2025年04月05日
プロジェクト管理と日常生活 No.916 『全個体電池を巡る世界の開発競争に見る日本の危うさ!』
アイデアよもやま話 No.6154 日本の発展途上国化が止まらない!?で日本経済の停滞、および日本の観光の発展途上国化が止まらないとお伝えしました。
そうした中、昨年11月21日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で国による全個体電池の設備投資支援について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

全個体電池を巡って、新たな動きです。
政府がまとめる新たな経済対策で、全個体電池の設備投資などを支援する方針を盛り込むことがテレビ東京の取材で分かりました。
政府関係者によりますと、政府は今回の経済対策で、全個体電池を含む国内の蓄電池のサプライチェーン強靭化を支援するため、数千億円規模を投じる方針を固めました。
大企業の国内の設備投資額の3分の1を補助する方針で、国内における生産基盤の強化を進める狙いです。

ということで、次世代のバッテリー、全個体電池の開発は日本メーカーのEV戦略にとって極めて重要な課題となっています。
各社の計画を見てみますと、ホンダは2020年代後半に全個体電池の量産を開始する予定です。
一方、4年連続で世界販売台数1位の王者、トヨタは2027年から2028年に発売するEVに全個体電池を搭載する方針です。
また日産自動車ですが、2028年度までに自社開発の全個体電池を搭載したEVを販売するとしています。
最大の課題は、世界との闘いです。
EVの心臓部ともなる、この全個体電池を巡っては、海外メーカーとの熾烈な競争が始まっています。
こちらは全個体電池に関する各国の特許出願状況なんですが、実は日本は10年以上もの間、世界をリードしてきたんですけれども、2017年ほどから突如、中国が研究を加速させて日本を抜き去ってしまいました。
ご覧の通り、伸びは圧倒的で、今や、特許出願件数は世界トップに躍り出ていて、日本の約3倍の2000件に上っています。
逆に日本はEVの普及が伸び悩む中、アメリカに抜かれ、韓国にも追いつかれたようになっています。
これはまずいと危機感を強めた政府はトヨタを中心とした全個体電池などの開発プロジェクトに最大1178億円近い支援を決めるなどして、民間の研究開発を後押ししています。
しかし、ある大手自動車メーカーの首脳は、日本政府の支援の金額規模は中国やアメリカなどに比べて桁が1つ2つ違うと話すなど、海外より圧倒的に小さいのが実情でした。
こうしたバッテリー開発を巡る世界との戦いは国内で550万人の雇用を支える自動車産業の未来をも左右しかねません。
官民で世界との総力戦を戦えるかが問われています。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。

(政府による全個体電池を含む国内の蓄電池のサプライチェーン強靭化支援)
・政府関係者によると、今回、政府がまとめる新たな経済対策で、全個体電池を含む国内の蓄電池のサプライチェーン強靭化を支援するため、数千億円規模を投じる方針を固めた
 -大企業の国内の設備投資額の3分の1を補助する方針で、国内における生産基盤の強化を進める狙いである
・次世代のバッテリー、全個体電池の開発は日本メーカーのEV戦略にとって極めて重要な課題となっている

(各社の計画)
・ホンダは2020年代後半に全個体電池の量産を開始する予定である
・トヨタは2027年から2028年に発売するEVに全個体電池を搭載する方針である
・日産は2028年度までに自社開発の全個体電池を搭載したEVを販売するとしている

(最大の課題、世界との戦い)
・EVの心臓部、全個体電池を巡っては、海外メーカーとの熾烈な競争が始まっている
 -全個体電池に関する各国の特許出願状況は、日本は10年以上もの間、世界をリードしてきたが、2017年ほどから突如、中国が研究を加速させて日本を抜き去った
 -伸びは圧倒的で、今や、特許出願件数は世界トップに躍り出ていて、日本の約3倍の2000件に上っている
 -逆に日本はEVの普及が伸び悩む中、アメリカに抜かれ、韓国にも追いつかれたようになっている
・しかし、ある大手自動車メーカーの首脳は、日本政府の支援の金額規模は海外より圧倒的に小さいのが実情である
・こうしたバッテリー開発を巡る世界との戦いは、国内で550万人の雇用を支える自動車産業の未来をも左右しかねない
・官民で世界との総力戦を戦えるかが問われている

こうしてみてくると、全個体電池関連の特許出願件数について、日本は10年以上もの間、世界をリードしてきましたが、2017年ほどから突如、中国が研究を加速させて日本を抜き去り、伸びは圧倒的で、今や、特許出願件数は世界トップに躍り出ていて、日本の約3倍の2000件に上っているのです。
しかも、アメリカに抜かれ、韓国にも追いつかれたような状態なのです。

なお、ホンダ、トヨタ、日産は、いずれも2020年代後半に全個体電池搭載のEVの市販化を目指しています。
一方、全個体電池搭載のEVの市販化について、海外のEVメーカーの計画を見ると(添付1参照)、必ずしも日本のEVメーカーは見劣りしません。
となると、やはり気になるのは全個体電池関連の特許出願件数の日本のEVメーカーの見劣りです。
そこで、チャットGPTで調べた結果は、添付2を参照下さい。
添付2では、日本のEVメーカーは、量よりも質を重視しているという見方もあるが、海外のEVメーカーが特許競争で先行し、市場を先取りするリスクもあるため、日本企業が競争力を維持するためには、特許戦略の見直しや開発スピードの向上が求められるとあります。
このことについては、先ほども記したように、日本の主要なEVメーカーはいずれも2020年代後半に全個体電池搭載のEVの市販化を目指しているといいますから、量よりも質を重視しているという見方が妥当だと思います。

なお、主要国のEV普及率(新車販売台数に占める割合)、そしてEV販売台数のランキングを見ると日本は他国に比べて更に見劣りします。(添付3参照)
ですから、現在、日本はEV後進国と言えます。

なお、“全個体電池がEVを巡る戦いを制する”という見方がありますが、EV市場の勝敗は、電池技術だけでなく、価格、インフラ、政策、市場戦略など多くの要素に依存するため、全個体電池だけが「決め手」になるとは言い切れないのです。(添付4参照)
ですから、日本の自動車メーカーの戦略は、EVの本格的な普及はまだしばらく先なので、機が熟するまでは、ハイブリッド車、あるいはプラグインハイブリッド車中心の販売戦略で、全個体電池の時代到来を機に一気にEVの普及の遅れを挽回するという見方がありますが、こうした戦略は妥当と言えるのではないでしょうか。

いずれにしても、バッテリー開発を巡る世界との戦いは、国内で550万人の雇用を支える自動車産業の未来をも左右しかねないといいますから官民での世界との総力戦が必須なのです。


添付1)

 

全個体電池搭載のEVの市販化について、海外のEVメーカーの計画ではいつ頃か?

ChatGPT:

 

​全固体電池を搭載した電気自動車(EV)の市販化に向け、海外の主要メーカーは以下の計画を進めています。

アメリカのEVメーカー:

テスラ(Tesla) 現時点で、テスラが全固体電池を搭載したEVの具体的な市販計画を公表している情報は確認できませんでした。テスラは引き続きリチウムイオン電池技術の改良と自社製造に注力していると報じられています。アドバンスドテクノロジーX株式会社|先端技術調査・コンサルティング

ステランティス(Stellantis) ステランティスは、米スタートアップのファクトリアル・エナジーが開発した全固体電池を搭載したEV「ダッジ・チャージャー・デイトナ」の試験走行を2026年までに米国で実施する予定です。商業生産は早ければ2029年にも開始される見込みです。Bloomberg.com

ドイツのEVメーカー:

メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz) メルセデス・ベンツは、米電池新興企業ファクトリアルと共同で全固体電池を開発し、2020年代末までに生産態勢を整える計画です。新しい全固体電池「ソルスティス」は、エネルギー密度が高く、EVの航続距離を約80%延ばすことが期待されています。Reuters Japan

BMW BMWは、2025年より前に全固体電池を搭載したデモンストレーション車両を公開する計画を発表しています。

フォルクスワーゲン(Volkswagen) フォルクスワーゲンは、米国のバッテリー技術企業クアンタムスケープと共同で全固体電池の開発を進めています。20241月には、ドイツ・ザルツギッターの実験場で数カ月にわたる長期耐用試験を行い、1000回以上の充放電後も95%以上の蓄電容量を保持する成果を発表しました。同社は現在、ザルツギッターで最初の全固体電池製造パイロットプラントを建設中で、2024年末までに完成し、2025年末までに製造能力を引き上げ、その後量産体制に入る計画です。

スウェーデンのEVメーカー:

ボルボ・カー(Volvo Cars) ボルボ・カーは、スウェーデンのノースボルトと共同で蓄電池工場を建設し、2025年から稼働を予定しています。生産された電池は次世代高級EVに搭載される計画です。脱炭素技術センター+1脱炭素技術センター+1

中国のEVメーカー:

BYD:​2027年中に全固体電池を搭載したEVの量産を開始し、2030年までに普及モデルへの導入を計画しています。ev-times.com

NIO(中国) 中国のEVメーカーNIOは、20211月に全固体電池を搭載した車両を2022年後半に市場投入すると発表しました。しかし、その後の進捗に関する具体的な情報は確認できませんでした。テレ朝news

韓国のEVメーカー:

現代自動車(Hyundai) 韓国の現代自動車は、202539日に韓国・京畿道に新しい義王(ウィワン)研究センターを開設し、初の全固体電池を披露する予定です。年内にEVに搭載してテスト走行を開始し、2030年までの量産化を目指しています。

これらの計画は、各社の技術開発や市場状況により変更される可能性があります。最新の情報を確認することをお勧めします。

 

添付2)

 

全個体電池関連の特許出願件数について、日本のEVメーカーは中国やアメリカなどに比べて少ないが、このことは何を意味しているか?

ChatGPT:

 

日本のEVメーカーの全個体電池関連の特許出願件数が、中国やアメリカに比べて少ないことは、以下のような点を意味すると考えられます。

  1. 研究開発のアプローチの違い

日本のメーカーは、特許出願よりも実用化に向けた技術の熟成や品質確保を重視する傾向があります。特許出願の多さ=技術力の高さではなく、特許を厳選して出願する戦略を取っている可能性もあります。

  1. 企業の知財戦略の違い

特許の出願件数が多い国(特に中国)は、**量を重視する「特許競争」**が激しい傾向があります。
一方、日本の企業は、本当に重要なコア技術に絞って特許を出願することが多く、数自体は少なく見えるものの、技術の質は高い可能性があります。

  1. 研究開発のペースやリソースの差

中国やアメリカでは、政府主導でEVや次世代電池技術の開発が進められ、官民一体の大規模な研究投資が行われているため、特許の出願件数も多くなっています。
一方、日本の企業は、EV全体へのシフトが欧米・中国に比べて遅れた影響で、全個体電池の開発投資も他国に比べて控えめになっていた可能性があります。

  1. 産学連携の違い

中国やアメリカでは、大学や研究機関と企業が密接に連携し、特許を大量に出願するケースが多いです。
一方、日本では、大学や研究機関での基礎研究が進んでいるものの、特許としての出願件数は企業に比べて少なく、統計上見えにくいという可能性があります。

  1. 実用化の時期の違い

全個体電池の特許が多い国は、すでに量産化や市場投入を見据えている可能性があります。
日本企業は、実用化のハードルがまだ高いと考えており、慎重に開発を進めているため、特許出願が少なくなっているとも考えられます。

まとめ

「特許出願が少ない=技術力が劣っている」とは限らず、日本のEVメーカーは、量よりも質を重視し、実用化に向けた開発を慎重に進めている可能性が高いです。ただし、海外のEVメーカーが特許競争で先行し、市場を先取りするリスクもあるため、日本企業が競争力を維持するためには、特許戦略の見直しや開発スピードの向上が求められるでしょう。

 

添付3)

 

EVの普及台数の各国別ランキングは?

ChatGPT:

 

​電気自動車(EV)の普及状況は国や地域によって大きく異なります。以下に、2023年時点の主要国のEV普及率と販売台数をまとめます。

主要国のEV普及率(新車販売台数に占める割合):

出典: EV充電エネチェンジEV充電エネチェンジ|電気自動車の充電設備導入台数No.1+1ELEMINIST+1

主要国のEV販売台数(2023年):

出典: EV充電エネチェンジEV充電エネチェンジ|電気自動車の充電設備導入台数No.1

これらのデータから、ノルウェーなどの北欧諸国では新車販売におけるEVの割合が非常に高い一方で、販売台数では中国が圧倒的なシェアを占めていることがわかります。日本は普及率、販売台数ともに他の主要国と比較して低い水準にとどまっています。ELEMINIST+11P+11P

 

添付4)

 

“全個体電池がEVを巡る戦いを制するという見方は当たっているか?

ChatGPT:

 

「全個体電池がEVを巡る戦いを制する」という見方が当たっているか?

結論:部分的に正しいが、決定的とは言えない

全個体電池(Solid-State Battery, SSB)は、現在のEV市場におけるリチウムイオン電池(LIB)に比べてエネルギー密度の向上、充電速度の向上、安全性の向上といった利点を持っています。しかし、「EV市場の勝敗を全個体電池が決める」という見方はやや単純化されすぎています。

✅ 全個体電池が市場に大きな影響を与える要素

  1. 性能向上
    • SSBは現行のLIBと比べ、エネルギー密度が約2倍になる可能性があり、航続距離の向上につながる。
    • 充電速度も向上し、利便性が高まる。
    • 液体電解質を使用しないため、安全性が高く、発火リスクが低い。
  2. コスト低減の可能性
    • 量産技術が確立すれば、製造コストが下がり、EV全体の価格競争力が向上する。
  3. 大手メーカーの開発競争
    • トヨタやフォルクスワーゲン、BMW、韓国勢(現代・LG)、**中国メーカー(BYDCATL**などが開発を進めており、実用化に成功すれば市場の勢力図が変わる可能性がある。

❌ それでも「決定打」とは言えない理由

  1. 量産の課題
    • 現時点で全個体電池の量産技術は確立されていない。コストも高く、商業化にはまだ数年かかる見通し。
    • 2025年〜2030年にかけて一部の高級EVモデルで搭載が始まる可能性があるが、大衆車向けには価格が高すぎる。
  2. 競争技術の発展
    • CATL(中国)やパナソニック、LGエナジーなどがリチウムイオン電池の改良(LFP電池、高ニッケル電池、半固体電池)を進めており、EVの性能向上は全個体電池だけでなく、既存技術の進化でも可能。
    • 特に中国のLFP電池は低コストで急速に普及しており、コスト競争では有利。
  3. EV普及の決定要素はバッテリーだけではない
    • EVの成功は、インフラ(充電設備)、政府補助金、サプライチェーン、ブランド戦略など、バッテリー以外の要素にも大きく左右される。
    • BYDやテスラの成功は、バッテリー技術だけでなく、価格戦略や製造能力が決め手になっている。

📌 結論

「全個体電池がEV市場を制する」という見方は、技術的なポテンシャルを考えれば部分的には正しいが、決定打とは言えない。全個体電池が普及する前に、既存のリチウムイオン電池が改良され、コスト競争や量産体制で先行する可能性もある。EV市場の勝敗は、電池技術だけでなく、価格、インフラ、政策、市場戦略など多くの要素に依存するため、全個体電池だけが「決め手」になるとは言い切れない。


 
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