2024年10月16日
アイデアよもやま話 No.6027 日本が「資源大国」に!?
6月21日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でレアメタルを含む岩石が日本の海で発見されたことについて取り上げていたのでご紹介します。 

日本はこれまでEV、電気自動車やスマートフォンに必要なレアメタルを外国からの輸入に頼ってきました。
そうした中、こちら、持つのが許されたので持っておりますが、日本の海で実際に発見されたレアメタルを含む岩石です。
これ、乾き始めた泥団子みたいな感覚で、ちょっと重たいんですよね。
そして匂いはほぼありません。
こうしたレアメタルが日本に大量にあることが分かったのです。
この発見が日本の産業構造を変えることになりかもしれません。

日本財団と東京大学がなどの研究チームが、6月21日、発表したのが、4月から6月にかけて小笠原諸島の南鳥島周辺で実施した、水深5500mでの調査の結果です。
100ヵ所以上調べたところ、EVなどの蓄電池に使われるコバルトやニッケルを含むマンガンノジュールと呼ばれる岩石が密集している海域を特定しました。
この調査海域に約2.3億トンのマンガンノジュールがあると推計。
そこに含まれると見られるコバルトは日本の使用量の75年分に相当します。
日本財団の笹川陽平会長は次のようにおっしゃっています。
「貴重なレアメタルの含まれた鉱物資源が日本には存在すると。」
「資源大国になれる可能性があると。」

来年からマンガンノジュールを1日数千トン規模で引き上げる大規模な実証実験を計画しています。
その後、2026年以降に協力企業などを集め、商業化を目指します。
東京大学大学院工学系研究科の加藤泰浩教授は次のようにおっしゃっています。
「日本が、ある意味ではこういったものを国産の資源を活用して、産業発展していくことが出来る。」
「そのポテンシャルが非常に高い。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

これまでも日本近海にはレアメタルが存在していると報じられていましたが(参照:アイデアよもやま話 No.4226 沖縄の深海に眠る埋蔵量300兆円の”お宝”!)、遂にコバルトやニッケルを含むマンガンノジュールと呼ばれる岩石が密集している海域が特定されたのです。
なお、この岩石に含まれるコバルトは日本の使用量の75年分に相当するというのです。
ですから、日本も「資源大国」になる見込みが見えてきたのです。
ただし、懸念されるのは、環境的影響、および持続可能な採掘方法です。(添付参照)
ですから、こうした点に配慮して、今後の作業を進めていただきたいと思います。

それにしても来年からマンガンノジュールを1日数千トン規模で引き上げる大規模な実証実験を計画しているといいますが、1日にこれだけ大量の岩石を採取する技術にも驚かされます。


添付)

マンガンノジュールとは?
ChatGPT

マンガンノジュール(manganese nodules)は、海底で見られる鉱石の一種で、特にマンガンを主成分とする球状の塊です。これらは主に水深4,000〜6,000メートルの深海底で見つかり、他の金属も含んでいるため経済的に注目されています。

特徴
・主成分: マンガンノジュールは名前の通りマンガンを主成分としていますが、ニッケル、銅、コバルトなどの貴重な金属も含んでいます。
・形成過程: これらのノジュールは非常にゆっくりとしたペースで形成されます。海水中の金属イオンが長期間かけて沈殿し、岩や化石を核として金属の層が形成されます。

経済的価値
マンガンノジュールに含まれるニッケルやコバルトは、リチウムイオン電池や航空宇宙産業で使われるため、技術革新に欠かせない重要な資源とされています。特に、これらの鉱石を海底から採掘する技術が進展することで、新しい資源としての利用が期待されています。

環境的影響
ただし、海底の鉱物採掘は深刻な環境影響を及ぼす可能性があり、深海の生態系への影響については懸念が強まっています。そのため、国際的な規制や研究が進行中です。

マンガンノジュールは、未来の金属資源供給源としてのポテンシャルが大きい一方で、持続可能な採掘方法の確立が重要視されています。

 
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