昨年9月25日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIによるライブコマースについて取り上げていたのでご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。
ネット上でライブ配信しながら商品を売るライブコマース。
今日、このライブコマースを巡って、新たなサービスがスタートしました。
登場するのは人ではなく、AIによるアバター、通称AIライバーです。
AIによるライブコマースにはどんなメリットあるんでしょうか。
EC、ネット販売の支援などを行うエニーマインドグループ株式会社。
商品を宣伝するための撮影。
歯をきれいにする商品の特徴を丁寧に説明していきます。
十河宏舗CEOは次のようにおっしゃっています。
「(その撮影した動画を)ソフトウェアにアップロードして、そのソフトウェアで撮影データを基にアバターをまず作ります。」
撮影した動画データを基にそっくりのアバターを作成。
更に生成AIを使って、アバターにある能力をつけるといいます。
それが、先ほど撮影した女性とそっくりのアバターが自動でしゃべっています。
十河CEOは次のようにおっしゃっています。
「口元の動きだとか、イントネーションだとか発音を読み込んでいて、非常にナチュラルな仕上りになっているのかなと思っています。」
エニーマインドグループでは、AIによるアバターがライブ配信をして商品を売る新サービスを今日(昨年9月25日)からスタート。
ライブ配信中に質問がきた場合でも、すぐ反応して答えてくれます。
更に、どういう表現をしたら商品が売れたかなどを分析し、商品のアピール方法もアバターが選択して行うといいます。
十河CEOは次のようにおっしゃっています。
「ユーザー、消費者に対して、(商品の)良さが伝わっていくのかAIが考えてくれるって感じ。」
現在、英語や中国語に加え、インドネシアやタイなど、東南アジアの言語を中心に7言語で対応。
今後、日本語の機能も追加する予定だとしています。
このAIアバターによるライブコマースを早速利用しているのが化粧品のスタートアップ企業、株式会社エヌアイエル (東京・千代田区)です。
頭皮などへの刺激を抑えながら、髪の毛を黒くするという植物由来の成分を発見し、それを使ったシャンプーなどを販売しています。
佐藤正晃社長は次のようにおっしゃっています。
「白髪というのは日本人だけの悩みではなくて、アジア全体。」
「特にアジアというのは黒髪圏と言われてますので、黒髪圏の方の全体に対する大きな悩み。」
日本のみならず、中国や台湾などでも特許を取得済みですが、社員数が約10人と少なく、海外販売の強化が課題でした。
そこで、この9月から試験的に導入したのが、エニーマインドグループが提供するAIによるアバターです。
現在、タイ、マレーシア、ベトナムの3ヵ国を対象に、AIアバターによるライブ配信を行っています。
佐藤社長は次のようにおっしゃっています。
「AIだと24時間、ずっと働いていただけますので、時間を問わず使えるのは非常に大きいですね。」
特に力を入れるタイ向けには、実際にタイ人のインフルエンサーを雇い、AIアバターを作成。
そのAIアバターでライブ配信をすると、売り上げが以前に比べて5倍近く増えたといいます。
この会社では、今後もAIアバターを使って、販売するエリアを拡大したい考えです。
佐藤社長は次のようにおっしゃっています。
「もっと外に我々の目を向けて、何とかこういうようなテクノロジー企業と組むことによって、東南アジア、もしくは世界に進出出来る・・・」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
なお、エニーマインドとインフルエンサーとの係わりについては、アイデアよもやま話 No.5731 注目すべき”インフルエンサー経済圏”!でもお伝えしていました。
番組の内容を以下にまとめてみました。
(AIアバターを使ったライブコマース技法の確立)
・ネット上でライブ配信しながら商品を売るライブコマースを巡って、昨年9月25日、AIによるアバターを使った新たなサービスがスタートした
・EC、ネット販売の支援などを行うエニーマインドグループでは、ライブコマース用にモデルの女性を撮影した動画をソフトウェアにアップロードして、撮影データを基に、女性とそっくりのアバターをまず作る
・更に生成AIを使って、そのアバターに女性とそっくりにしゃべる能力をつける
・エニーマインドグループでは、AIによるアバターがライブ配信をして商品を売る新サービス昨年9月25日からスタートした
-ライブ配信中に質問がきた場合でも、すぐ反応して答えてくれる
-更に、どういう表現をしたら商品が売れたかなどを分析し、商品のアピール方法もアバターが選択して行う
・現在、英語や中国語に加え、インドネシアやタイなど、東南アジアの言語を中心に7言語で対応するが、今後、日本語の機能も追加する予定だとしている
(AIアバターを使ったライブコマースのエヌアイエルでの事例)
・化粧品のスタートアップ、エヌアイエルでは、頭皮などへの刺激を抑えながら、髪の毛を黒くするという植物由来の成分を発見し、それを使ったシャンプーなどを販売している
・白髪は日本人だけの悩みではなく、黒髪圏と言われているアジア全体で大きな悩みで需要は大きい
・そこで、この技術の特許を日本のみならず、中国や台湾などでも取得済みである
・しかし、社員数が約10人と少なく、海外販売の強化が課題だった
・そこで、エニーマインドグループが提供する、AIアバターによるライブコマースを9月から試験的に導入した
-現在、タイ、マレーシア、ベトナムの3ヵ国を対象に、AIアバターによるライブ配信を行っている
-AIだと24時間、継続して働いてもらえるので、そのメリットは非常に大きい
・特に力を入れるタイ向けには、実際にタイ人のインフルエンサーを雇い、AIアバターを作成し、そのAIアバターでライブ配信をすると、売り上げが以前に比べて5倍近く増えたという
・エヌアイエルでは、今後もAIアバターを使って、更に東南アジア、もしくは世界に販売するエリアを拡大したい考えである
まず、AIアバターを使ったライブコマースのエヌアイエルでの事例で、売り上げが以前に比べて5倍近く増えたという成果は驚きです。
それだけ、エニーマインドグループが提供するAIアバターの話し方、動作、更にユーザーとの会話が自然であるということなのです。
勿論、実際にタイ人のインフルエンサーを雇い、AIアバターを作成したことも売り上げ増にプラスの効果をもたらしていると思います。
更にAIアバターだと24時間、継続して働いてもらえる効果も非常に大きいです。
エヌアイエルでの成功事例から言える重要なことは、これからのビジネスは、AIアバターの活用により、魅力的な商品であれば、企業規模にほとんど左右されず、世界規模で売り上げを伸ばせるということです。
ここであらためて感じることは、インターネットを通じて、世界中の人たちはつながるということです。
一方、エニーマインドグループが提供するようなAIアバター関連技術は今後ともどんどん進化していくと見込まれます。
また、アバターも実在のアイドルやインフルエンサーのみならず、新たに作られる魅力的なバーチャルヒューマンもどんどん増えていくと見込まれます。
こうなると、実在のアイドルや新たに作られるバーチャルヒューマンが勝手にアバターとして使われないように、使用権、および使用料の発生といったことにもつながります。
なお、こうしたアバターは、先ほどもお伝えしたように24時間、365日働き詰めでも“疲れ知らず”なので、実在のアイドル以上にとてつもなく生産性の向上が図られるのです。
なぜかと言えば、一人のアイドルではいろいろなオファーがあっても、24時間働くことは出来ず、しかも同じ時間帯には一つのオファーにしか対応出来ません。
しかし、一人のアイドルのアバターから無限にコピーが作られ、それぞれがユーザーとやり取りが出来るからです。
また、こうしたアバターの用途はいろいろ考えられます。
更にロボット技術の向上により、いずれ、こうしたアバターと一体化されたヒューマノイドも登場してくると見込まれます。
こうした観点からすると、AIの活用はまだまだ初歩段階で、驚くほどのスピードで活用の幅が広がっていくと見込まれます。
ですから、AIの関連分野において、まだまだベンチャー企業の活躍の余地は残されているのです。
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