前回、打ち上げたロケットが発射台に戻るというスペースXの取り組みにより、ロケットの再利用によるコストの削減だけでなく、宇宙ゴミの削減も狙っているとお伝えしました。(参照:アイデアよもやま話 No.6147 打ち上げたロケットが発射台に戻る!?)
そうした中、昨年10月16日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で人工衛星を宇宙ごみにしない技術について取り上げていたのでご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。
カミ商事株式会社 開発企画部の柏田祥策部長代理は次のようにおっしゃっています。
「紙の割にはプラスチックと比べて、強度が3倍ほど高まっております。」
「で、表面の硬さもアクリルと同等の硬さを持っています。」
ある特殊な製法で製造された紙。
これを10枚重ねて人工衛星に使える硬さを実現しました。
紙なので大気圏に突入する時に燃え尽きるため、ごみは出ないといいます。
柏田さんは次のようにおっしゃっています。
「一般家庭で使われるティッシュペーパーと全く同じ材料で宇宙に関わる製品が出来るというのは、仕事をしていくうえでは非常に夢のある仕事だと思っていますし、今、地球上においてはプラスチックごみが問題になってますよね。」
「将来、宇宙においても宇宙ごみの問題が顕在化してくるだろうと言われています。」
「先に解決する方法を見つけておくことは非常に重要だと思っています。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
番組を通して、カミ商事で開発された紙の特徴を以下にまとめてみました。
・ある特殊な製法で製造された紙はプラスチックと比べて、強度が3倍ほど高い
・表面の硬さもアクリルと同等の硬さを持つ
・この紙を10枚重ねて人工衛星に使える硬さを実現した
・紙なので大気圏に突入する時に燃え尽きるため、ごみは出ない
なお、柏田さんは、「将来、宇宙においても宇宙ごみの問題が顕在化してくるだろう」とおっしゃっていますが、この硬い紙は、将来、宇宙においても宇宙ごみの問題が顕在化することを防ぐという観点から大量の宇宙ごみ発生のリスク対応策とも言えます。
今、地球上では地球温暖化の防止策としてCO2排出量の削減に向けて取り組んでいますが、宇宙空間においても、やがて大量の宇宙ごみ発生が問題になってきます。
ですから、今のうちから宇宙ごみの発生防止に向けた取り組みが必要なのです。
そうした時に今回ご紹介したような紙を使うべきなのです。
TrackBack (0)| by e-an
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています