1月28日(火)付けネット記事(こちらを参照)で週刊文春が中居正広さんを巡る記事で訂正したことについて取り上げていたので内容の一部をご紹介します。
(週刊文春が中居正広さんを巡る記事で訂正)
・週刊文春が昨年12月26日発売号で元タレントの中居正広さん(52)による女性とのトラブルを報じた記事について、同誌編集部は1月28日、週刊文春電子版などでフジテレビ社員の関与についての内容の一部訂正を発表し、謝罪した。
-同号では、トラブルの発端となった食事会について、女性がフジ社員に「誘われた」としていたが、その後の取材で「中居氏に誘われた」ことなどが判明したとした。
・編集部は、報道の第2弾となる1月8日号以降、今回訂正した取材内容を踏まえた記事を出しているとも説明。
・中居さんのトラブルを巡っては、フジは報道のあった12月下旬以降、社員の関与を否定してきた。港浩一社長らの辞任を発表した1月27日の記者会見では、訂正前の文春報道を前提にした質問が続出し、フジは改めて否定した。
・週刊文春が28日にサイトに載せたコメントでは、フジ社員が女性を中居さん宅のバーベキューに連れて行くなどしていて、女性が会食について「社員がセッティングしている会の“延長”だったことは間違いない」と証言しており、社員が「トラブルに関与した事実は変わらない」と主張した。
・ 週刊文春の竹田聖編集長は28日、毎日新聞の取材に「この問題について、有識者に取材する中で、元大阪府知事で弁護士の橋下徹さんから(第1弾と第2弾の記事内容の違いについて)指摘があり、訂正した」と説明した。同誌関係者は「第1弾の取材は裏付けが甘かった。第2弾以降は全て新たに取材で分かった情報に基づいて書いている。すぐに訂正を出す必要はないと思っていた」と語った。
・週刊文春の訂正について、フジは28日、「記事が掲載された当初より一貫して、事案が起きたとされる食事会に関して、当該社員は会の設定を含め一切関与していないと主張し、発行元にも伝えていた。今後は、第三者委員会の調査に委ねる」とのコメントを出した。
(もっと早く訂正すべきだった)
・影山貴彦・同志社女子大教授(メディアエンターテインメント論)は「もっと早く訂正すべきだった」と文春の対応を批判するが、フジの問題については「第三者委の調査結果を待って冷静に判断すべきだ」と強調する。
以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。
要するに、アイデアよもやま話 No.6117 フジテレビの経営陣の1月27日の記者会見についてでもお伝えしたように、週刊文集、あるいはフジテレビが、この問題について、関与したと見られる社員と被害女性の両方、あるいは中居正広さんからきちんと事件当時について聴取して、誤解のないような表現で事実を記事に、あるいは表明していれば、フジテレビによるやり直し会見も10時間もかからずに終えることが出来たのです。
No.6114 ちょっと一休み その964 『今回の中居正広さんと女性とのトラブルを巡る不祥事におけるフジテレビの経営陣の致命的な欠陥について』でもお伝えしたように、最近、企業を巡るガバナンスという言葉が頻繁にいろいろなところで言われるようになりました。
そうした中、今更ですが、フジテレビの経営陣の間でガバナンスに対する配慮、あるいはリスク管理についての理解が行き届いてれば、この問題で週刊文春の第一弾の記事に掲載される前に、あるいは掲載後であっても的確な対応が可能であり、多くのスポンサー会社によるCMの差し止めといった、フジテレビの経営を揺るがすような事態にまで発展することはなかったのです。
また、中居正広さんが芸能界からの引退を公表する事態までには至らなかったかもしれないのです。
ということで、週刊文春といった週刊誌やテレビなどの報道機関は、影響が広範囲に及ぶ、あるいは重大な事件ほど、事実確認が重要なのです。
そのためには、今更ですが、ある事件について、最低限、複数の関係者、あるいは加害者側と被害者側からの聴取が必須なのです。
また、記事に誤報、あるいは誤解を招くような表現が見つかった場合には、速やかに訂正記事を公開することが求められます。
というのは、誤報によって、どんな影響があるか分からないからです。
なお、週刊文春は他の週刊誌と比べて、「文春砲」とも呼ばれる独自の取材力を生かしたスクープ報道、また、記者の調査力と綿密な取材に定評があります。(添付参照)
ですから、今回の件に限って言えば、週刊文春の関係者が指摘しているように、第1弾の取材は裏付けが甘く、更に誤解を招く表現について、すぐに訂正を出す必要はないと思っていたということから、事件の重大性から、週刊文春の取材、およびその後の対応について、取材の基礎を踏み外していたと言えます。
いずれにしても、週刊文春は今回の件に懲りずに、「文春砲」とも呼ばれる独自の取材力を生かしたスクープ報道を今後とも読者に提供していただきたいと思います。
一方、フジテレビの経営陣は、今回の件について、被害女性のプライベート保護に偏り過ぎて、ガバメントの観点が疎かになって、また、事実確認が曖昧なままでの対応で自ら、報道機関向けの会見で大変な事態を招いてしまいました。
今回の件に対する今後の対応については、是非、自社に都合の悪いことも含めて総括し、心機一転して、二度と今回のような会見をしないように、また、従業員のためにも新しく生まれ変わった体制で番組作りに取り組んでいただきたいと思います。
「禍を転じて福と為す」ということわざがありますが、これからの報道機関はどうあるべきかという観点で、ゼロから検討するには絶好の機会だと思いますので、思い切った改革を出来るチャンスだと捉えて、前向きに取り組むべきだと思います。
添付)
週刊文春は他の週刊誌と比べて、どんな特徴があるか?
ChatGPT
週刊文春の特徴は、他の週刊誌と比べて以下の点が際立っています。
1. スクープ報道の信頼性と影響力
週刊文春は、独自の取材力を生かしたスクープ報道に定評があります。「文春砲」とも呼ばれるその報道は、芸能人のスキャンダルや政治家の不祥事、大企業の不正など、日本社会に大きな影響を与えることが多いです。他の週刊誌と比べても、証拠を伴った記事が多く、スクープの精度が高いとされています。
2. 記者の調査力と綿密な取材
週刊文春の記者は、長期的な調査取材を行うことで知られています。他の週刊誌ではゴシップや噂を基にした記事が多いのに対し、文春は音声データや写真などの証拠を押さえた上で報道する傾向があります。そのため、訴訟リスクが高いような報道でも比較的強気に報じることができます。
3. 芸能スキャンダルだけでなく、政治・経済にも強い
週刊誌の多くは芸能ニュースが中心ですが、週刊文春は政治家や官僚、大企業の不正、経済界の動向など、社会的に大きな影響を与える報道も得意としています。そのため、読者層も芸能ファンだけでなく、政治・経済に関心のある層まで幅広いです。
4. 文藝春秋グループならではの硬派な記事も
週刊文春は、「文藝春秋」という歴史ある出版社が発行しているため、ジャーナリズムの質にこだわる傾向があります。他の大衆向け週刊誌と異なり、文学や知識人の評論記事が掲載されることもあります。
5. 法的トラブルも多いが勝訴率が高い
週刊文春の報道は影響力が大きいため、訴訟に発展することも少なくありません。ただし、記事の裏付けがしっかりしているため、裁判で勝訴するケースも多いのが特徴です。
6. 競合誌との違い
• 週刊新潮:週刊文春と並ぶ老舗の硬派週刊誌だが、近年はスクープ力で文春に押され気味。
• フライデー・FLASH:写真中心の芸能スクープが多く、文春より大衆向けの印象。
• 週刊ポスト・週刊現代:中高年向けの健康・社会記事も多く、文春ほど硬派なスクープは少なめ。
• 週刊女性・女性セブン:女性誌系で芸能スキャンダルが中心。文春よりも芸能ゴシップ色が強い。
つまり、週刊文春は「信頼性の高いスクープを武器にしつつ、政治・経済にも強い硬派な週刊誌」という立ち位置ですね。
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