2024年07月21日
No.5952 ちょっと一休み その938 『トランプ前大統領が再選した場合の影響!』
2月1日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でトランプ前大統領が再選すると市場はどうなるかについて取り上げていたのでご紹介します。 

アメリカのマーケットは、経済が強いということで、今、楽観論が広がっていますが、トランプ氏が再び大統領に就任した場合にどうなるかについて、日経ビジネスの編集委員、山川龍雄さんは次のようにおっしゃっています。
「まず、株価については追い風になると見ている人の方が多いですね。」
「前回も大規模減税をやって、かなりトランプラリーが起こって、だいたい4年間通算で、ニューヨークダウで1.5倍ぐらいには上昇させているんですよね。」
「ですから、国際情勢はかなり不透明感強まりますけども、それでもプラスじゃないかということですね。」
「(為替については、)日本としては円高が気になるんですね。」
「そもそもトランプ氏は財政出動が好きです。」
「これはもうドル安円高要因です。」
「それから金融当局に対して、利下げを催促する可能性もあるし、何と言っても前回の就任時に比べて円安がかなり進んでいますから、日本の円安について、トランプ氏は注文を付けるという可能性もあります。」
「(ということは、日本の企業としては円高にも備えておく必要だという指摘に対して、)はい。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・株価については追い風になると見ている人の方が多い
 -前回も大規模減税をやって、4年間通算で、ニュ・ーヨークダウで1.5倍ぐらいには上昇させている
・為替については、財政出動が好きなので、ドル安円高要因になる
・金融当局に対して、利下げを催促する可能性もあり、前回の就任時に比べて円安がかなり進んでいるので、日本の円安について、注文を付けるという可能性もある
・従って、日本の企業としては円高にも備えておく必要がある

なお、7月2日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でその後の市場の動きについて取り上げていたのでご紹介します。 

3月下旬に市場最高値を更新して以来、さえない値動きが続いてきた日経平均株価ですが、7月2日、日本の長期金利が上昇したことを受けて、銀行や保険などの金融株が買われ、日経平均株価は約3ヵ月ぶりに4万円の大台を回復しました。

株価を押し上げた要因の1つがアメリカのトランプ前大統領です。
6月27日に行われたアメリカ大統領選挙のテレビ討論会、終了後の世論調査では67%が「トランプ氏が勝利した」と回答するなど、現職のバイデン氏に対し、トランプ氏が優勢との見方が広がりました。
トランプ氏が大統領に返り咲けば、財政赤字が拡大し、インフレの加速につながるとの懸念からアメリカの国債が売られて、長期金利が上昇したのです。
市場関係者は、この先、市場業績の底堅さが続くようであれば、年末にかけて一段の株高も期待出来るといいます。
こうした状況について、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「アメリカでトランプ減税が延長されて、輸入品の関税もかかるので、値上がりが続くと。」
「このトランプ・インフレがあるので、FRBが利下げに動きにくくなって、高金利が続く。」
「このシナリオがあるために161円台後半まで円安が進んだということですね。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・3月下旬に市場最高値を更新して以来、さえない値動きが続いてきた日経平均株価だが、7月2日、日本の長期金利が上昇したことを受けて、銀行や保険などの金融株が買われ、日経平均株価は約3ヵ月ぶりに4万円の大台を回復した
・株価を押し上げた要因の1つがアメリカのトランプ前大統領である
 -6月27日に行われたアメリカ大統領選挙のテレビ討論会、終了後の世論調査では67%が「トランプ氏が勝利した」と回答するなど、現職のバイデン氏に対し、トランプ氏が優勢との見方が広がった
 -トランプ氏が大統領に返り咲けば、財政赤字が拡大し、インフレの加速につながるとの懸念からアメリカの国債が売られて、長期金利が上昇した
・市場関係者は、この先、市場業績の底堅さが続くようであれば、年末にかけて一段の株高も期待出来るという
・トランプ減税が延長されて、輸入品の関税もかかるので、値上がりが続く
・トランプ・インフレにより、FRBが利下げに動きにくくなって、高金利が続く
・このシナリオがあるため、161円台後半まで円安が進んだ

さて、7月2日(火)付けネット記事(こちらを参照)では以下のように報じています。

・米連邦最高裁は1日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が2020年大統領選の結果を覆そうとした事件をめぐり、大統領在任中の公的行為に関しては免責されるとの判断を示した。
・公的行為に当たるかの審理は連邦地裁に差し戻され、11月の大統領選前に初公判が開かれる公算はほぼなくなったとみられる。
・最高裁判事9人のうち、トランプ氏がかつて任命した3人を含む保守派6人が賛成、リベラル派3人は反対した。
・保守派のジョン・ロバーツ(John Roberts)最高裁長官は多数意見として、大統領といえども「法を超える存在ではない」としながら、在任中の公的行為に関しては刑事訴追の対象にならない「絶対的な免責特権」があると指摘。「大統領は憲法に基づく核となる権限の行使については訴追を免れ得る」と述べた。
・その一方で、「公式でない行為については免責されない」とし、トランプ氏の行為に関して公私の判断を下すよう連邦地裁に求めた。
・トランプ氏も自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「われわれの憲法と民主主義の勝利だ」と歓迎した。
・これに対しリベラル派のソニア・ソトマイヨール(Sonia Sotomayor)最高裁判事は反対意見で、大統領は「海軍の特殊作戦部隊SEALチーム6(SEAL Team 6)に政敵の暗殺を命じても免責されることになる」などとし、「大統領は法を超える王となった」と批判した。

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

記事の内容を以下にまとめてみました。
・米連邦最高裁は7月1日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領が2020年大統領選の結果を覆そうとした事件をめぐり、大統領在任中の公的行為に関しては免責されるとの判断を示した
 -公的行為に当たるかの審理は連邦地裁に差し戻され、11月の大統領選前に初公判が開かれる公算はほぼなくなったとみられる
・保守派のジョン・ロバーツ(John Roberts)最高裁長官は多数意見として、大統領といえども「法を超える存在ではない」としながら、在任中の公的行為に関しては刑事訴追の対象にならない「絶対的な免責特権」があると指摘。「大統領は憲法に基づく核となる権限の行使については訴追を免れ得る」と述べた
・これに対しリベラル派のソニア・ソトマイヨール(Sonia Sotomayor)最高裁判事は反対意見で、大統領は「海軍の特殊作戦部隊SEALチーム6(SEAL Team 6)に政敵の暗殺を命じても免責されることになる」などとし、「大統領は法を超える王となった」と批判した

また、7月2日(火)放送の「キャッチ!世界のトップニュース」(NHK総合テレビ)で、こうしたトランプ氏の勝利の理由について取り上げていたので内容の一部をご紹介します。

1番目は連邦最高裁の意見書の内容です。
「連邦最高裁判所は、大統領に在任中の公務としての行動は免責されるが、公務でないものには免責は適用されない」としました。
そして、特に注目したいのが、「司法省の高官らとの議論を含む行為については完全に免責が適用される」とした部分です。

トランプ氏は、2021年の議会乱入事件で、党委の司法省高官らに「大統領選に不正があったと言ってくれ」と求めたなどと指摘されていて、事件を巡る起訴内容でも重要なポイントです。
しかし、この行為について、連邦最高裁判所が公務の一環として考えられるとして、完全に免責が適用されるとしたことは、トランプ氏が期待していた以上の結果だと言えるのです。

一方、トランプ氏が当時のフェンス副大統領に圧力をかけていたとされる行為については、公務に含まれるとしながらも、推定的に免責が適用されるに留まりました。

また、公でのトランプ氏の発言や声明についても「公務とも大統領候補や共和党のリーダーとしての発言ともとれる」として、明確な判断を示していません。
下級審はこうしたトランプ氏の一つ一つの報道について公務かどうか、つまり免責がされるかどうかを判断していくことになります。

そして、こうして時間が更にかかることになり、議会乱入事件を巡る裁判の初公判が11月の大統領選挙の投票日より前に開かれることは極めて難しくなりました。
これがトランプ氏にとって、審議の差し戻しが“勝利”となる2つ目の理由となります。

トランプ氏は合わせて4つの刑事事件で起訴されていますが、このうち、この議会乱入事件を巡る起訴が最も罪として重く、有権者の投票行動にも影響すると指摘されています。
その裁判が投票日前に始まらないことは、大統領への返り咲きを狙うトランプ氏にとって、追い風となります。

更にアメリカのメディアは、トランプ氏が大統領に返り咲けば、自身が指名する司法長官に起訴の取り下げを命じるという観測を伝えています。
つまり、連邦最高裁判所の差し戻しの判断はトランプ氏にとって願ってもないものなのです。
ただ、そもそも、この判断は連邦最高裁判所の9人の判事が、保守派が6人、リベラル派が3人という、その構成が大きく影響しています。
そして、保守派の6人のうち、3人の判事はトランプ氏が大統領任期中に指名しました。
保守派の判事、ロバート長官は意見書で、大統領は「法を超えない」と述べていました。
しかし、トランプ氏の影響力がアメリカの司法にも見られる中、この言葉には疑問符が付いています。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・トランプ氏は、2021年の議会乱入事件で、党委の司法省高官らに「大統領選に不正があったと言ってくれ」と求めたなどと指摘されていて、事件を巡る起訴内容でも重要なポイントである
・しかし、この行為について、連邦最高裁判所が公務の一環として考えられるとして、完全に免責が適用されるとしたことは、トランプ氏が期待していた以上の結果だと言える
・一方、トランプ氏が当時のフェンス副大統領に圧力をかけていたとされる行為については、公務に含まれるとしながらも、推定的に免責が適用されるに留まった
・トランプ氏は合わせて4つの刑事事件で起訴されているが、このうち、この議会乱入事件を巡る起訴が最も罪として重く、有権者の投票行動にも影響すると指摘されているが、その裁判が投票日前に始まらないことは、大統領への返り咲きを狙うトランプ氏にとって、追い風となる
・更にアメリカのメディアは、トランプ氏が大統領に返り咲けば、自身が指名する司法長官に起訴の取り下げを命じるという観測を伝えている
・つまり、連邦最高裁判所の差し戻しの判断はトランプ氏にとって願ってもないものなのである
ただ、そもそも、この判断は連邦最高裁判所の9人の判事が、保守派が6人、リベラル派が3人という、その構成が大きく影響しています。
・保守派の判事、ロバート長官は意見書で、大統領は「法を超えない」と述べているが、トランプ氏の影響力がアメリカの司法にも見られる中、この言葉には疑問符が付いている

なお、トランプ前大統領を巡る動きはその後も目まぐるしく、7月15日(月)付けネット記事(こちらを参照)では以下のように報じられています。

7月13日夕(日本時間14日朝、)米東部ペンシルベニア州での大統領選の選挙集会で演説していたトランプ前大統領が狙撃された。トランプ氏は右耳を負傷したが命に別条はなかった。聴衆1人が死亡し、2人が重傷を負った。大統領警護隊(シークレットサービス)が容疑者を射殺した。

また、7月16日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でトランプ前大統領を巡る、その後の動きについて取り上げていたのでご紹介します。

7月15日から開かれている共和党大会で、トランプ前大統領は銃撃事件後、初めてサプライズで姿を見せ、健在ぶりをアピールし、正式に大統領候補に指名されました。
そして、選挙戦をともに戦う、その副大統領候補には39歳の若手、J・Ⅾ・バンス上院議員(39歳)が選ばれました。

共和党大会では、事実上の公約となる「政策綱領」が採択されました。
アメリカ第一主義を掲げるトランプ氏の考えが色濃く反映され、エネルギー生産の規制の撤回や不法移民への「史上最大の強制送還措置」などが盛り込まれています。

トランプ氏の再選を意識して、市場も反応。
7月15日、不法移民の取り締まり強化により“収容施設の需要が高まる”との見方から、刑務所を運営するGEOグループなどの株価が値上がりしました。
また、銃規制に反対するトランプ氏の姿勢を踏まえ、銃器メーカー、スミス・アンド・ウェッソン・ブランズの株価が急騰するなど、関連銘柄が上昇しました。

テスラのCEO、イーロン・マスク氏は、銃撃直後にトランプ氏への支持を表明して、トランプ氏の支持団体に毎月約71億円を献金するとの報道も出ています。

そして、副大統領として指名されたJ・Ⅾ・バンス氏上院議員は、2022年の選挙で初当選した若手上院議員で、ベストセラー作家としても知られています。
“アメリカファースト”を掲げ、ウクライナ支援に反対するなど、トランプ氏の政策と多くの面で一致し、更なる支持者固めが期待されています。
バンス氏は、以前(5月)、テレビ東京のインタビューで、日本との関係について、次のようにおっしゃっています。
「日本は世界で最も重要な同盟国の1つだ。」
「同盟国として付き合う国で、依存する国家は必要ない。」
「アメリカに依存し、自らは自立も独立もしないような国は不要だ。」
「私たちは台頭する中国に対抗出来る同盟国のネットワークを構築したい。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・7月15日から開かれている共和党大会で、トランプ前大統領は銃撃事件後、初めてサプライズで姿を見せ、健在ぶりをアピールし、正式に大統領候補に指名された
・そして、選挙戦をともに戦う、その副大統領候補には39歳の若手、J・Ⅾ・バンス上院議員(39歳)が選ばれた
・共和党大会では、事実上の公約となる「政策綱領」が採択された
 -アメリカ第一主義を掲げるトランプ氏の考えが色濃く反映され、エネルギー生産の規制の撤回や不法移民への「史上最大の強制送還措置」などが盛り込まれている
・トランプ氏の再選を意識して、市場も反応した
 -7月15日、不法移民の取り締まり強化により“収容施設の需要が高まる”との見方から、刑務所を運営するGEOグループなどの株価が値上がりした
・銃規制に反対するトランプ氏の姿勢を踏まえ、銃器メーカー、スミス・アンド・ウェッソン・ブランズの株価が急騰するなど、関連銘柄が上昇した
・テスラのCEO、イーロン・マスク氏は、銃撃直後にトランプ氏への支持を表明して、トランプ氏の支持団体に毎月約71億円を献金するとの報道も出ている
・副大統領として指名されたJ・Ⅾ・バンス氏上院議員は、2022年の選挙で初当選した若手上院議員で、ベストセラー作家としても知られている
・“アメリカファースト”を掲げ、ウクライナ支援に反対するなど、トランプ氏の政策と多くの面で一致し、更なる支持者固めが期待されている
・バンス氏は、5月にテレビ東京のインタビューで、日本との関係について、「日本は世界で最も重要な同盟国の1つだ。同盟国として付き合う国で、依存する国家は必要ない。私たちは台頭する中国に対抗出来る同盟国のネットワークを構築したい。」とおっしゃっている

また、7月17日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でトランプ前大統領を巡る、その後の動きについて取り上げていたのでご紹介します。 

円相場は円高ドル安が進んでいます。
外国為替市場では今日、夕方に向けて2円以上急激な円高ドル安が進みました。
トランプ前大統領の円安けん制発言や河野デジタル大臣がインタビューで日銀に利上げを求めたことがきっかけとの見方が出ています。
ドル円相場、現在156円50銭台での値動きとなっています。

その円高の要因の1つがアメリカの大統領選挙です。
トランプ前大統領がアメリカメディアのインタビューで、ドル高について大きな問題だと述べ、ドル高の是正に動く意向を示したことが報じられ、円高ドル安が進みました。
金融市場では、暗殺未遂事件をきっかけにトランプ氏が11月の大統領選挙で再選される可能性が意識され、暗号資産の価格や株価が上昇しています。

共和党の党大会で採択された、事実上の公約となる政策綱領には、「民主党の法外な暗号資産の規制を終わらせる」ことが盛り込まれました。
トランプ氏が再選されれば、暗号資産に関する規制が緩和されるとの思惑が広がり、ビットコインはほぼ4週間ぶりの高値となる65000ドル台まで上昇しています。

トランプ再選の流れは、ニューヨーク格式市場にも。
トランプ氏が減税を公約に掲げることなども追い風にダウ平均株価は16日(現地時間)、4万954ドルと、連日で終値の史上最高値を更新しました。

盛り上がるトランプ再選、今後の選挙情勢について、アメリカの国際政治学者、イアン・ブレマー氏は次のようにおっしゃっています。
「(トランプ氏の勝率は)銃撃前の60〜70%、今は75から80%に上がったといえる。」
「90〜95%にならないのは、選挙まで3ヵ月あり、状況は変化し得るからだ。」

ただ、トランプ氏の発言にはリスクも。
台湾の防衛を巡っては、アメリカメディアのインタビューで「我々は保険会社のようなものだ。台湾は防衛費を払うべきだ。」と発言。(先月インタビューを実施/16日公開)
これを受けて、台湾の半導体メーカー、TSMCの株価は今日(日本時間)3%以上下落しました。

トランプ氏、再選の場合、日本経済にどんな影響があるのか。
インタビューの中で、トランプ氏は「大きな通貨問題を抱えている。強いドルと弱い円、弱い人民元は信じられないほど乖離している。」

この発言をきっかけに、今日、東京外国為替市場では一時、156円台前半をつけ、約1ヵ月ぶりの円高ドル安水準となりました。
しかし、ブレマー氏は今後、ドル安に向く長期的な要因は見当たらないと指摘します。
「アメリカが自国保護のために、日本に関税をかければ、円安圧力になり得る。」
「韓国のウォンでも同じだ。」
「だが、ドル安圧力はかからない。」
(トランプ氏が返り咲いた場合、何が起こるかについて、)日本にとってのメリットはトランプ政権が日本を中国との比較で評価し続けること。」
「中国に対しては一貫してタカ派の政策を取るだろう。」
「日本にとっての問題は、アメリカがより予測不可能になり、気候変動や国連などの組織について、法の支配や多国間主義(複数の国が協力して共通の目標を達成するために、国際的な問題に対処する外交アプローチ)を支持しなくなることだ。」

一方、民主党のバイデン大統領は、銃撃事件の後、見合わせていた選挙活動を再開。
「トランプ氏が嘘をついているので、もう一度言おう。」
「バイデン、ハリス政権下で黒人の失業率は過去最低を記録した。」

ロイター通信が銃撃事件の後、行った世論調査によりますと、共和党のトランプ氏の支持率は43%、民主党のバイデン大統領の支持率は41%で、トランプ氏のリードはわずかとなっています。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組の内容を以下にまとめてみました。
・円相場は円高ドル安が進んでいる
 -トランプ前大統領の円安けん制発言や河野デジタル大臣がインタビューで日銀に利上げを求めたことがきっかけとの見方が出ている
 -ドル円相場、現在156円50銭台での値動きとなっている
・その円高の要因の1つがアメリカの大統領選挙である
 -トランプ前大統領がアメリカメディアのインタビューで、ドル高について大きな問題だと述べ、ドル高の是正に動く意向を示したことが報じられ、円高ドル安が進んだ
・金融市場では、暗殺未遂事件をきっかけにトランプ氏が11月の大統領選挙で再選される可能性が意識され、暗号資産の価格や株価が上昇している
・共和党の党大会で採択された、事実上の公約となる政策綱領には、「民主党の法外な暗号資産の規制を終わらせる」ことが盛り込まれた
 -トランプ氏が再選されれば、暗号資産に関する規制が緩和されるとの思惑が広がり、ビットコインはほぼ4週間ぶりの高値となる65000ドル台まで上昇した
・トランプ再選の流れは、ニューヨーク格式市場にも影響を与えている
 -トランプ氏が減税を公約に掲げることなども追い風にダウ平均株価は16日(現地時間)、4万954ドルと、連日で終値の史上最高値を更新した
・盛り上がるトランプ再選、今後の選挙情勢について、アメリカの国際政治学者、イアン・ブレマー氏は「トランプ氏の勝率は銃撃前の60〜70%、今は75から80%に上がったといえる。」と指摘している
・ただ、トランプ氏の発言にはリスクもある
 -台湾の防衛を巡っては、アメリカメディアのインタビューで「我々は保険会社のようなものだ。台湾は防衛費を払うべきだ。」と発言している(先月インタビューを実施/16日公開)
 -これを受けて、台湾の半導体メーカー、TSMCの株価は今日(日本時間)3%以上下落した
・トランプ氏、再選の場合、日本経済にどんな影響があるのか、インタビューの中で、トランプ氏は「大きな通貨問題を抱えている。強いドルと弱い円、弱い人民元は信じられないほど乖離している。」と発言している
 -この発言をきっかけに、今日、東京外国為替市場では一時、156円台前半をつけ、約1ヵ月ぶりの円高ドル安水準となった
・しかし、ブレマー氏は今後、ドル安に向く長期的な要因は見当たらないと指摘している
 -アメリカが自国保護のために、日本に関税をかければ、円安圧力になり得る
 -だが、ドル安圧力はかからない
・トランプ氏が返り咲いた場合、日本への影響について、ブレマー氏は以下のように指摘している
 -日本にとってのメリットは、トランプ政権が日本を中国との比較で評価し続けることである
 -中国に対しては一貫してタカ派の政策を取るだろう
 -日本にとっての問題は、アメリカがより予測不可能になり、気候変動や国連などの組織について、法の支配や多国間主義を支持しなくなることだ
・一方、民主党のバイデン大統領は、銃撃自演の後、見合わせていた選挙活動を再開し、「トランプ氏が嘘をついているので、もう一度言おう。バイデン、ハリス政権下で黒人の失業率は過去最低を記録した。」と発言している
・ロイター通信が銃撃事件の後、行った世論調査によると、共和党のトランプ氏の支持率は43%、民主党のバイデン大統領の支持率は41%で、トランプ氏のリードはわずかとなっている

そして、7月16日(火)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)で共和党の政策綱領について取り上げていたので、内容の一部をまとめてご紹介します。

共和党大会の初日に採択された、事実上の公約となる共和党の政策綱領は「アメリカ第一主義(アメリカファースト)」が色濃く反映されています。

(外交・安全保障)
・力によって平和を取り戻す
-国際機関を重視せず、2国間関係に重きを置く政策に回帰
・軍の再建、同盟関係の強化
・中国との対抗
・テロ対策など

(エネルギー・環境)
・化石燃料の生産を拡大(“掘って掘りまくれ”)
 -エネルギー価格の大幅な引き下げ
・EV普及策の廃止
-アメリカの自動車産業の再興

(通商政策)
・アメリカの労働者、農家、産業を守る強固な計画を提示
-輸入製品に一律で関税
-貿易赤字を是正

この通商政策について、トランプ、バイデン両政権で通商代表部の交渉官を務めたデビッド・ボーリング氏は次のようにおっしゃっています。
「トランプ政権の2期目が実現すれば、関税に焦点が置かれるだろう。」
「トランプ氏は関税が好きで、貿易赤字が嫌いだ。」
「貿易赤字は相手国に利用されることだと考えている。」
「(そのうえで日本や中国に対しては、)バイデン政権は日本の鉄鋼への関税は撤廃したが、トランプ政権は再び課すかもしれない。」
「自動車への関税も課す可能性もある。」
「中国への関税は引き上げるだろう。」
「アメリカ経済を中国経済から切り離したいのだろう。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

そして、7月18日(金)放送の「ニュース7」(NHK総合テレビ)でトランプ前大統領を巡る、その後の動きについて取り上げていたのでご紹介します。

銃撃事件後、初めて公の場で演説したトランプ前大統領、“アメリカ全体のための大統領”になると団結を呼びかけ大統領候補への指名を受諾しました。
ただ、演説で多くの時間を割いたのは、バイデン候補への批判でした。
共和党大会の最終日(18日)、ホワイトハウスの映像の前に立ったトランプ前大統領は次のように演説しました。
「アメリカの半分ではなく、全体のための大統領になろうと立候補した。」
「大統領候補への指名を誇りを持って受諾する。」

銃撃事件の後、演説の内容を大幅に書き換えたというトランプ氏、繰り返し訴えたのは国民の「団結」と「分断」を修復する必要性でした。
「暗殺者の弾丸は、あと数ミリで私の命を奪うところだった。」
「凶悪な攻撃があったが、今夜、私たちはかつてないほどの決意で団結する。」

このように演説は抑制的なトーンで始まりましたが。
「史上最悪な大統領を10人足してもバイデンが与えたダメージには及ばない。」

次第に熱を帯び、バイデン政権や与党、民主党への批判に多くの時間を割きました。

ニューヨークタイムズは「トランプ氏は団結を約束したあと、攻撃に転じた」と伝えた一方、ワシントンポストは「政敵への嫌悪感といった、いつもの視点を団結を目指す態度で包み込んだ」と分析しました。

一方、民主党のバイデン大統領は、新型コロナ検査で陽性になり、自主隔離を続けています。
アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは18日、オバマ元大統領が周囲に対し、「バイデン氏が勝てる可能性は極めて低くなり、本人は真剣に検討する必要がある。」と話していたと報道。
更に、ぺロス元下院議長は「バイデン氏が近く説得に応じ、撤退を決断する可能性がある」という見方を示したと伝えています。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

こうして、いくつかの報道内容の一部をご紹介してきましたが、あらためて思うのは、11月に予定されているアメリカ大統領選挙を巡る目まぐるしい動きです。
そうした中、トランプ前大統領の暗殺未遂という衝撃的な事件が起きたので、トランプ前大統領再選の可能性が多少なりとも高まっています。
こうした中、テレビのニュース番組を見ていて、気になるのはトランプ前大統領の演説を聴いている聴衆の熱狂的な様子です。
まるでトランプ前大統領を偶像化し、どこまでトランプ前大統領の進めようとしている政策を理解したうえで、支持しているのかということです。

以下にこうしたトランプ前大統領が再選した場合の政策について、私の見解をお伝えします。

(“アメリカファースト”)
何事においても、アメリカの利益を最優先に考えるという方針ですが、世界一の超大国が自国のことを最優先に考えるということは、現代版の“弱肉強食”主義と言えます。
まさにアイデアよもやま話 No.5947 人類は本来平和的 その1 人間の本性とは何か!でお伝えした、私たち人間と近い過去に共通の祖先を持っているゴリラが暴力的な動物ではなく、平和を好み、しかも民主的な暮らしをしていたという知恵に反する考え方です。
こうしたゴリラに劣るような考え方を持ったトランプ氏をアメリカの半数ほどの国民が支持しているということをこうしたアメリカ国民は自問自答すべきなのです。

(ウクライナ支援に反対)
これまで何度となく、お伝えしてきたように、ロシアによるウクライナ侵攻がロシアのプーチン大統領の満足のいくかたちで終息するようなことになれば、ロシアによる更なる周辺国への侵攻を許すことになってしまいます。
更に、中国の習近平国家主席による軍事的な台湾侵攻阻止のハードル下げることになってしまいます。
そして、軍事的な台湾が成功すれば、習近平国家主席は更に尖閣諸島や南シナ海の島々の実効支配を進めてしまいます。
それ以前に、軍事的な台湾侵攻に対して、アイデアよもやま話 No.5945 中国が台湾侵攻なら米軍が無人兵器展開!でお伝えしたようにアメリカ軍が中国軍と戦闘状態になれば、第三次世界大戦を引き起こすことになりかねません。

(力による平和の維持)
国際機関を重視せず、2国間関係に重きを置く政策に回帰するといいますが、国連の常任理事国、アメリカ合衆国、ロシア連邦、イギリス、フランス、中国の5ヵ国のうちロシア、中国の覇権主義国はともかく、民主主義国家陣営をリードするアメリカが国連憲章を無視して力に依存し、2国間関係に重きを置く政策に回帰するというのは基本的に中国の習近平国家主席と同様の考え方です。

(逆行するエネルギー・環境政策)
化石燃料の生産を拡大し、国内の雇用を図ろうとしています。
また、EV普及策を廃止し、ガソリン車の生産拡大によるアメリカの自動車産業の再興を図ろうとしています。
化石燃料、およびガソリン車の生産拡大は“脱CO2”の流れに逆行します。
そもそも地球温暖化に懐疑的で、2017年6月、当時のトランプ政権はパリ協定からの脱退を発表したのです。
今や、世界各国で地球温暖化によると見られる、異常気象や気温の上昇により巨大台風や集中豪雨が発生しており、膨大な被害が起きています。
そして、更なる気温上昇は更なる被害を世界中にもたらすことになるのです。
日本も例外ではありません。
トランプ大統領が進めようとしている、こうしたエネルギー・環境政策を理解しただけでも、トランプ大統領の再選は絶対に阻止すべきなのです。

(米連邦最高裁によるおかしな判断)
米連邦最高裁は7月1日、トランプ前大統領が2020年大統領選の結果を覆そうとした事件を巡り、大統領在任中の公的行為に関しては免責されるとの判断を示したのです。
更にアメリカのメディアは、トランプ氏が大統領に返り咲けば、自身が指名する司法長官に起訴の取り下げを命じるという観測を伝えています。
要するに、大統領在任中に公的行為として認められれば、大統領がどんなことをしても免責されるのです。
しかも、連邦最高裁判所の9人の判事は、保守派が6人、リベラル派が3人という構成なのですから、当然、トランプ前大統領が再選されれば、連邦最高裁判所の判断はトランプ大統領に有利な判断がなされてしまいます。
ですから、連邦最高裁判所を巡る今の仕組みもトランプ前大統領の横暴を許すことにつながっているのです。
こうした今のアメリカの大統領を巡る仕組みは、独裁政権国家である中国やロシア以上の権限を国家の指導者に与えているのではないでしょうか。
今のアメリカは、真の民主主義国家として致命的な欠陥を持っていると言わざるを得ません。
ですから、トランプ前大統領のみならず、トランプ前大統領を支持している半数ほどのアメリカ国民は民主主義国家の本質、あるいは地球温暖化の進行による被害の大きさ、そしてトランプ前大統領はその被害を更に拡大しようとしていることに目覚めるべきなのです。

要するに、こうした仕組みの中で、トランプ前大統領が再選を果たした場合、地球規模の問題に正面から向き合うことなく、“アメリカファースト”で、短期的なスパンでアメリカにもたらすメリットが最大限になるような観点で政策を遂行しようとしているのです。
ですから、このような人物は、特に世界各国をリードする立場にある大国の指導者として相応しくないのです。

一方、民主党のバイデン大統領は、大統領選の選挙活動で大事な時期に新型コロナ検査で陽性になり、自主隔離を続けており、今の状況では大統領選では勝ち目がないというのが大方の見方です。
そうした中、オバマ元大統領やぺロス元下院議長などはバイデン大統領に大統領選候補から撤退するよう決断を求めています。
こうした時こそ、若返りを図り、せめて50歳台の有能でバランス感覚のある国会議員が大統領選候補に指名されて、何をしでかすか分からないようなトランプ候補に立ち向かっていただきたいと思います。
そして、アメリカを真の民主主義国家であることを体現し、“アメリカファースト”ではなく、ゴリラの社会と同様に、“Win−Win”、“共存共栄”で満たされた、平和な国際社会を実現していただきたいと思います。

 
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