2024年11月15日
アイデアよもやま話 No.6053 第三次世界大戦は既に始まっている!?
11月7日(木)付けネット記事(こちらを参照)で第三次世界大戦は既に始まっていることについて取り上げていたので内容の一部をご紹介します。 

・2024年10月16日付のワシントン・ポスト紙で、同紙コラムニストのウィルが、ロシア、北朝鮮、イラン、中国と欧米の間で第三次世界大戦は既に始まっているが、ハリスもトランプもそれに気付いていないと警告している。
・ロシアのウクライナ侵攻に関係して、第三次世界大戦は既に開始されているとする驚く警告であるが、同様の指摘は、エマニュエル・トッドが既に22年5月に主張している。この論説は、後から振り返れば14年のロシアによるクリミア併合が始まりであったということになるかもしれないと論じている。
・思えば、第二次世界大戦は、日本、ドイツ、イタリアの枢軸国の合従連衡によって始まった危機の連鎖であり、1931年の日本の満州占領から始まったことは明らかである。
・後世の人は、第三次世界大戦はロシアが2022年2月にウクライナを侵略する前の14年のクリミア占領に始まったと結論づけるかもしれない。  ・次期米国大統領は、25年1月20日以降、中国、ロシア、イラン、北朝鮮からなる今日の枢軸国に対処することになる。  
・ロシア西部の国境から中国がフィリピンの主権を侵害している海域まで、 今日の戦争と戦争寸前の舞台は、地球上の24のタイムゾーン(添付1参照)のうち6つのゾーンにまたがっている。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

この記事をご覧の皆様の中にも、現在の世界情勢について、おぼろげながら戦争の陰、すなわち第三次世界大戦が起きてしまうのではないかという不安を感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私もロシアによるウクライナ侵攻で北朝鮮軍の兵士がウクライナ軍との戦闘に投入されたと報じられた時点で、更に他の国も巻き込んだかたちで戦闘が拡大するのではと危機感が高まりました。

さて、記事にもあるように、第二次世界大戦は、日本、ドイツ、イタリアの枢軸国の合従連衡によって始まった危機の連鎖であり、1931年の日本の満州占領から始まりました。
同じように、今や2014年のロシアによるクリミア併合が第三次世界大戦の始まりであったと後世の世界史の教科書に書かれるかもしれないような世界情勢なのです。

では、2014年のロシアによるクリミア半島侵攻について、欧米の首脳は事前に把握していなかったかについては、添付2を、同じく2022年のロシアによるウクライナ侵攻について、欧米の首脳は事前に把握していなかったかについては添付3を、では、どうすればロシアによるクリミア半島、およびウクライナ侵攻を防ぐことが出来たかについては添付4参照下さい。

要するに、ロシアによるクリミア併合もロシアによるウクライナ侵攻も欧米の首脳はそれなりの情報を把握していたのですが、実行された場合の影響の重大性についての危機感が足りなかったので、現在の状況を招いてしまったわけです。
特にロシアによるウクライナ侵攻については、ロシアによるクリミア併合の再発防止策が的確に機能しなかったわけです。
ロシアによるウクライナ侵攻については事前にかなりの精度で侵攻が把握されていたのですから、どのような対策を実施すれば、プーチン大統領がウクライナ侵攻を踏み止まるかを精査し、それの対策を実施していれば防げた可能性が大きいのです。
仮にロシアによるウクライナ侵攻の収束に当たり、プーチン大統領の満足が得られれば、今後も近隣諸国への侵攻が繰り返されると見込まれます。
これまでと同様の欧米諸国の不十分な対応が継続されれば、やはり第三次世界大戦は2014年のロシアによるクリミア併合が始まりであったと後世の歴史家から言われてしまうのです。
では、こうしたひっ迫した国際状況を収束させた成功事例として挙げられるのは1962年のキューバ危機の解消です。(添付5参照)
やはり、こうした戦争の発生を食い止める最も重要なことは、それぞれの陣営で影響力の最も大きいアメリカ、ロシア、中国の首脳がそれぞれ日頃から対立しながらも直接会ってコミュニケーションを図ることです。

いずれにしても戦争は起きないに越したことはありません。
世界大戦のような大規模な戦争は特にそうです。
ですから、特に大規模な戦争が起きる要因となりそうな事象に対して火種が小さいうちに消してしまうことが必須です。
そういう意味で、欧米、および日本の首脳は今の国際情勢に対して敏感に情勢を把握し、タイムリーに適切な対応が求められるのです。
こうした中、アメリカのトランプ次期大統領は、自分が大統領になったら24時間以内にロシアによるウクライナ侵攻を収束させるというような発言をされていますが、そんなことは不可能と思いながらも、実現出来ればノーベル平和賞ものだと、かすかな期待をしてしまいます。

さて、ここでアイデアよもやま話 No.5831 世界の戦争終結に向けた考え方!の一部を以下に引用します。

防衛研究所の千々間さんによれば、世界の戦争終結は現在の犠牲の回避と将来の危険の除去、この2つのバランスで決定されてきたといいます。
また、アメリカの研究者は戦争を以下のように要因別に分析しています。
(陽動戦争)
・指導者が国内問題から目をそらそうとするような戦争である
・戦闘が激しくなる傾向がある
・しかし、短期間で終わることが多い。

(政策戦争)
・イデオロギーを巡る戦争である
・ベトナム戦争のように衝突は長く続く
・しかし、戦死者数の割合は比較的少ない

(コミットメント戦争)
・相手に対して不信感があり、交渉出来ない
・2度の世界大戦など、戦闘が激しく、長期化する

この引用から言えることは、以前にもお伝えしたように、万一第三次世界大戦が起きるようなことがあれば、地球温暖化阻止に向けた対策も中断してしまい、地球温暖化は一気に進んでしまいます。
そうなれば、想像を絶するような気候の変化を招いてしまいます。
そして、世界中で多くの人たちはこれまでの暮らしを奪われることになるのです。
このことは将来の危険に相当します。

また、第三次世界大戦が起きればコミットメント戦争に分類されるので戦闘が激しく、長期化すると見込まれます。
ですから、既に始まっているという見方がありますが、第三次世界大戦のこれ以上の拡大はなんとしても阻止しなければなりません。


添付1)

地球上の24のタイムゾーン
ChatGPT

地球には24の標準的なタイムゾーンがあり、各タイムゾーンは主に経度15度ごとに1時間ずつ異なります。以下に代表的なタイムゾーンを挙げます。
1.UTC-12:00 (例:ベーカー島、ハウランド島)
2.UTC-11:00 (例:アメリカ領サモア)
3.UTC-10:00 (例:ハワイ、タヒチ)
4.UTC-9:00 (例:アラスカ)
5.UTC-8:00 (例:太平洋標準時 - ロサンゼルス、バンクーバー)
6.UTC-7:00 (例:山岳標準時 - デンバー、フェニックス)
7.UTC-6:00 (例:中央標準時 - シカゴ、メキシコシティ)
8.UTC-5:00 (例:東部標準時 - ニューヨーク、トロント)
9.UTC-4:00 (例:大西洋標準時 - カリブ海諸国)
10.UTC-3:00 (例:アルゼンチン、ブラジル東部)
11.UTC-2:00 (例:南ジョージア島・南サンドウィッチ諸島)
12.UTC-1:00 (例:アゾレス諸島)
13.UTC±0:00 (グリニッジ標準時 - ロンドン、アイルランド)
14.UTC+1:00 (例:中央ヨーロッパ時間 - パリ、ベルリン、ローマ)
15.UTC+2:00 (例:東ヨーロッパ時間 - アテネ、イスタンブール、カイロ)
16.UTC+3:00 (例:モスクワ、サウジアラビア)
17.UTC+4:00 (例:ドバイ、アゼルバイジャン)
18.UTC+5:00 (例:パキスタン、ウズベキスタン)
19.UTC+6:00 (例:バングラデシュ、カザフスタン東部)
20.UTC+7:00 (例:タイ、ベトナム、インドネシア西部)
21.UTC+8:00 (例:中国、シンガポール、オーストラリア西部)
22.UTC+9:00 (例:日本、韓国)
23.UTC+10:00 (例:オーストラリア東部、グアム)
24.UTC+11:00 (例:ニューカレドニア、ソロモン諸島)
25.UTC+12:00 (例:フィジー、ニュージーランド)

これらのタイムゾーンは標準的なものですが、国によっては夏時間(DST)を採用しているため、地域や時期によって実際の時刻が異なることがあります。

添付2)

2014年のロシアによるクリミア半島侵攻について、欧米の首脳は事前に把握していなかったか?
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2014年のロシアによるクリミア半島侵攻について、欧米の首脳や情報機関は、ロシアがウクライナに対して軍事的な圧力を強めている兆候を事前に把握していたものの、実際にクリミア併合にまで踏み込むという決断を下すかどうかは読み切れていなかったとされています。
具体的には、以下のようなポイントが指摘されています。
1.ロシアの行動に対する過小評価
欧米の情報機関や専門家の多くは、ロシアがウクライナへの影響力を強化する可能性を認識していましたが、ウクライナ領の一部であるクリミアを併合するという「決定的な行動」に踏み切るとは予想していませんでした。ロシアが軍を直接派遣するよりも、経済的・政治的手段を通じてウクライナ政府に圧力をかけるだろうと考えられていたため、全面的な侵攻の兆候には慎重であったとされています。
2.インテリジェンス上の制約
アメリカや欧州の情報機関は、ロシアの軍部隊の動きを衛星画像などで追跡していましたが、ロシア国内の具体的な軍事作戦計画にはアクセスできませんでした。クリミアに展開する「緑の小人」と呼ばれる正体不明の兵士が登場するまで、侵攻の最終的な目的や範囲が不明確だったことが、欧米首脳の対応を遅らせた一因です。
3.プーチンの戦略の読み誤り
欧米はロシア大統領プーチンの行動原理や戦略に対する理解が不足していたとされ、ウクライナがロシアの勢力圏から外れることへのロシア側の警戒を十分に考慮していなかったともいえます。ウクライナで2014年に親欧米的な動きが強まったことが、ロシア側の「安全保障に対する脅威」とみなされ、迅速な行動が取られたと考えられますが、欧米はこれを即時の軍事行動につながるものと予測していなかったようです。
4.クリミアの地政学的価値の理解不足
欧米諸国は、クリミアがロシアの戦略的利益において極めて重要な位置を占めていることを過小評価していました。クリミアにはロシア黒海艦隊の主要拠点であるセヴァストポリ港があり、ロシアにとって安全保障の要でした。ロシアがウクライナ情勢に大規模な軍事介入を行う場合、クリミアが重要な焦点になる可能性を見逃していたといわれています。

結論
欧米諸国の首脳は、ロシアがウクライナ情勢に関心を持っていることや、ある程度の干渉を試みる可能性については認識していたものの、クリミアを併合するという具体的な侵攻計画までは把握していなかったとされています。この事態は、欧米がロシアの戦略的意図を評価しきれなかったことを浮き彫りにし、その後の対ロシア政策を見直すきっかけともなりました。

添付3)

2022年のロシアによるウクライナ侵攻について、欧米の首脳は事前に把握していなかったか?
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2022年のロシアによるウクライナ侵攻については、欧米の首脳や情報機関は、ロシアが軍事行動を起こす可能性を事前に把握していました。侵攻前の数か月間に、アメリカやイギリスなどの情報機関はロシアの軍事動向を詳細に監視し、衛星画像やインテリジェンスによって、ウクライナ国境付近にロシア軍が集結している様子を確認していました。
欧米の対応と情報収集について、以下の点が挙げられます。
1.具体的な警告と公開情報の提供
アメリカの情報機関(CIAや国防総省など)は、2021年末から2022年初頭にかけて、ロシアが大規模な侵攻準備を進めていると警告し、バイデン政権も同様の見解を公表していました。アメリカ政府は、ロシアの侵攻の可能性について詳細なインテリジェンス情報を公開し、NATO同盟国やウクライナ政府に警告を発していました。
・情報公開の戦略: アメリカ政府は、ロシアが侵攻計画を実行する可能性が高いと判断し、国際社会に対して情報を積極的に公開するという異例の対応を取りました。これは、ロシア側の意図を明らかにすることで、侵攻を思いとどまらせる狙いもありました。
2.ロシアの意図の読み取り
アメリカやイギリスはロシアの軍備増強を確認していましたが、実際に全面的な侵攻が行われるかどうかについては最後まで意見が分かれていました。ウクライナ政府や一部の欧州諸国は、ロシアが圧力をかけることで外交的譲歩を引き出そうとしているだけで、全面的な侵攻には至らないと考えていました。
・不確定要素: 事前の警告があったにもかかわらず、ロシアが実際に全面侵攻を決断するかどうかは不透明な部分が多く、侵攻の規模や進行方法についても完全には予測できていませんでした。
3.NATOと欧米諸国の準備
欧米諸国はロシアの侵攻に備え、ウクライナへの軍事支援を強化していましたが、ロシアとの直接的な軍事衝突を避けるため、ウクライナにNATO軍を派遣することは控えていました。その代わり、欧米はウクライナの防衛を支援するための訓練や装備供与を増加させ、経済制裁の準備も進めていました。
・ウクライナへの事前支援: 防衛用の武器や装備、情報支援などが提供され、ロシア軍侵攻に備えてウクライナの戦力が強化されていました。
4.経済制裁と外交的圧力
ロシアの侵攻を抑止するため、アメリカやEUは事前に経済制裁の準備を進めており、ロシアが侵攻した場合に即座に実施できるようにしていました。欧米は外交交渉を通じてロシアに侵攻をやめるよう圧力をかけ、ロシア側に対話の余地を与えようとしましたが、ロシアはこれを拒否し、最終的に侵攻を決行しました。

結論
2022年のウクライナ侵攻について、欧米の首脳はロシアが侵攻に向けた準備を進めていることを把握しており、その可能性についても公然と警告していました。ただし、ロシアがどの程度本気で侵攻に踏み切るのか、侵攻の範囲やその後の戦闘の持続性については完全には予測できず、一部の欧州諸国やウクライナ側も侵攻の確度について懐疑的な見方をしていました。

添付4)

では、どうすれはロシアによるクリミア半島、およびウクライナ侵攻を防ぐことが出来たか?
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ロシアによるクリミア半島およびウクライナ侵攻を未然に防ぐためには、欧米諸国や国際社会がもっと早期に包括的な対策を講じて、ロシアの侵攻を思いとどまらせる強い抑止力を示す必要があったとされています。以下は、侵攻を防ぐために考えられるいくつかのシナリオと対応策です。
1.強力な経済制裁の事前発動
事前に欧米諸国がロシアに対し、侵攻が実施された場合に即座に経済的な打撃を与える具体的な制裁を準備し、これを明確に警告することで、ロシアに対して「実行すれば重大なコストが発生する」というメッセージを届ける方法が考えられます。具体的には以下が有効とされます。
・エネルギー分野の制裁: ロシアは天然ガスや原油の輸出に依存しており、欧州市場への供給も大きな収入源です。侵攻の兆候が見えた時点で、即時のエネルギー制裁を発動する姿勢を示し、ロシアが経済的に持ちこたえられなくなる恐れを与えることが抑止につながった可能性があります。
・SWIFTからの排除: ロシアの主要銀行を国際的な送金システム(SWIFT)から排除することで、ロシアの金融取引を国際的に封じる措置も有力です。このような制裁措置は侵攻後に導入されましたが、事前に準備しておくことで抑止力が高まったかもしれません。
2.NATOとEUの結束強化およびウクライナへの事前支援
欧米が事前にウクライナとの軍事的連携を深め、抑止力を高めていれば、ロシアが侵攻に踏み切るリスクが高いと判断して思いとどまる可能性がありました。具体的には以下の対策が挙げられます。
・ウクライナへの防衛装備の早期供与: ウクライナに対して先手を打って防衛装備や軍事訓練を提供することで、侵攻に対するコストが上がり、ロシアの進行を思いとどまらせる可能性がありました。
・NATO東側諸国での軍備強化: バルト三国やポーランドなど、ロシアの影響力が強い東ヨーロッパのNATO加盟国に防衛体制を強化することで、ロシアに対してNATOの結束を示し、侵攻を思いとどまらせる圧力となった可能性があります。
3.クリミアとウクライナ東部の早期安定化と支援
2014年のクリミア侵攻後、ウクライナの東部地域では親ロシア派とウクライナ政府軍の衝突が続いていました。欧米諸国が早期にこの地域の安定化を支援し、ウクライナ政府の主権維持をサポートしていれば、ロシアがさらに侵攻する口実を減らせた可能性があります。
・ウクライナ国内のインフラ支援と経済強化: 欧米諸国がウクライナの経済成長と安定化を支援し、国内に親欧米の政権基盤を強固にすることで、ロシアが介入する余地を小さくするという戦略があり得ました。
4.早期の外交交渉と安全保障
欧米諸国がロシアに対して、ウクライナの非NATO化や特定の安全保障上の懸念を和らげる形での妥協を提案する方法もありました。ただし、これはウクライナの主権やNATOの拡大方針とのバランスが難しく、ロシアの要望を受け入れることで逆に国際的な影響力が弱まるリスクもありました。
・中立化の提案: ロシアが求めていたウクライナの中立化を条件にした対話を進め、NATOとEUがウクライナの軍事同盟参加について一定の譲歩を示すことで、ロシアの安全保障の不安を和らげる余地があったかもしれません。
5.ロシア国内の抑制力の強化
欧米諸国がロシア国内の世論や経済に対して影響力を持つことで、ロシアが戦争に踏み切るハードルを高くすることが考えられます。
・反戦世論の強化: ロシア国内での反戦的な意見や運動を支援することで、戦争による国際的な孤立がロシアにとって不利益となるよう働きかけることが考えられます。

結論
ロシアのクリミアおよびウクライナ侵攻を防ぐには、早期に強い経済制裁を準備し、NATOとEUが団結して抑止力を示し、ウクライナへの支援を強化する必要がありました。また、ロシアの安全保障上の懸念を考慮した外交的対応も一部有効であったかもしれません。とはいえ、ロシアの強硬な姿勢と欧米側の行動が根本的に折り合わない面も多く、確実に侵攻を防ぐのは難しかったと考えられます。

添付5)

1962年のキューバ危機はいかに解消されたか?
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1962年のキューバ危機は、アメリカとソビエト連邦(当時のロシア)が核戦争の寸前まで行った冷戦中の重大な事件で、ソ連がキューバに核ミサイルを配備したことで勃発しました。この危機はアメリカのジョン・F・ケネディ大統領とソビエトのニキータ・フルシチョフ首相の外交的な交渉によって解決されました。解決に至るまでの経緯とポイントを以下にまとめます。
1.米国によるキューバ封鎖
アメリカはソ連がキューバにミサイル基地を建設していることを偵察機で発見し、10月22日にケネディ大統領がキューバに「海上封鎖」(隔離)を宣言しました。これは、ソ連がキューバへさらにミサイルを搬入するのを防ぐためのもので、武力行使の前段階にあたる強硬な対抗措置でした。
2.両国首脳による緊迫した交渉
危機の最中、ケネディとフルシチョフの間で緊急に書簡や通信が交わされました。フルシチョフは当初、キューバへのミサイル配備を「防衛目的」と主張していましたが、米国の強硬な態度と戦争の危機が増す中で対話に応じる姿勢を見せるようになりました。
3.秘密裏の妥協案
交渉の結果、ソ連はキューバからミサイルを撤去する代わりに、米国も以下の二つの条件を飲む形で合意しました:
・米国がキューバへの侵攻をしないことを確約する。
・トルコに配備していた米国の中距離核ミサイル(ジュピターミサイル)を、後に秘密裏に撤去する(この点は表立っては語られず、後に明らかになりました)。
4.ミサイル撤去と危機の終結
ソ連はキューバからのミサイル撤去を開始し、アメリカもトルコからミサイルを撤去しました。これによって、核戦争の危機は回避され、10月28日にフルシチョフがミサイル撤去を公式に発表してキューバ危機は終息しました。
キューバ危機後の影響
キューバ危機の解消により、米ソ両国は核戦争のリスクを痛感し、核拡散の危機に備えた対策が進むことになりました。その後、「ホットライン」の設置や核実験禁止条約(部分的核実験禁止条約)など、冷戦下の緊張緩和に向けた措置が取られるきっかけとなりました。

この一連の出来事は、双方が「ミサイル撤去」という妥協により自制し、対話によって危機を回避した成功例として、外交の重要性を示しています。

 
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