2025年08月07日
アイデアよもやま話 No.6280 日本の半導体産業の盛衰、復活はなるか?

かつて、日本企業は半導体において世界を席巻するほどの勢いでした。

ところが、今やアメリカのエヌビディア、イギリスのARM、あるいは台湾のTSMCといった企業の後塵を拝しています。

そこで、今回は、こうした経緯について、チャットGPTを通して、日本の半導体関連企業の盛衰、そして復活の可能性についてお伝えします。

 

まず、なぜ、かつて、日本企業は半導体で世界を席巻出来ていたのかについては添付1を参照下さい。

以下は添付1の抜粋です。

かつて、日本企業が半導体で世界を席巻出来ていたか、複合的要因は以下の通りです。

  1. 国家戦略と産業政策の後押し(197080年代)
  2. 垂直統合型の製造体制
  3. 品質管理と生産技術の強さ
  4. 家電・コンピュータ需要の国内吸収と輸出
  5. アメリカとの貿易摩擦と「日米半導体協定」前までの圧倒的シェア 

では、どのような背景で、通産省(現・経済産業省)が中心となり、VLSIプロジェクト(19761980年)などの官民共同研究を推進したのかについては添付1-1を参照下さい。

以下は添付1の抜粋です。

VLSIプロジェクトは、

「日本が電子立国として世界に打って出るために、政府が司令塔となって最先端技術を育てた国家プロジェクト」
です。

その背景には、

  • 国際競争の激化
  • 高度経済成長の成功体験
  • 技術安全保障への懸念
  • 民間単独では困難な研究開発負担
    などが複雑に絡んでいました。 

更に、こうした背景について、当時の総理大臣の意向が大きく関わっていたのか、それとも当時の通産省(現・経済産業省)の官僚の危機感がきっかけだったのかについては添付1-1-1を参照下さい。

以下は添付1-1-1の抜粋です。

VLSIプロジェクトの発足は、当時の総理大臣の強い主導というよりも、主に通産省(現・経済産業省)の官僚たちの「技術立国」への強い危機感と戦略的構想が出発点でした。つまり、官僚主導型のテクノクラート的政策推進が本質です。

 

では、なぜ、その後、日本の半導体産業は衰退したのか、そして、回復の兆しと将来展望については添付2を参照下さい。

以下は添付2の抜粋です。

 

技術開発・イノベーションの遅れ

  • IBMと連携するRapidusが日本で2nm技術の開発を目指す事実は、日本国内に先端技術の空白があることを示唆しますnbr.orggigazine.net

経営戦略・企業構造の課題

  • 垂直統合型IDMモデルの弊害: 日本企業は従来、垂直統合型の総合電機・総合半導体企業(IDM: Integrated Device Manufacturer)モデルを採用し、設計から製造・パッケージまでを一社内で完結してきましたjapan-forward.comnbr.org。巨額投資が必要な半導体製造において、このモデルではリスクとコストが各社に分散し、投資回収サイクルが長期化しがちです。対照的に、台湾TSMCはファウンドリ専門で生産を集約し、得た利益を再投資して技術を磨く垂直分業モデルを確立。日本企業はシェアを奪われましたjapan-forward.comnbr.org
  • 投資判断の慎重さ: 国内市場の伸び悩みも一因です。

国際競争と各国の戦略

  • 近年、台湾や韓国、米国、中国などが半導体市場で急速に台頭し、日本企業を取り巻く競争環境は厳しさを増しています。それぞれ独自の戦略でシェア拡大を狙っています。

政府の政策・規制対応の影響

  • 日米半導体協定(1986年): 米国からの圧力で1986年、我が国はDRAM輸出抑制と国内市場開放に合意しましたcsis.org。これにより、日本国内で外国製品のシェアが10%から20%へ上昇しcsis.org、一時的に産業競争力が低下しました。
  • マクロ経済要因: 1985年のプラザ合意以降、円高が進行し輸出産業のコスト競争力が損なわれましたamro-asia.org。さらに1990年代にはパソコン時代の論理LSI投資が不足したことや、アジア新興国の成長が日本企業の後退を加速させましたamro-asia.org
  • 国内施策と産業育成: 経産省は197080年代のスーパーLSI事業などで研究開発を促進し、世界市場での勝利を支援しましたjapan-forward.com。しかし902000年代に実施された各種共同研究・プロジェクト(ASKAMIRAI)や産業再編推進策csis.orgcsis.orgは、企業間の協力には寄与したものの、意欲的な個別投資を抑制し、多様性を失わせたとも言われていますcsis.org
  • 最近の政策と補助: 現在、政府は半導体を経済安全保障の要と位置付け、積極的な支援を行っています。経産省は202324年度に総額約9000億円の補助金をRapidusに投入し、北海道千歳に次世代2nmファウンドリを誘致していますgigazine.netgigazine.net。また先述の通り、TSMC熊本工場への補助も実施していますenglish.kyodonews.net。半導体基本法の制定や官民連携強化など、供給網強靱化への取り組みも進められています。 

回復の兆しと将来展望

経産省は20244月、Rapidusへの追加支援(5900億円)を決定しましたgigazine.net。政府はRapidusを含む最先端半導体企業への支援を強化しています。

  • 海外企業の投資誘致: 2024年以降、日本国内で半導体生産に向けた具体的な動きが活発化しています。
  • 国内企業の新事業: Rapidus(旧エルピーダ関係者ら)は米IBMと連携し、2nm世代のLSI開発を目指していますnbr.orggigazine.net20244月には新工場建設向けの追加支援(5900億円)が表明され、累計で約9000億円の国家支援が投じられましたgigazine.netgigazine.net。技術的には未踏の領域ですが、成功すれば日本がAI時代の超先端チップ供給の重要プレーヤーになる可能性がありますnbr.org
  • 強み分野の展開: 日本企業はイメージセンサ、車載・産業用マイコン、パワー半導体などで依然高い競争力を持ちます。これらの分野で技術革新を進めつつ、世界的な設計・製造ネットワークに組み込まれることで、戦略的優位を再確立する可能性があります。
  • 課題と展望: 一方で、半導体産業は巨額投資と先進技術で劇的に収斂する競争環境です。日本が再び世界首位クラスに躍進するには時間がかかりますが、政府・産業界は連携して戦略投資を続けています。政府支援や企業投資の最近の動きは、世界的な需要増に対応し国内供給を安定化させるための重要な布石ですenglish.kyodonews.netgigazine.net。今後はAI5GEVなど新技術需要を見据えつつ、次世代素材・装置開発にも注力し、半導体大国としての基盤回復に挑戦しています。 

最後に、日本が再度、半導体大国として、回復していくためにRapidusを中核に、具体的にどういった国内外の企業と連携して取り組んで行くのかについては添付3を参照下さい。 

日本は、先端半導体の国産化による産業・安全保障の両立を狙いとして、Rapidusを軸にして国内外の技術・資本・知見を結集し、地政学的リスクに強い「自律的かつ安定したサプライチェーン」を構築しようとしているのです。

ということで、ラピダスを軸にした先端半導体の国産化プロジェクトは是非成功させていただきたいと思います。


添付1)

 

なぜ、かつて、日本企業は半導体で世界を席巻出来ていたのか?

ChatGPT:

 

かつて日本企業が半導体で世界を席巻できていた理由は、主に以下のような複合的要因によります。

🇯🇵 1. 国家戦略と産業政策の後押し(1970〜80年代)

  • **通産省(現・経済産業省)**が中心となり、VLSIプロジェクト(1976〜1980年)などの官民共同研究を推進。(添付1-1参照)
  • 政府による研究開発支援や、産業育成策により、最先端の技術力と人材を確保できた。

🏭 2. 垂直統合型の製造体制

  • 日本の電機メーカー(日立、東芝、NEC、富士通など)は、設計から製造、最終製品までを自社で一貫開発。
  • これにより、高性能かつ低コストでの生産が可能になった。

📦 3. 品質管理と生産技術の強さ

  • トヨタ方式に代表される**品質管理(TQC)と生産効率(カイゼン)**が半導体製造にも適用され、**製品歩留まり(良品率)**が非常に高かった。
  • この製造品質の高さが、グローバル市場での競争力となった。

🌍 4. 家電・コンピュータ需要の国内吸収と輸出

  • 国内で急成長した家電・OA機器市場が、半導体の巨大な需要源となった。
  • 同時に、アメリカやヨーロッパへの輸出が加速し、世界市場においても影響力を拡大。

📉 5. アメリカとの貿易摩擦と「日米半導体協定」(添付1-2)前までの圧倒的シェア

  • 1980年代にはDRAMで世界シェアの8割を日本勢が占めるに至り、アメリカの半導体業界は危機感を強めた。
  • その結果が1986年の「日米半導体協定」であり、これが後の日本半導体凋落の一因にもなった。

補足:代表的な日本半導体企業の全盛期

企業名

特徴

NEC

世界トップのDRAM供給者

東芝

NAND型フラッシュメモリを開発(後のキオクシア)

日立製作所

技術力と信頼性で高評価

富士通

スーパーコンピュータ向けLSIなども手がけた

 

添付1-1)

 

どのような背景で、通産省(現・経済産業省)が中心となり、VLSIプロジェクト(1976〜1980年)などの官民共同研究を推進したのか?

ChatGPT:

 

VLSIプロジェクト(1976年〜1980年)は、日本の通商産業省(現・経済産業省)が主導した官民共同の大規模半導体研究開発プロジェクトです。その背景には、当時の国際的な技術競争や経済的な国家戦略が深く関係しています。以下に、その背景をわかりやすく解説します。

🔧 VLSIプロジェクトとは?

  • 正式名称:超LSI(Very Large Scale Integration)技術研究組合
  • 実施期間:1976年〜1980年
  • 参加企業:NEC、富士通、日立製作所、東芝、三菱電機
  • 目的:次世代半導体(超LSI)の共同開発と基盤技術の確立

🇯🇵 どのような背景で推進されたのか?

  1. 🇺🇸 アメリカの半導体覇権に対抗
  • 1970年代初頭、日本の半導体技術はアメリカに大きく遅れていた。
  • インテルが1971年に世界初のマイクロプロセッサ「4004」を発売し、半導体時代の幕開け。
  • 日本は「追いつき、追い越せ」の精神で、アメリカに国家主導で対抗する必要性が高まった。
  1. 📈 日本経済の成長と「産業政策」の成功体験
  • 1960年代後半〜1970年代前半、日本は「輸出立国」として成長を遂げた。
  • 鉄鋼、自動車、家電といった重点産業は政府の支援によって成功。
  • 通産省はこれを再現しようとし、「電子立国構想」の一環としてVLSIプロジェクトを立ち上げた。
  1. 🧪 研究開発コストとリスクの高騰
  • LSI(大規模集積回路)から**VLSI(超大規模集積回路)**への移行には、
    • 巨大な研究費
    • 高度な装置・技術
    • 長期的な投資
      が必要。
  • そこで、国の予算と複数企業の技術を結集してリスクを分散。
  1. 📡 安全保障・先端技術の戦略的価値の認識
  • 半導体はすでに、軍事・通信・宇宙などの分野で戦略物資化していた。
  • 日本としては、国家安全保障や経済安全保障の観点から、半導体の国産化・技術確保が急務だった。
  1. 🏛 官民協調モデル(通産省モデル)
  • 通産省は当時、産業政策の「司令塔」として強い影響力を持っていた。
  • 「産業界+学界+政府」の三位一体で基盤技術を共同開発するモデルを構築。
  • 研究開発の成果は参加企業に均等にシェアされ、産業界全体の底上げを目指した。

🔍 VLSIプロジェクトの成果と影響

成果

内容

🧠 技術基盤の確立

マスク製作技術、クリーンルーム設計、自動設計ツール(CAD)など

🏭 人材育成

半導体技術者の養成(多くが後の技術革新をリード)

🌏 国際競争力強化

日本の半導体企業が1980年代に世界市場を席巻(DRAM分野で特に顕著)

📘 世界のモデルに

米国は後に「SEMATECH」を設立し、日本のモデルを参考にした

📌 結論

VLSIプロジェクトは、

「日本が“電子立国”として世界に打って出るために、政府が司令塔となって最先端技術を育てた国家プロジェクト」
です。

その背景には、

  • 国際競争の激化
  • 高度経済成長の成功体験
  • 技術安全保障への懸念
  • 民間単独では困難な研究開発負担
    などが複雑に絡んでいました。

 添付1-1-1)

 

こうした背景について、当時の総理大臣の意向が大きく関わっていたのか、それとも当時の通産省(現・経済産業省)の官僚の危機感がきっかけだったのか?

ChatGPT:

 

大変重要なご質問です。

結論から申し上げると、VLSIプロジェクトの発足は、当時の総理大臣の強い主導というよりも、主に通産省(現・経済産業省)の官僚たちの「技術立国」への強い危機感と戦略的構想が出発点でした。つまり、官僚主導型のテクノクラート的政策推進が本質です。

以下に、詳しく解説します。

🏛 誰が推進したのか?

■ 総理大臣の役割:間接的

  • 当時の総理大臣(1976年スタート時)は 三木武夫 → 福田赳夫(1976〜78)。
  • ただし、VLSIプロジェクトのような産業技術政策は、内政の中でも非常に専門的かつ中長期的なテーマであり、
    内閣主導ではなく、実務を担う官庁(通産省)の裁量に大きく依存していた。
  • 総理が個別に関与したという記録はほとんど見られず、「通産省が起案・設計し、内閣は予算などで承認」する構造。

■ 中心人物:通産省の技術官僚たち

  • 通産省機械情報産業局、電子機器課の若手〜中堅官僚が、
    • アメリカにおけるLSI技術の進展
    • 日本の技術的な遅れ
    • 国際競争での敗北懸念
      に強い危機感を抱き、国家的対応の必要性を上申。
  • 特に通産省内では、「電子立国」ビジョンを掲げた産業技術政策グループが中心となっていた。

🔥 官僚の危機感とは?

当時の通産省が抱いていた危機感の中身は以下のとおりです:

危機感

内容

📉 技術の後れ

日本はLSI技術でアメリカに数年の遅れをとっていた(設計、製造装置など)

🇯🇵 輸入依存

コンピュータの中核であるLSIを米国からの輸入に頼る状況が続いていた

🧠 人材と装置の不足

設計自動化ツールや測定装置、設計・製造技術者のレベルに差

⚖️ 国家間格差

技術立国としてアジア諸国に対するリードを維持できない恐れ

✍️ 歴史的証言や資料の裏付け

  • 経済産業省のOBやVLSIプロジェクト参加者(元NEC技術者など)の証言では、

「政府が音頭を取ったというより、通産省が本気で動いた。現場の官僚が本気で“日本は負ける”と焦った」
と語られている。

  • 『電子立国日本の自叙伝』(NHK取材班、1991)などの資料でも、
    **「産業技術政策は通産官僚の構想力と行動力に大きく依存していた」**と明記されている。

📌 結論

比較項目

影響度

🏛 総理大臣の意向

⭐(低)
政治的承認や予算措置では関与したが、主導はしていない

🧑‍💼 通産省官僚の危機感・戦略

⭐⭐⭐⭐⭐(極めて高い)
実務・構想・推進を一手に担った

VLSIプロジェクトは、通産省官僚の「日本がアメリカに負けるわけにはいかない」という静かな闘志が生んだ、技術覇権国家を目指す“官僚主導の国家プロジェクト”だったのです。

ご希望があれば、この流れを政治体制と官僚機構の関係から整理した図もご用意できます。

 

添付1-2)

 

日米半導体協定とは?

ChatGPT:

 

日米半導体協定は、1980年代から1990年代にかけて、日本とアメリカの間で交わされた半導体産業に関する貿易協定で、日本の半導体業界の国際的影響力の高まりと、それに対するアメリカ側の警戒感を背景に結ばれました。大きく分けて**1986年協定(第1次)と1991年協定(第2次)**があります。

📌 背景

  • 1980年代前半、日本製半導体の品質とコスト競争力が急上昇
    • NEC、東芝、日立などが世界シェアを急速に拡大
    • アメリカの半導体産業(Intel、Texas Instrumentsなど)がシェアを失い、業界・政府が警戒
  • アメリカ政府の圧力と通商問題
    • 米国は日本政府に対して「市場が閉鎖的だ」と主張し、米製品が日本市場で売れないと不満を表明
    • 日本の官民共同での研究開発(例:VLSIプロジェクト)も「不公正な国家支援」と見なされた

📘 1986年 日米半導体協定(第一次協定)

主な内容:

  1. 日本市場への外国製半導体のシェア拡大(20%以上)を目標
  2. 不公正な価格(ダンピング)販売の是正
  3. 日米間で価格・販売情報の相互監視

この協定は**“政治的にアメリカに押し切られた”**という評価もあり、日本の半導体企業に大きな規制と圧力をもたらしました。

📘 1991年 日米半導体協定(第二次協定)

背景:

  • アメリカ側は、1986年協定の目標(シェア20%など)が達成されていないと主張
  • 再び日本政府に強い圧力をかけ、延長・強化を求めた

主な内容:

  1. 協定の延長(1996年まで)
  2. 外資系企業のシェア拡大のさらなる促進
  3. 米側による日本国内市場の継続監視

🎯 影響と評価

日本側の影響:

  • 国内市場における価格自由度の低下
  • 国際競争力の弱体化、特にDRAMなどの汎用製品で韓国・台湾勢に遅れ
  • 日本半導体産業の長期低迷のきっかけになったとも言われる

アメリカ側の成果:

  • 自国産業(インテルなど)の回復支援
  • アジア新興国(韓国、台湾)の支援にシフト

💬 歴史的評価

  • 日本側には「技術で勝って政治で負けた」という意識が強く、半導体だけでなく通商外交全体の教訓として語られることが多いです。
  • また、この協定は「国家の産業戦略と外交の連携の重要性」を示す事例とされ、経済安全保障論にも関わる象徴的な出来事です。

ご希望であれば、VLSIプロジェクトとの関係や、この協定がその後の中国・韓国・台湾との技術覇権争いにどう影響したかも掘り下げられます。続きを見ますか?

 

添付2)

 

では、なぜ、その後、日本の半導体産業が衰退したのか、そして回復の兆しと将来展望は?

ChatGPT:

 

日本の半導体産業がなぜ衰退したのかについて、技術開発、企業経営、国際競争、政策の側面など多角的に分析し、あわせて現在の回復の兆しや今後の可能性についても含めて調査します。結果がまとまり次第、詳しくご報告いたします。

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日本の半導体産業が衰退した原因と再興の可能性

日本半導体産業の衰退要因と再興への展望

1980年代半ば、日本の半導体産業は世界市場の約5割を占めるほどに成長しましたnbr.orgcsis.org。しかし現在、日本企業による完成品(ファウンドリやデザインを含む)のシェアは10%未満に低下していますnbr.orgamro-asia.org。かつての優位性を支えた革新力や経営モデルが変化するなか、技術開発や企業戦略、国際競争、政策対応など多角的な要因が重なり合い、衰退を招きました。本レポートでは以下の観点ごとに衰退要因を整理し、さらに近年の回復兆候と今後の展望についても分析します。

技術開発・イノベーションの遅れ

  • 微細化技術の遅れ: 高度化する半導体プロセスにおいて、日本企業は欧米・台湾勢に後れを取りました。極紫外線(EUV)リソグラフィでは、日本の光学機器メーカーであるニコンが技術的困難とコストのため15年ほど前に開発を断念asiatimes.com。現在、ASML(オランダ)がEUV装置を独占するなか、国内で欧米と同等の装置開発は進んでいません。
  • プロセス微細化の停滞: 世界が7nm〜2nm世代のプロセスへ進む中で、日本の最先端製造ラインは現在40nm程度にとどまっていますnbr.org。技術のギャップは大きく、量産力や研究開発で遅れが目立ちます。例として、米IBMと連携するRapidusが日本で2nm技術の開発を目指す事実は、日本国内に先端技術の空白があることを示唆しますnbr.orggigazine.net
  • 他分野での競争力: 日本はCMOSイメージセンサ(ソニー)、車載・産業用マイコン(ルネサス)、パワー半導体(東芝・ROHM等)などでは依然強みがありますが、これらは特定用途の分野です。汎用論理LSIやDRAMといった主力分野での技術革新は停滞し、GPUやAI向け高性能チップなど新興分野への対応も遅れましたnbr.orgnbr.org

経営戦略・企業構造の課題

  • 垂直統合型IDMモデルの弊害: 日本企業は従来、垂直統合型の総合電機・総合半導体企業(IDM: Integrated Device Manufacturer)モデルを採用し、設計から製造・パッケージまでを一社内で完結してきましたjapan-forward.comnbr.org。巨額投資が必要な半導体製造において、このモデルではリスクとコストが各社に分散し、投資回収サイクルが長期化しがちです。対照的に、台湾TSMCはファウンドリ専門で生産を集約し、得た利益を再投資して技術を磨く垂直分業モデルを確立。日本企業はシェアを奪われましたjapan-forward.comnbr.org
  • 系列企業・組織の硬直: 系列企業を中心とする密接な産業構造も影響しました。複数の電機系企業が同じプロセス設備や素材を分散所有し、企業間での資源・技術共有が不十分でしたnbr.org。政府主導の共同研究プロジェクト(例:70年代のスーパーLSIプロジェクトjapan-forward.comやその後のASKA・MIRAI計画csis.org)も推進されましたが、各社が技術を同質化・共有しすぎた結果、競争優位性が薄れたとも指摘されていますcsis.org
  • 投資判断の慎重さ: 国内市場の伸び悩みも一因です。日本企業は90年代以降、国内での電子機器需要が低迷し、研究開発資金が圧迫されましたcsis.org。さらに、既存の高収益部門(システムLSIなど)を守るため、大胆な再編や新技術投資を控える傾向がありました。この慎重姿勢は競争環境の激化を前にして競争力を低下させましたcsis.orgnbr.org

国際競争と各国の戦略

台湾TSMCの半導体工場外観(熊本県にTSMCのファウンドリが進出)。近年、台湾や韓国、米国、中国などが半導体市場で急速に台頭し、日本企業を取り巻く競争環境は厳しさを増しています。それぞれ独自の戦略でシェア拡大を狙っています。

  • 台湾(TSMC): 台湾TSMCはファウンドリ市場で世界約65%を占め、グローバルな設計企業からの注文を一手に引き受けていますjapan-forward.com。日本にも熊本県に先進工場(12〜28nm)を建設し、2024年末に量産を開始しましたenglish.kyodonews.net。日本政府は1兆円超の補助金をTSMCに提供し、安定的な国内供給体制の構築を図っていますenglish.kyodonews.net
  • 韓国(Samsung、SK Hynix): 韓国勢はDRAM・NANDフラッシュメモリで大規模工場を展開し、市場を席巻しました。Samsung Electronicsは最先端3nmプロセスの内製化を進めており、メモリ分野だけでなくロジック半導体でも存在感を拡大しています。
  • 中国: 中国政府は半導体産業育成に巨額の補助を投入し、SMICや長江メモリ(YMTC)など国内企業を支援しています。アジア全体でみれば、2022年時点で中国企業は世界の半導体売上の約32%を占めておりvoronoiapp.com、着実にシェアを拡大しています。
  • 米国: 米国は安全保障上の観点から半導体産業強化に動いています。2022年のCHIPS法では約5.3兆円(527億ドル)の補助金が割り当てられ、国内生産拡大を促進pwc.com。IntelやAMDを中心に製造能力を増強するとともに、設計企業はファブレスモデルを追求し、半導体の垂直分業化が進展しました。

政府の政策・規制対応の影響

  • 日米半導体協定(1986年): 米国からの圧力で1986年、我が国はDRAM輸出抑制と国内市場開放に合意しましたcsis.org。これにより、日本国内で外国製品のシェアが10%から20%へ上昇しcsis.org、一時的に産業競争力が低下しました。ただし、専門家はこの協定を衰退の一要因とみなす一方で、後述の構造的問題がより大きな要因と指摘していますnbr.orgamro-asia.org
  • マクロ経済要因: 1985年のプラザ合意以降、円高が進行し輸出産業のコスト競争力が損なわれましたamro-asia.org。さらに1990年代にはパソコン時代の論理LSI投資が不足したことや、アジア新興国の成長が日本企業の後退を加速させましたamro-asia.org
  • 国内施策と産業育成: 経産省は1970〜80年代のスーパーLSI事業などで研究開発を促進し、世界市場での勝利を支援しましたjapan-forward.com。しかし90〜2000年代に実施された各種共同研究・プロジェクト(ASKA、MIRAI)や産業再編推進策csis.orgcsis.orgは、企業間の協力には寄与したものの、意欲的な個別投資を抑制し、多様性を失わせたとも言われていますcsis.org
  • 最近の政策と補助: 現在、政府は半導体を経済安全保障の要と位置付け、積極的な支援を行っています。経産省は2023〜24年度に総額約9000億円の補助金をRapidusに投入し、北海道千歳に次世代2nmファウンドリを誘致していますgigazine.netgigazine.net。また先述の通り、TSMC熊本工場への補助も実施していますenglish.kyodonews.net。半導体基本法(添付2-1)の制定や官民連携強化など、供給網強靱化への取り組みも進められています。

 

回復の兆しと将来展望

官民連携の一環として経済産業省関係者がラピダス計画の現地を視察している様子。経産省は2024年4月、Rapidusへの追加支援(5900億円)を決定しましたgigazine.net。政府はRapidusを含む最先端半導体企業への支援を強化しています。

  • 海外企業の投資誘致: 2024年以降、日本国内で半導体生産に向けた具体的な動きが活発化しています。2月に完成した「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)」熊本工場(TSMC・ソニー・デンソー・トヨタの合弁)は、12〜28nmプロセスでの量産を開始しましたnbr.orgenglish.kyodonews.net。今後は第2工場でさらに先端の6nm世代の製造に着手予定ですenglish.kyodonews.net
  • 国内企業の新事業: Rapidus(旧エルピーダ関係者ら)は米IBMと連携し、2nm世代のLSI開発を目指していますnbr.orggigazine.net。2024年4月には新工場建設向けの追加支援(5900億円)が表明され、累計で約9000億円の国家支援が投じられましたgigazine.netgigazine.net。技術的には未踏の領域ですが、成功すれば日本がAI時代の超先端チップ供給の重要プレーヤーになる可能性がありますnbr.org
  • 強み分野の展開: 日本企業はイメージセンサ、車載・産業用マイコン、パワー半導体などで依然高い競争力を持ちます。これらの分野で技術革新を進めつつ、世界的な設計・製造ネットワークに組み込まれることで、戦略的優位を再確立する可能性があります。
  • 課題と展望: 一方で、半導体産業は巨額投資と先進技術で劇的に収斂する競争環境です。日本が再び世界首位クラスに躍進するには時間がかかりますが、政府・産業界は連携して戦略投資を続けています。政府支援や企業投資の最近の動きは、世界的な需要増に対応し国内供給を安定化させるための重要な布石ですenglish.kyodonews.netgigazine.net。今後はAIや5G、EVなど新技術需要を見据えつつ、次世代素材・装置開発にも注力し、半導体大国としての基盤回復に挑戦しています。

参考資料: 必要に応じて引用した文献・報道記事等を参照してくださいnbr.orgjapan-forward.comenglish.kyodonews.netgigazine.net等。

 

添付2-1)

 

半導体基本法とは?

ChatGPT:

 

「半導体基本法」は、2024年6月に自民党の半導体戦略推進議員連盟が制定を目指す方針を打ち出した、日本の半導体産業の振興と国家戦略の基盤構築を目的とする法案構想です。まだ法律としては成立していませんが、近年の半導体を巡る地政学的な緊張と日本の産業基盤再興を背景に、非常に注目されています。

🧭 制定の背景

  1. 米中対立の激化と「半導体=戦略物資」化
  • 米国は「CHIPS法」(2022)(添付2-1-1参照)で巨額の半導体支援策を実行
  • EU、中国、韓国も国家主導の半導体戦略を加速
  1. 日本の技術的優位の喪失と製造力の空洞化
  • 1980年代に世界シェア50%を誇った日本の半導体産業は、現在は10%以下
  • TSMC(台湾)やSamsung(韓国)、Intel(米)などに後れを取る
  1. 安全保障・経済安全保障の中核に
  • 車載用、通信、AIなど、あらゆる戦略分野が半導体に依存
  • 輸出規制、供給網混乱(COVID-19やウクライナ戦争)を経て、半導体の確保は国益の一部と位置づけられる

📘 半導体基本法(案)の主な内容(報道・草案ベース)

項目

内容

🏛 目的

半導体の安定供給確保、産業振興、経済安全保障の確保

🏗 対象

設計・製造(前工程・後工程)・装置・素材・人材など包括的

💰 支援措置

補助金・税制優遇・研究開発投資・インフラ整備への支援

👥 組織体制

官民連携の司令塔機関(内閣府・経産省中心)を強化

📈 中長期戦略

2030年までに世界シェア倍増(例:Rapidus、TSMC熊本)

🎯 法制化の意義

観点

解説

経済再生

日本の産業空洞化からの脱却、技術立国再興の柱

地政学

米中対立におけるサプライチェーンの信頼性確保(「民主主義チップ連合」)

技術戦略

次世代半導体(2nm、量子、光)の研究開発を国家戦略として育成

🔄 他国との比較

主要法制度

主な支援額

🇺🇸 米国

CHIPS and Science Act

約5.2兆円(520億ドル)

🇪🇺 EU

European Chips Act

約6.5兆円(430億ユーロ)

🇰🇷 韓国

K-半導体戦略

税制優遇+数十兆ウォン支援計画

🇯🇵 日本

半導体支援法+半導体基本法(予定)

2020年代に1兆円超支出、今後倍増計画

📌 今後の動き(2024〜2025年)

  • 自民党が「議員立法」として国会提出を目指す
  • 成立すれば、半導体はエネルギー基本法や食料・農業・農村基本法のような国家戦略基盤産業として恒久的な支援体制に組み込まれる
  • 企業(Rapidus、キオクシア、ソニー、東京エレクトロンなど)との連携も加速

ご希望であれば、「半導体基本法(案)」がターゲットとしている**企業・地域(例:北海道千歳のRapidus)**や、過去の「産業基本法(例:エネルギー基本計画)」との比較も可能です。さらに掘り下げますか?

 

添付2-1-1)

 

「CHIPS法」(2022)とは?

ChatGPT:

「CHIPS法(CHIPS and Science Act of 2022)」は、アメリカが国家安全保障と経済競争力の強化を目的に、半導体産業の国内回帰と科学技術の振興を柱として制定した法律です。2022年8月9日にバイデン大統領が署名し、正式に成立しました。

🎯 目的

主に以下の3点が柱です:

  1. 米国内の半導体製造基盤の強化
  2. サプライチェーンの強靱化
  3. AI・量子・バイオなどの最先端科学技術への投資

💰 総投資規模:約2,800億ドル(約40兆円)

項目

内容

🧩 CHIPS Act部分

約527億ドル(約7.5兆円)→ 半導体産業への直接支援

🔬 Science Act部分

約2,000億ドル以上 → 科学技術(NSF、DOE等)への研究投資

🎓 人材育成

STEM教育、研究者支援、高等教育機関の強化

🏗 CHIPS Actの具体的内容

項目

内容

補助金

米国内での半導体工場建設・拡張への補助(Intel, TSMC, Samsung, Micronなど)

税控除

投資税額控除(ITC):25%の税控除

研究支援

商務省が先端パッケージングや新素材開発に資金提供

安全保障

対中技術流出の防止、「ガードレール条項」で中国との取引制限付き

🧭 制定の背景

背景

説明

コロナ禍

世界的な半導体不足(自動車・家電生産への深刻な影響)

中国の台頭

中国が半導体自給率向上を国家戦略に掲げる中、対抗措置として

経済安全保障

米国が設計中心で製造を台湾(TSMC)や韓国に依存していた構造の見直し

同盟国連携

日本・EU・台湾・韓国との技術同盟(「チップ四」など)を視野に入れる

🌎 国際的影響

  • 日本:CHIPS法を受けて、Rapidus設立や半導体基本法構想へ
  • EU:同様の「European Chips Act」策定
  • 中国:反発し、国家資金でSMICやHuaweiへの支援を強化
  • 韓国・台湾:補助金を受けつつも、米国の要求と自国産業保護の間で板挟み

📌 現在の進展(2024〜2025年時点)

  • 米政府は、Intel・TSMC・Samsungに数十億ドル規模の補助金を既に内定・一部支給
  • 量子・AI研究にも資金が投入され、米国の技術優位維持が進む
  • 「対中包囲網」としても機能し、中国への先端半導体・製造装置輸出を制限

添付2-1-1-1)

 

CHIPS法」(2022)への中国の対抗策(半導体基金など)」について?

ChatGPT:

 

中国は、アメリカの「CHIPS法(2022年施行)」によって強化された対中技術封鎖・制裁に対抗するため、国家主導で複数の大規模な半導体戦略(いわゆる半導体国家資本主義)を推進しています。その中核にあるのが、「国家集成電路産業投資基金(通称:大基金)」をはじめとする政府系資金+産業政策です。

🇨🇳 中国のCHIPS法への対抗策:全体構造

🎯 背景:「CHIPS法」の要点(米国)

  • 半導体製造の米国回帰(Reshoring
  • 中国への先端技術(EUV装置・EDAツールなど)輸出制限
  • 米国企業と同盟国企業への対中輸出管理の同調圧力
  • 日本・オランダと連携して、装置・素材を封鎖(2023年〜)

➡︎ 中国は「技術断絶(デカップリング)」の危機に直面

🔧 中国の主な対抗策

✅ 【1】国家集成電路産業投資基金(通称:「大基金」)

フェーズ

概要

1期(2014年〜)

1,400億元(約2.5兆円)、ファウンドリ育成(SMICなど)に集中投資

2期(2019年〜)

2,000億元(約4兆円)、材料・装置分野にも分散投資

3期(20245月発表)

3,440億元(約7.5兆円):過去最大規模。国内自給率向上が目的。

💡第3期はEUV露光技術を使わない7nm以下プロセスの開発や、中国製装置・材料の自立化に重点。

✅ 【2】中国製半導体の国産化キャンペーン

分野

政策と目標

ファウンドリ

SMIC(中芯国際)を中心に、7nmクラスの量産化に成功(EUVなしで)

設計

**HiSilicon(華為傘下)**など、ARMベース設計の高性能SoCを独自開発

EDAツール

中国版EDAツール企業(Empyrean, Primariusなど)に国家資金を集中投資

製造装置

中微半導体(AMEC)・華海清科(Naura)などを支援

材料

フッ化水素・レジスト・ウェハなどで国産品比率を高める政策

✅ 【3】デジタル中国・自主可控政策

  • 「自主可控(Zizhu Kékòng)」=外国技術への依存脱却
  • 軍事・政府・金融・通信などの領域では、中国製チップ・OS・ソフトウェアを義務化
  • 地方政府も「地場製チップ使用」を奨励(例:地方自治体の調達条件に「国産SoC使用」など)

🧠 結果とインパクト(2024年時点)

項目

現状

SMICの技術水準

7nm相当の製造成功(Huaweiスマホに搭載)※EUV未使用

Huawei

2023年に「Mate 60 Pro」に**純国産SoCKirin 9000s**を搭載し米制裁に逆襲

輸入代替

中国の半導体自給率は2023年時点で35%前後に上昇(目標:70%)

技術封鎖への耐性

米日蘭による装置封鎖の影響は大きいが、時間をかけた内製化が進行中

🔮 今後の見通しとリスク

観点

展望

政治的支援

習近平政権の最重要政策分野として継続。第14次五カ年計画にも明記。

民間の自立性

国有・政府系主導色が強く、資本効率や透明性には課題

技術追いつき

EUV技術の壁は依然高いが、脱EUVでの進化が注目される

制裁強化

米国はさらなる制裁(SMIC/Huaweiの製造装置アクセス制限)を検討中

✅ まとめ:CHIPS vs. 大基金

米国「CHIPS法」

中国「大基金+自主可控」

同盟国と連携した供給網再編

国家資本を投下した自前主義強化

対中輸出管理の国際同調戦略

国産技術育成・装置/材料/EDAの全方位投資

台湾・韓国・日本との協調

装置・素材の国産化で米日蘭に依存しない体制へ

必要であれば、以下のトピックでも詳しく掘り下げできます:

  • SMICの7nm開発プロセス(EUVなしの「DUV多重露光」)
  • HuaweiのAI5Gチップ自主開発状況
  • 中国版EDAツールの現状と国際競争力

 添付3)

 

日本が再度、半導体大国として、回復していくためにRapidusを中核に、具体的にどういった国内外の企業と連携して取り組んで行くのか?

ChatGPT:

 

以下に、あなたの提供内容を含めて、より体系的かつ戦略的に整理した解説をまとめました。これは、日本が再び「半導体大国」としての地位を取り戻すために、**Rapidus(ラピダス)**を中核に据えた総力戦の全体像を示すものです。

🇯🇵 日本が再び「半導体大国」へ──Rapidusを中核とした戦略的復活構想

✅ 概要:Rapidusとは何か?

Rapidusは、2022年に日本政府の強力な支援のもとで誕生した先端ロジック半導体メーカーです。2ナノメートル(nm)世代の最先端プロセス技術の国産化と量産を目指し、2027年の量産開始を計画しています。

これは、TSMC・Intel・Samsungなど世界の巨大ファウンドリに対抗し、日本が再び半導体産業の中心に返り咲くための「国家プロジェクト」です。

🏢 連携の全体像

🇯🇵 国内連携企業・機関

企業・機関

役割・協力内容

トヨタ自動車

出資企業筆頭。車載半導体の安定供給と国産化を目指す。

ソニーグループ

AI・イメージセンサーとの統合開発。先端用途での協業。

NTT

IOWN構想(光電融合ネットワーク)に必要な次世代チップ開発。

キオクシア

メモリとロジックの技術補完。日本の半導体複合力を形成。

ソフトバンク

通信・AI用途の実装支援。データセンター向けチップ構想。

東京エレクトロン

世界的製造装置メーカーとして装置提供+技術共創。

SCREENホールディングス

プロセス洗浄・エッチング技術支援。

産業技術総合研究所(AIST)

プロセス研究支援。人材・技術供給源。

経済産業省

国家戦略として支援(第1期700億円超)、制度整備も推進。

🌍 海外連携パートナー(技術供与・装置提供)

国・機関

協力内容

🇺🇸 IBM

2nm技術の技術供与・ライセンス提供(Albany Nanotech)

🇧🇪 imec

EUV露光・製造プロセス共同研究。Rapidusは加盟企業。

🇳🇱 ASML

EUV露光装置の唯一メーカー。装置供給を受ける。

🇺🇸 Applied Materials, Lam Research

製造装置(前工程)の技術提供・共同開発。

🇺🇸 Cadence, Synopsys

半導体EDAツール。Rapidusの設計基盤。

❌ TSMCとは連携せず:TSMCは熊本に進出しているが、Rapidusとは補完でなく競合関係にある(2nm技術を巡る競争)。

🏭 拠点整備とロードマップ

  • 📍 北海道・千歳市に**IIM(Innovative Integration for Manufacturing)**という名の先端工場を建設中。
  • 🗓 2025年末:試作ライン立ち上げ
  • 🗓 2027年:2nmの量産開始予定

🔧 人材育成

  • 国内大学・高専との連携強化
  • 海外(米IBMなど)での技術研修受入
  • 世界中からの人材スカウトと呼び込み

🎯 成功への課題と戦略

課題

戦略

💰 巨額の設備投資

政府の直接補助+民間出資(1兆円規模まで増資も視野)

🧑‍🔬 人材不足

技術者育成+外部招聘+教育機関との連携

🔬 技術ギャップ

IBM・imecからの移転技術+独自プロセス研究

🌐 国際競争

米CHIPS法・EU補助金と対抗する国内支援制度

🧭 まとめ:Rapidus中心の“日本版CHIPS戦略”

日本は、Rapidusを軸にして国内外の技術・資本・知見を結集し、地政学的リスクに強い**「自律的かつ安定したサプライチェーン」**を構築しようとしています。

これはまさに、以下の構造を持つ「日本版CHIPS戦略」の実践です:

🔄 構造モデル

  • 日の丸連合(国内出資企業・大学・政府)
  • 欧米技術パートナー(IBM, imec, ASML)
  • 先端半導体の国産化による産業・安全保障の両立

 
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