4月3日(日本時間)の早朝、トランプ政権は、世界向けてアメリカとの貿易関係に基づく「相互関税」を導入すると発表し、日本には24%を課すとしました。(参照:アイデアよもやま話 No.6173 現在の日本の株価急落の原因、および突破策!)
そこで、今回は、トランプ大統領の言うところの「相互関税」はトランプ流のレトリックではないかということについてお伝えします。
本来の「相互関税」とは、二国間の貿易において、両国が互いに特定の商品に対して関税を課すことを指します。(添付1参照)
ところが、トランプ大統領が言うところの「相互関税」は、実際には「相互」ではなく、一方的な関税引き上げなのです。(添付2参照)
トランプ政権の関税政策は、「相手国の関税率に合わせる」ことを目的としているように見えますが、実際にはアメリカの貿易赤字の削減を狙いとした、保護主義的措置なのです。(添付2参照)
このように、今回の「相互関税」はトランプ流のレトリックと言えるのです。
こうした言い回しはトランプ流の常套手段なのです。(添付3参照)
こうした背景にはトランプ流のビジネス哲学“deal“があります。(参照:No.6180 ちょっと一休み その975 『トランプ大統領がよく使う言葉“deal(ディール)”に込めた意味とは?』)
そして、4月3日(日本時間)の早朝、トランプ政権による、世界向けての相互関税」の導入発表後、世界的に株価は大暴落しました。
その後も、トランプ大統領の発言に世界各国の株式市場は振り回され、株価の上下が続いています。(添付4参照)
こうした状況がいつ落ち着くのか、分かりませんが、とにかく、少しでも早く、世界経済が安定した状況に戻って欲しいと、世界中の多く人たちは望んでいるはずです。
アメリカの国民には、自国の大統領が“アメリカファースト”を掲げ、世界経済に多大な悪影響を及ぼしていることを自覚し、何らかの行動を起こしていただきたいと思います。
添付1)
「相互関税」とは?
ChatGPT:
「相互関税」とは、二国間の貿易において、両国が互いに特定の商品に対して関税を課すことを指します。つまり、ある国が他国から輸入する際に関税をかけると、その国も同様に相手国からの輸入品に関税をかけるという形です。このような関税措置は、しばしば貿易交渉や貿易摩擦の一環として用いられます。
相互関税の特徴
- 双方の関税引き上げ:両国が互いに輸入品に高い関税を設定することで、相手国の企業にとって輸出のコストが増加します。
- 貿易戦争の一環:経済的な圧力をかけるために、相互に関税を引き上げることがあります。これは貿易戦争の一形態で、競争力を削ぐことを目的としています。
- 交渉手段としての使用:相互関税は、貿易協定の交渉を有利に進めるために使われることもあります。相手国が特定の製品に高い関税を課している場合、自国も同様に関税を課すことで、相手国に譲歩を引き出す意図があります。
例
例えば、もしアメリカが中国からの鉄鋼輸入に高い関税を課すと、中国もアメリカからの製品に対して同様に関税を課すことがあります。このように、相互に関税を課し合うことで、貿易の流れに影響を与え、時には経済的な圧力をかけ合うことになります。
相互関税は、自由貿易を推進する国際的な流れに逆行する形となるため、貿易摩擦を引き起こす要因になり得ます。そのため、しばしば保護主義的な政策として批判されます。
添付2)
トランプ大統領は相互関税と言っているが、正確には相互関税とは言えないのではないか?
ChatGPT:
トランプ大統領が主張する**「相互関税(Reciprocal Tariff)」は、表面的には「米国に対して高い関税を課している国には、同じ関税率を適用する」という考え方に基づいています。しかし、実際には「完全な相互関税」とは言えない**点がいくつかあります。
- 実際には「相互」ではなく、一方的な関税引き上げ
トランプ政権の関税政策は、「相手国の関税率に合わせる」ことを目的としているように見えますが、実際には貿易赤字を削減するための保護主義的措置として導入されるケースが多いです。
📌 問題点:
- 関税は品目ごとに異なるため、単純な「相互」にはならない
- 例えば、日本がアメリカの農産物に高い関税を課しているからといって、アメリカが同じ税率を自動車に適用するのは本来「相互」とは言えない。
- 貿易協定では、特定の産業や国内事情に基づき関税率が調整されるため、一部の関税を根拠に「相互」とするのは不適切。
- 関税だけでなく、非関税障壁(規制・補助金)も影響
- トランプ政権は「日本の自動車市場は実質的に閉鎖的」と主張するが、実際には日本には輸入車への関税はゼロ。
- それにもかかわらず「日本が米国車を輸入しないのは不公平」という論理で、報復関税を正当化している。
- WTOルールとの整合性
世界貿易機関(WTO)では、**「最恵国待遇」**という原則があり、特定の国にだけ関税を引き上げることは基本的に認められていません。
📌 問題点:
- 「相互関税」はWTOのルールと整合しない可能性
- 例えば、もし米国が「日本の関税が高いから24%の関税を課す」とすれば、WTOのルール違反となる可能性がある。
- ただし、米国がWTOから離脱するか、国家安全保障を理由にすれば強行できるが、国際的な信頼を損なう。
- 交渉カードとしての側面が強い
トランプ大統領は、関税を「相手国との交渉材料」として利用する傾向があります。
📌 例:
- 米中貿易戦争(2018-2020年)
- トランプ政権は、中国が知的財産権を侵害していることを理由に関税を課したが、「相互関税」とは言えない報復関税だった。
- USMCA(新NAFTA)交渉
- メキシコやカナダに対し、一方的な関税引き上げをちらつかせ、より有利な条件を引き出した。
日本に対しても「相互関税」を持ち出すことで、貿易交渉で譲歩を引き出す狙いがある可能性が高い。
結論:「相互関税」は正確な表現ではない
トランプ大統領の言う「相互関税」は、貿易政策を正当化するためのスローガン的な表現であり、実際には以下のような特徴を持つ:
✅ 相互的ではなく、一方的な関税引き上げのケースが多い
✅ 特定の産業だけを取り上げて「不公平」と主張する
✅ WTOルールとは整合しない可能性がある
✅ 本質的には貿易交渉のための圧力手段
つまり、「相互関税」という言葉はトランプ流のレトリックであり、**実際には「アメリカにとって有利な条件を作るための関税」**と見るべきでしょう。
添付3)
「相互関税」はトランプ流のレトリックと言えるが、こうした言い回しはトランプ流の常套手段ではないか? だとしたら、これまでの事例は?
ChatGPT:
まさにご指摘の通り、「相互関税(reciprocal tariff)」という言い回しは、**トランプ流のレトリック(修辞的手法)**の典型です。トランプ前大統領は、ビジネスマン出身らしく「強さ」「公平さ」「取引(ディール)」を強調する言葉を駆使し、自らの通商政策を正当化・簡潔化して伝えるスタイルを好みます。
✅ トランプ流レトリックの特徴
特徴
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内容
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単純化・明快さ
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「アメリカ第一」「関税=愛国心」「フェアでなければ不公正」など、複雑な経済政策も一言で表現。
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感情的アピール
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聴衆に響くような直感的な言葉(例:「中国は我々をレイプしてきた」)を多用。
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敵と味方の二項対立
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対立軸を明確にし、"アメリカ vs 世界" の構図を強調。
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取引的思考
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関税や制裁を「交渉のカード」として使い、相手に譲歩を迫る。
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📌 これまでの主なトランプ流レトリック事例
レトリック表現
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実際の政策・背景
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目的・狙い
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"Reciprocal Tariffs(相互関税)"
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他国が高関税→米も同じ率で報復関税
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対中・対欧などで「公平」を主張
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"America First"(アメリカ第一)
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NAFTA再交渉、パリ協定離脱
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国家利益を前面に
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"Make America Great Again"
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経済・軍事・製造業の復権
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国民感情の喚起
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"The worst trade deal ever made"(史上最悪の貿易協定)
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NAFTAやTPPに対する批判
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保護主義への転換を正当化
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"Tariffs are a beautiful thing"
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中国・鉄鋼・アルミ等への制裁関税
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関税の経済的影響を軽視する姿勢
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"Jobs are coming back!"
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製造業回帰のアピール
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雇用創出の印象強化
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🎯 レトリックとしての効果
- メディアでの再生産 → シンプルゆえに報道しやすく、何度も引用される
- 支持者への訴求 → 「不公正を正す」という直感的なメッセージが支持層に響く
- 交渉ツール化 → 強硬な言葉を使って相手に心理的圧力を与え、交渉で譲歩を引き出す
🧭 最後に:レトリックの意図とリスク
- トランプ氏の表現は 説得というより印象操作に近く、外交や経済政策の繊細さを曖昧にする面もあります。
- しかしその反面、「政治を“見える化”し、一般市民にも“公平さ”を訴える」という点で、極めて効果的でもあります。
添付4)
4月3日(日本時間)のトランプ政権による、世界向けての相互関税」の導入発表後、世界的に株価の変動は?
ChatGPT:
はい、2025年4月3日(日本時間)にトランプ政権が「相互関税」の導入を発表した後、世界の株式市場は大きく変動しました。
📉 初動:市場の混乱と株価下落
相互関税の発表直後、世界の金融市場は大きな混乱に見舞われました。アメリカでは、S&P 500指数が一時2.8%下落し、2月のピークから17.6%低下しました。ヨーロッパのStoxx Europe 600指数は3%下落し、日本のNikkei指数も約4%の下落を記録しました。 Investopedia
この混乱は、トランプ政権が中国からの輸入品に対して最大104%の関税を課すなど、過去最大規模の貿易障壁を導入したことに起因しています。これにより、投資家の間で景気後退への懸念が高まり、株式市場からの資金流出が加速しました。
📈 反転:関税一時停止による市場の急反発
しかし、4月9日(日本時間)にトランプ大統領が多くの国に対する新たな関税を90日間一時停止すると発表したことで、市場は急反発しました。S&P 500指数は9.5%上昇し、ナスダック指数は12.2%の急騰を記録しました。これは、それぞれ2008年と2001年以来の最大の上昇率となりました。 ReutersReuters
この一時停止措置は、投資家にとって安心材料となり、過去数日の下落分を取り戻す形となりました。ただし、中国からの輸入品に対する関税は125%に引き上げられたままであり、米中間の貿易摩擦は依然として続いています。
🔄 その後の動向:再びの不安定化
翌日の4月10日(日本時間)には、主要な株価指数の先物が下落し、前日の急騰の反動が見られました。S&P 500指数やダウ平均株価は、関税発表前の水準から約4%低い水準にとどまっています。市場では、トランプ政権の貿易政策の不確実性が引き続き懸念材料となっており、投資家の間で慎重な姿勢が広がっています。 Reuters
🧭 まとめ:市場の不安定な状況
- 4月3日(日本時間):相互関税の発表により、世界の株式市場が大きく下落。
- 4月9日(日本時間):関税の一時停止発表を受けて、市場が急反発。
- 4月10日(日本時間)以降:市場は再び不安定な動きを見せ、先行き不透明な状況が続いています。
このように、トランプ政権の貿易政策に対する市場の反応は非常に敏感であり、今後の動向にも注意が必要です。