昨年10月11日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でアニメを救う生成AIについて取り上げていたのでご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。
ポケットモンスターやベイブレードなどのアニメの制作を手掛ける株式会社オー・エル・エム(東京・世田谷区)ではある課題があると言います。
約20人の作画担当者が昼夜を問わず、作業をしています。
アニメは手書きの原画から作られます。
約20枚の原画をつなぎ合わせて約6秒分。
20分のアニメを作るには約4000枚の原画が必要になるといいます。
世界における日本産アニメの売り上げは海外からの需要の増加を背景に2012年から6倍以上に急増。(こちらを参照)
一方で、制作現場では人手不足を背景にした生産性の低さが課題となっています。
オー・エル・エム 研究開発部門の四倉達夫取締役は次のようにおっしゃっています。
「アニメの作品数が非常に多くなっている一方で、はたして、このまま労働集約型でいくべきかどうかってところが課題になっている。」
そこで日本のアニメに生成AIを導入する動きが。
AI開発を手掛けるAiHUB株式会社(東京・千代田区)は経産省が支援を決めた企業の一つです。
AiHUBの田中裕取締役は次のようにおっしゃっています。
「我々は今回、こういう時系列のタイムラインを伴ったツールを開発しております。」
「こちらの3Dのモデルからアニメ風に絵を仕上げていく。」
CGで作ったキャラクターに生成AIを活用することでアニメ風のキャラクターに変換。
AIに手書きの原画を学習させることで自動的にアニメの動画を生成してくれるのです。
また、下を見る人物と上を向く人物、この2枚の絵を生成AIに学習させることで、なんと生成AIが間の動きを自動で生成してくれるのです。
AiHUBは生成AIモデルの性能を強化し、アニメ制作会社に提供することで、アニメ制作の効率化に貢献したいとしています。
昨日(昨年10月10日)、国産生成AI開発プロジェクト「GENIAC」(添付参照)の会場。
そこにアニメ制作のオー・エル・エムとAiHUBの担当者の姿がありました。
とAiHUBの田中取締役は次のようにおっしゃっています。
「日本のコンテンツ産業を盛り上げることを一緒に皆さんで出来たらと思った次第であります。」
また、オー・エル・エムの四倉取締役は次のようにおっしゃっています。
「オールジャパンでいけるとすごくいいかなと。」
こんな感じで生成AIの関係者が「GENIAC」で出会ってコミュニティが作れられていくというのも、このプロジェクトの狙いなんだそうです。
本当に協力関係が広がっていくといいですね。
経済ジャーナリストの後藤達也さんは次のようにおっしゃっています。
「全然違う業界の人たちの技術だったり、社会課題を共有することで新しいイノベーションが生まれることって結構多いと思いますよね。」
「そういった観点で、政府も個々の事業の支援ということだけでなく、交流をうまく促していくことが出来れば、生成AI産業の発展につながるかなと思いますね。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
番組の内容を以下にまとめてみました。
(アニメの制作を手掛けるオー・エル・エムで抱える人手不足問題)
・世界における日本産アニメの売り上げは海外からの需要の増加を背景に2012年から6倍以上に急増している
・しかし、約20人の作画担当者が昼夜を問わず作業しているが、アニメは手書きの原画から作られるため、制作現場では人手不足のため、その対応が求められる
(生成AIによる人手不足の解消)
・AI開発を手掛けるAiHUBでは、CGで作ったキャラクターに生成AIによりアニメ風のキャラクターに変換する技術を開発している
-AIに手書きの原画を学習させることで自動的にアニメの動画を生成してくれる
-また、下を見る人物と上を向く人物、この2枚の絵を生成AIに学習させることで、生成AIが間の動きを自動で生成してくれる
・AiHUBは生成AIモデルの性能を強化し、アニメ制作会社に提供することで、アニメ制作の効率化に貢献したいとしている
・昨年10月10日、国産生成AI開発プロジェクト「GENIAC」の会場で、オー・エル・エムとAiHUBの担当者の姿があり、互いにオールジャパンでの協力関係を期待した
(経済ジャーナリスト、後藤さんの見解)
・全然違う業界の人たちの技術や社会課題を共有することで新しいイノベーションが生まれることは結構多い
・政府も個々の事業の支援ということだけでなく、交流をうまく促していくことが出来れば、生成AI産業の発展につながると期待出来る
要するに、アニメの制作を手掛けるオー・エル・エムでは、アニメは手書きの原画から作られているのが現状なのです。
そうした中、日本産アニメの売り上げは海外からの需要の増加しているのです。
従って、アニメの制作現場では人手不足のため、その対応が求められているのです。
そこで、人手不足対策として浮上してきたのが生成AIというわけです。
AI開発を手掛けるAiHUBでは、CGで作ったキャラクターに生成AIによりアニメ風のキャラクターに変換する技術を開発しており、生成AIモデルの性能を強化し、アニメ制作会社に提供することで、アニメ制作の効率化に貢献したいとしています。
ですから、オー・エル・エムでAiHUBが開発中の生成AI技術を導入することで、アニメの動画作成の生産性が飛躍的に向上し、残業をしなくても済むようになると期待出来ます。
また、国産生成AI開発プロジェクト「GENIAC」のような場を通して、作業の生産性向上を求める側の企業と生成AI技術を開発中の企業とが結び付くことにより、オー・エル・エムと同様の期待効果が得られるし、一方で生成AI技術を開発中の企業はビジネスチャンスを得られるのです。
なお、生成AIに限らず、AI全般の関連技術の活用により、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めることにつながります。
ですから、今回ご紹介したような光景が今後、日本中のあちこちで見られるようになると期待出来るのです。
その結果、これまで日本の企業は生産性が低いと言われてきましたが、AIが生産性向上の突破口として期待出来るのです。
その結果、人手不足の解消と賃金の上昇、更には売り上げ増にもつながると期待出来るのです。
添付)
国産生成AI開発プロジェクト「GENIAC」とは?
ChatGPT:
**GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)**は、経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する、日本国内の生成AI開発力を強化するためのプロジェクトです。
meti.go.jp
GENIACの目的
生成AIは、従来のAIでは難しかった創造的な作業を自動化する可能性を持ち、産業や日常生活に大きな影響を与えると期待されています。このプロジェクトは、生成AIの基盤となるモデル開発力を日本国内で高め、企業のイノベーションを促進することを目的としています。
meti.go.jp
主な支援内容
- 計算資源の提供:生成AIの基盤モデル開発に必要な高性能な計算資源を提供します。
- データ・生成AI利活用実証の支援:データ活用や生成AIの実証実験を支援し、実用化を促進します。
- マッチングイベントの開催:開発者や企業間の連携を深めるためのイベントを開催し、情報共有と協力体制の構築を支援します。
meti.go.jp
採択事業者の例
2024年10月には、第2期の採択事業者として株式会社オルツが選ばれました。同社は、労働力の補完とパーソナルAIの実現を目指し、世界最高性能の日本語言語処理技術の研究を推進しています。
prtimes.jp
関連情報
GENIACに関する最新ニュースやイベント情報、採択事業者の詳細については、公式サイトで随時更新されています。
meti.go.jp
このプロジェクトを通じて、日本の生成AI開発力の向上と、新たなイノベーションの創出が期待されています。