6月11日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で広がるフェムテック市場について取り上げていたのでご紹介します。
フェムテック(Femtech)とは女性を表すfemaleと技術(Technology)を掛け合わせた言葉で、月経や更年期など、女性特有の健康課題を技術の力で解決する製品やサービスを指します。
大手企業も次々に参入するなど、広がるフェムテック市場を取材しました。
東京・港区にあるアニヴェルセル 表参道、結婚式場で開かれていた、あるイベント。
フェムテック関連商品の展示会です。
株式会社メニコン ヘルスケア事業部の鈴木奈未さんは次のようにおっしゃっています。
「女性のライフステージに合わせてサプリメントを展開しております。」
冷えやむくみ、不眠症など、女性が悩みがちな症状に応じたサプリメントのシリーズです。
また、住宅設備大手、リクシルが出展していたのが、「SHIN−ON」、お湯をまとうことが出来るシャワーです。
体を360度、包み込むようなシャワー。
まるで湯船に浸かるように体を温めることが出来るといいます。
生理中や出産前後など、湯船に浸かりたくても浸かれない時の使用を想定しています。
リクシル トイレ空間事業部の手原美香さんは次のようにおっしゃっています。
「生理時の扱いや温活などが話題になっているかと思いますので、快適に過ごしていただけるように手助けが出来ればいいかなと思っております。」
他にも肌に優しい天然素材の生理用ナプキンや助産師と共同で開発した、締め付けの無い授乳ブラなどがずらりと並んでいます。
近年、女性の社会進出が進んではいますが、就労状況には、依然男女で大きな差があるのが現状です。
出産や育児といったイベントの他、女性特有の健康不調が壁となっているのです。
月経に伴う症状、6000億円をはじめ、その経済損失は年間3兆4000億円に上るとの試算も。(こちらを参照)
その解決につながると期待されているのがフェムテックなのです。
関心の高まりを背景に、会場には男性の姿も。
ただ、日本でまだ男性や企業の理解が少ないのが課題となっています。
フェムテックジャパンの野口俊英代表は次のようにおっしゃっています。
「フェムテックって言われても、まだピンとこない男性の方が大多数かなと思ってます。」
「女性だけじゃなくて男性がしっかり取り、そこに向けて組むことが大事じゃないかなと思っております。」
広がるフェムテック市場。
こうした中、飲料メーカーのダイドーが新しい自動販売機を投入、その正体は。
観光客で賑わう東京・浅草、人気の一つが浅草の名所を巡る“人力車観光”です。
引き手の大利弥里さん、この仕事を初めて5年のベテランです。
約30分間、浅草の街を走る。
スカイツリーやアサヒビールの本社などを回ります。
人力車の重さは約90kg。
そこに乗客も加わり、最大250kgほどの重さを引っ張って走るのはかなりの重労働ですが、女性の引き手も増えています。
ただ、そこには女性ならではの悩みも。
生理などの時には辛い重労働。
体調が優れない場合には休みが取れるなど、柔軟に対応していますが、休み以外のサポートもしたいと会社は考えてきました。
人力車の観光案内・婚礼・イベント演出・広告宣伝を生業とする東京力車(法人名:株式会社ライズアップ)の西尾竜太社長は次のようにおっしゃっています。
「当日の朝でも休んでいいよと開放はしてるんで、(生理は)周期的なもので来るものなので、そういうのはしっかりこっちが理解しようと。」
この日、この会社を二人の人物が訪ねてきました。
二人はダイドーの社員。
やってきた目的は、この会社に設置している自動販売機の確認ですが・・・。
西尾社長が、この辺りと指さした先にあるのは生理用ナプキン。
実は、この自動販売機、飲料の他、生理用品が買えるのです。
昨年10月、ダイドーが新たなビジネスとしてスタートさせました。
ダイドードリンコ 自販機営業企画部の奥川美優さんは次のようにおっしゃっています。
「自動販売機というツールで社会貢献、女性活躍推進というところで手助け出来ないか。」
「女性の誰しもが悩む課題だというところで、生理用品を入れてみようということになったので。」
この会社では、体の負担のかかる女性の引き手への福利厚生として、この自動販売機の導入を決めたのです。
西尾社長は次のようにおっしゃっています。
「自分の家族や大切な方が働く職場がどうあって欲しいかって考えたら、取り入れる以外に選択肢はないなと。」
この取り組みは現場でも好評です。
引き手の大利さんは次のようにおっしゃっています。
「ここは休憩に来てて、お部屋もすごく涼しくしているので、そのタイミングで備えられてたりして、いいなと思っています。」
「安心して買うことが出来て、安心してつけることが出来て本当にありがたいな。」
浅草全体で見ると、人力車の引き手は9割が男性。
まだまだ男性中心の業界にあって、女性の視点を積極的に取り入れることは人材確保にもつながると期待しています。
西尾社長は次のようにおっしゃっています。
「みんなが働き易い環境、女性に合わせた部分は作っていかないとなっていうのは感じています。」
「そこまで考えているんだといって、もしかしたら自分のご友人を誘って、ここで働いてみたらってのもあったら、そういうのも(人材確保の)チャンスになると思っています。」
フェムテック市場は世界全体で伸びていて、来年には5兆円を超えるとも予測されています。
新たなビジネスチャンスであると同時に、女性活躍にもつながるだけに日本でも関心が増々高まっていきそうです。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
番組の内容を以下にまとめてみました。
(フェムテック市場拡大の背景)
・近年、女性の社会進出が進んではいるが、就労状況には、依然男女で大きな差があるのが現状である
-出産や育児といったイベントの他、女性特有の健康不調が壁となっている
・月経に伴う症状、6000億円をはじめ、その経済損失は年間3兆4000億円に上るとの試算もある
(フェムテック市場の拡大と課題)
・その解決につながると期待されているのがフェムテックである
-フェムテック(Femtech)とは女性を表すfemaleと技術(Technology)を掛け合わせた言葉で、月経や更年期など、女性特有の健康課題を技術の力で解決する製品やサービスを指す
・大手企業も次々に参入するなど、フェムテック市場は広がっている
-フェムテック市場は世界全体で伸びていて、来年には5兆円を超えるとも予測されている
・新たなビジネスチャンスであると同時に、女性の活躍にもつながるだけに日本でも関心が増々高まっていきそうである
・日本でまだ男性や企業の理解が少ないのが課題となっている
(フェムテック市場における企業の取り組み)
コンタクトレンズ大手、メニコン:
・女性のライフステージに合わせてサプリメントを展開している
-冷えやむくみ、不眠症など、女性が悩みがちな症状に応じたサプリメントのシリーズを販売している
住宅設備大手、リクシル:
・「SHIN−ON」、お湯をまとうことが出来るシャワーを販売している
-体を360度、包み込むようなシャワーで、まるで湯船に浸かるように体を温めることが出来るという
-生理中や出産前後など、湯船に浸かりたくても浸かれない時の使用を想定している
・肌に優しい天然素材の生理用ナプキンや助産師と共同で開発した、締め付けの無い授乳ブラなども販売している
飲料メーカー、ダイドー:
・新しい自動販売機を投入している
-飲料の他、生理用品が買える
・東京力車では、体の負担のかかる女性の引き手への福利厚生として、この自動販売機の導入を決めた
要するに、近年、女性の社会進出が進んではいるものの、出産や育児といったイベントの他、女性特有の健康不調が壁となっており、就労状況は、依然男女で大きな差があるのが現状なのです。
また、その経済損失は年間3兆4000億円に上るとの試算もある中、フェムテック市場は世界全体で伸びていて、来年には5兆円を超えるとも予測されているのです。
そうした中、様々な企業がそれぞれハード、ソフトの技術を駆使して新たな商品開発に取り組んでいるというわけです。
今後とも、技術革新により、様々なフェムテック関連商品が誕生してくると見込まれます。
同時に、新しい市場なので、スタートアップも参入してくると期待出来ます。
なお、日本におけるフェムテック市場の企業別シェア、および売り上げ高については添付を参照下さい。
添付)
日本におけるフェムテック市場の企業別シェア、および売り上げ高は?
ChatGPT
日本のフェムテック市場は急速に成長していますが、まだ全体のヘルスケア市場に占める割合は小さいです。2022年の時点で、日本のフェムテック市場規模は約642億円に達しており、2024年には695億円まで成長すると予想されています(Women's Lab)。
主なプレイヤーは、不妊治療、月経ケア、更年期ケアといった分野で活躍しており、例えば、ファミワン(不妊治療相談)、Varinos(子宮内フローラの解析)、TRULY(更年期特化のチャットサービス)などが有名です(note(ノート)))。また、大手企業も市場参入を強化しており、大塚製薬が630億円で女性向け健康食品企業を買収するなどの動きがあります(Women's Lab)。
企業別の売り上げや市場シェアに関しては、詳細なデータは限られていますが、スタートアップと大手企業の双方が競争する中、市場の拡大が続いています。
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