビューで一部を引用・紹介
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報道
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ニュース報道で一部画像・映像を使用
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パロディ
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元の作品を風刺・変容して新たな意味を生む
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検索エンジン
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Googleなどが画像をサムネイル表示（→2007年「Perfect 10 v. Google」事件）
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AI訓練（争点中）
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著作物をAIに学習させる行為は、フェアユースに該当するか裁判で争われている（例：OpenAI, Google, Meta など）
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🌍 国際比較（フェアユースと似た制度）
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国・地域
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対応する制度
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内容
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🇺🇸 アメリカ
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フェアユース（Fair Use）
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柔軟で判例重視、AI学習にも議論あり
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🇯🇵 日本
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権利制限規定（著作権法第30条など）
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限定列挙型。2018年改正でやや柔軟化（情報解析のための複製等）
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🇬🇧 イギリス
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フェアディーリング（Fair Dealing）
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フェアユースより限定的。目的は明記（批評・報道・教育など）
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🇨🇦 カナダ
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フェアディーリング
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イギリス型だが判例で幅が広がりつつある
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🇩🇪 ドイツ・EU
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限定的な権利制限条項（例：教育・風刺・研究）
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AI学習に関しては2019年「EU著作権指令」で情報解析の自由使用が認められる方向に
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⚖️ 現代的争点：AIとフェアユース
- AIモデルの訓練に大量の著作物を使う行為が「フェアユース」かどうかが法的に問われています。
- 例：OpenAI、Google、Metaに対する訴訟（2023〜2025）
- 「変容性（transformative）」があるか、「市場を奪うか」が焦点。
- アメリカでは今後、AIとフェアユースの関係を巡る最高裁判断が出る可能性があります。
✅ まとめ：フェアユースとは？
創作と社会的自由のバランスをとるために、一定条件下で著作権を制限し、公正な利用を認める法的仕組み。特にアメリカでは、柔軟かつ判例重視で運用されており、教育・批評・報道・パロディ・AI訓練など広く適用されうる。
添付2-1-1）
アメリカ著作権法における重要な法概念、フェアユースに該当する法概念は、日本にもあるか？
ChatGPT:
はい、日本にもアメリカのフェアユースに類似する法概念は存在しますが、仕組みや柔軟性の面では大きな違いがあります。
🇯🇵 日本の対応する法制度：著作権法上の「権利制限規定」
✅ 定義
日本の著作権法では、著作権者の許可がなくても一定の条件下で著作物を利用できる「権利制限規定」が設けられています。これはアメリカの「フェアユース」に機能的には近い概念です。
📜 主な権利制限規定（代表例）
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条文
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内容
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概要
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第30条
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私的使用のための複製
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個人が家庭内などで使う場合は許可不要
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第32条
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引用
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正当な範囲での引用は許可不要（報道・批評・研究など）
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第35条
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教育機関での複製
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学校での教材配布など一定条件下で許可不要
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第47条の4
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情報解析のための利用
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AI学習などのための複製は許可不要（2018年改正で新設）
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第30条の4
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非享受型利用
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他人に「作品として見せない」利用（例：機械学習）に限って許可不要
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🔍 フェアユースとの違い
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項目
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アメリカ（フェアユース）
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日本（権利制限規定）
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基本構造
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包括的・柔軟（裁判所の4要素判断）
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限定列挙制（法律に書かれたケースのみ）
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判断方法
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ケースバイケース（柔軟）
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条文に当てはまるかで判断（形式的）
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パロディ・風刺
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認められる可能性あり（例：Google訴訟）
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原則不可（パロディに関する規定なし）
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AI訓練
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フェアユースかどうかが争点
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第47条の4で明確に合法化（ただし非営利等条件あり）
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📌 改正の流れ：日本も少しずつ柔軟化へ
- 2018年の著作権法改正で、AI開発やデータマイニングに対応した「柔軟な権利制限」が導入されました。
- これにより、日本でもAIによる著作物の利用が「限定的にフェアユースに近い形で許される」ようになっています。
✅ 結論：日本の「フェアユース」相当制度は？
日本には**アメリカのフェアユースに機能的に近い制度として「権利制限規定」**がありますが、その対象は限定的かつ明文化されており、柔軟性には欠けるのが現状です。
ただし近年は、AI開発や教育用途などに合わせて、柔軟な例外規定が増えつつあります。
