2025年01月13日
アイデアよもやま話 No.6103 米テキサスに世界最大の3Ⅾプリンター住宅街!
これまで3Ⅾプリンター住宅については、アイデアよもやま話 No.4999 画期的な3Ⅾプリント住宅村構想!、およびアイデアよもやま話 No.5181 300万円の3Ⅾプリンター住宅が誕生!?でお伝えしてきました。
そうした中、昨年9月3日(火)付けネット記事(こちらを参照)で米テキサスにおける世界最大の3Ⅾプリンター住宅街について取り上げていたので内容の一部をご紹介します。
なお、日付けは全て番組放送時のものです。

・3Dプリント住宅のスタートアップ米Icon社と米住宅建設大手Lennar社は、テキサス州ジョージタウンに新たな住宅街を3Dプリンターで建設するプロジェクトを2022年11月に開始した。
・ロイターの報道によると、この100戸のプロジェクトがほぼ完成したという。
・この住宅建設プロジェクトでは、基礎工事や屋根、仕上げ作業は従来の方法で行われたが、各住宅の壁はIcon社のVulcan 3Dプリンターによって建設された。
・Vulcanは、クレーンのような長いロボットアームに取り付けられたノズルを使い、コンクリートをケーキのホイップクリームのように押し出していく。
・設計データに従い、プリンターが家の基礎を形成し、その後、壁を層ごとに積み上げていく。
・この3Dプリンターによる住宅建設の初期の大規模プロジェクトは、その利点の一部を世に示した。1件の住宅は、Vulcan1台と作業員1人がいれば約3週間で出力できる、ということだ。
・Icon社はデザイン事務所Bjark Ingels Groupと提携し、3〜4ベッドルームの平屋スタイルの住宅を8種類設計した。これらの住宅の面積は約146平米から約196平米までさまざまである。
・8月8日時点で既に約25%の物件が売れた。価格は45万ドルから60万ドルで、これはこの地域の平均的な価格である。既に入居を始めた購入者もおり、ロイターのインタビューを受けたある夫婦は、住宅の構造がしっかりしていると感じており、厚いコンクリートの壁がテキサスの焼けるような夏でも室内を涼しく保っていると述べている。
これらの住宅には太陽光発電システムも標準装備されている。一方で、コンクリートの壁がWiFi信号を遮断するため、インターネットの利用にはメッシュWiFiが必要になるというデメリットもある。

・全体的に見て、3Dプリントは安価で迅速かつ資源をあまり必要としない建設方法として評価されている。
・支持者たちは、この技術が必要としている人々に手頃な価格の住宅を提供できることを期待している。例えば、Icon社は途上国の住宅問題に取り組む非営利団体New Storyと提携し、極度の貧困状態にある家族のためにメキシコで住宅を出力したり、ホームレス支援団体Mobile Loaves & Fishesと協力して、慢性的なホームレス状態にある人々のためのオースティンで住宅を出力している。
・しかしながら、これまでのところ商業用の3Dプリント住宅の市場価格は、従来の建築方法による住宅と比べて劇的に安いわけではない。一部の工程でコスト削減が可能な一方、窓の取り付けや一般の建築技術に最適化された設備の取り付けなど、逆にコストがかさむ部分もある。そして、建築コストを超えて、市場での価格は需要と購入者が支払う意欲によって決まる。
・コスト削減を図るため、Icon社は2023年に「Initiative 99」と呼ばれる、10万ドル以下で建設可能な3Dプリント住宅をデザインするコンペティションを発表した。同年のSXSW(サウスバイ・サウスウエスト)で、このコンペティションのフェーズIの受賞者が発表された。
・このように、商業用住宅建設技術としての3Dプリントはまだ初期段階にある。テキサスでのこのプロジェクトは、規模の大きな初めての試みの一つであり、Icon社や他の企業がこのプロセスを最適化し、既存のエコシステムに組み込む方法を見つけ出すにつれて、コストは今後さらに下がる可能性がある。
・その間にも、数人のテキサス州の一般市民は近未来的な住宅に住み始めており、コーデュロイのようなコンクリートの壁に囲まれた家が、厳しい暑さから守ってくれる環境で暮らし始めている。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

2000年代の初頭、イベント会場で3Dプリンターの展示されているブースで説明員の説明を聴いても、プリントの規模も小さく、まだ実用化はほど遠いと感じていました。
ところが、アメリカでは、昨年の夏、3Ⅾプリンターで建てられた100棟の家からなる世界最大の住宅街が誕生するというところまで進化しているのです。
なお、3Dプリント住宅のスタートアップ米Icon社のその後の動きについて添付を参照下さい。
以下のような内容です。
・ICON社は、テキサス州ウィンバリーでも新たな3Dプリント住宅の販売を開始しており、エネルギー効率に優れた高性能な住宅を提供している
・また、テキサス州マーファで世界初の3Dプリントホテルの建設を開始した
・一方で、ICON社はNASAのアルテミス計画の一環として、月面での建設に3Dプリント技術を活用する計画も進めている

今や、技術の進化により、3Dプリントは一般住宅のみならず、ホテル、更には月面での建設にも活用される時代を迎えているのです。
ですから、2050年頃には3Dプリントによる建物が一般化しているのではないかと思われます。


添付)

アメリカでは、3Dプリント住宅のスタートアップ米Icon社と米住宅建設大手Lennar社がテキサス州ジョージタウンに昨年の夏、3Ⅾプリンターで建てられた100棟の家からなる世界最大の住宅街が誕生すると報じられていたが、その後の状況はどうか?
ChatGPT

ICON社は、テキサス州で進行中の革新的な3Dプリント住宅および商業施設の建設プロジェクトを展開しており、これにより同社は建設業界における新しいスタンダードを作りつつあります。以下はその具体的な内容です。
1. 3Dプリント住宅コミュニティ
ICON社と米住宅建設大手Lennar社は、テキサス州ジョージタウンのウルフ・ランチ地区に、100棟の3Dプリント住宅を建設するプロジェクトを進めています。このプロジェクトは、世界最大の3Dプリント住宅コミュニティとして注目されています。
• 建設進捗: 2024年8月時点で、これらの住宅の建設は完了し、最初の入居者が9月に引っ越しを開始しました。
• 販売状況: 住宅は45万ドルから60万ドルで販売され、すでに販売の約4分の1が完了しています。
• 技術: ICON社のVulcan 3Dプリンターを使用して、コンクリート壁を層ごとに積み上げる技術により、耐水性、耐カビ性、耐シロアリ性、耐候性を持つ住宅が実現されています。
2. 世界初の3Dプリントホテル
ICON社は、テキサス州マーファで世界初の3Dプリントホテルの建設を開始しました。このホテルは、商業施設における3Dプリンティング技術の適用例として注目されています。
• 目的: 3Dプリンティング技術を使用することで、建設コストの削減と建設期間の短縮を図ることができる新しい商業施設のモデルとして位置付けられています。
• 技術: ICON社のVulcan 3Dプリンターを使用し、迅速に耐久性のある構造物を建設することを目指しています。
3. 月面建設への応用
ICON社はNASAのアルテミス計画の一環として、月面での建設に3Dプリント技術を活用する計画も進めています。この技術を利用して、月面の居住施設やインフラを建設することが目指されています。
4. 新たな住宅地での販売
ICON社は、テキサス州ウィンバリーでも新たな3Dプリント住宅の販売を開始しており、エネルギー効率に優れた高性能な住宅を提供しています。このような取り組みは、今後3Dプリント住宅市場での地位を強化し、さらなる成長が期待されます。
今後の展望
ICON社は、これらの取り組みによって、3Dプリント技術の商業利用を拡大していく予定です。住宅やホテル、さらには月面でのインフラ建設など、多方面での技術活用により、同社の成長は今後ますます注目されるでしょう。また、ICON社の技術は、建設業界全体に革新をもたらし、3Dプリント技術がさらに普及する可能性を示しています。

 
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