2023年07月13日
アイデアよもやま話 No.5632 新たな冷凍乾燥技術!
3月30日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で新たな冷凍乾燥技術について取り上げていたのでご紹介します。 

パナソニック株式会社くらし事業本部_くらしアプライアンス社の松山真衣さんは新商品発表会の場で次のようにおっしゃっています。
「冷凍技術の更なる可能性を追求しまして、新しい食品を生み出す乾燥技術に用いるというところにチャレンジしてまいりました。」

パナソニックは京都大学と共同開発した新たな冷凍乾燥技術を3月30日に発表しました。
その技術で乾燥させたのがイチゴやパイナップル、一般的な熱風乾燥のものと比べると色が鮮やかなままです。
触ってみると少し柔らかいのも特徴です。
香りを比べてみると、冷凍乾燥したイチゴは口から少し離れても匂うし、その味は生のイチゴと遜色ないほどです。
冷凍乾燥させたこのイチゴ、香りや味だけでなく、ビタミンCが熱風乾燥させたイチゴの4倍あることも分かりました。
いったいどんな仕組みなのでしょうか?

まず冷凍室に食材を入れて、食材の細胞の中にある水分を凍結させます。
その後、乾いた冷気を当てて水分を蒸発させ、乾燥させます。
冷気の温度などを独自技術で制御することで水分を少し残して乾燥させることが出来、味などの変化を抑えられるといいます。
イチゴの場合、この乾燥技術を使うことで約1ヵ月常温で保存することが可能になります。
更に雑炊など、水分の多い料理も冷凍乾燥が可能になります。
現在は試作段階ですが、今後、この技術を組み込んだ冷蔵庫や冷凍庫を家庭用、業務用として発売することを検討しています。
松山さんは次のようにおっしゃっています。
「価値のある食材だけれど廃棄されているという現状がまだ世の中にあると思っておりまして、新しい保存食技術としてフードロス削減に貢献出来れば・・・」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

そもそも一部の冷凍食品は何十年も前から市販化されていました。
そして冷凍技術の進歩により、今では以下のように多くの種類の冷凍食品が販売されているのです。

アイデアよもやま話 No.5276 デパ地下食品を丸ごと冷凍食品化!

アイデアよもやま話 No.5533 食品革命をもたらす「冷凍グルメ」!

今回、発表された冷凍乾燥技術はこうした流れの中に開発されたのだと思います。
この技術の特徴を以下にまとめてみました。
・この技術で乾燥させたイチゴやパイナップルは一般的な熱風乾燥のものと比べると色が鮮やかなままである
・触ってみると少し柔らかい
・香りは口から少し離れても匂い、その味は生のイチゴと遜色ないほどである
・冷凍乾燥させたイチゴはビタミンCが熱風乾燥させたイチゴの4倍もある
・イチゴの場合、この乾燥技術を使うことで約1ヵ月常温で保存出来る
・更に雑炊など、水分の多い料理も冷凍乾燥が出来る
・その仕組みは以下の通りである
 -冷凍室に食材を入れて、食材の細胞の中にある水分を凍結させる
 -その後、乾いた冷気を当てて水分を蒸発させ、乾燥させる
 -冷気の温度などを独自技術で制御することで水分を少し残して乾燥させることが出来、味などの変化を抑えられる
・現在は試作段階だが、今後、この技術を組み込んだ冷蔵庫や冷凍庫を家庭用、業務用として発売することを検討している

さて、ここでこうした冷凍技術の備えるべき要件を以下にまとめてみました。
・より多くの食品を対象に出来る
・美味しさを維持出来る
・賞味期限が伸びる
・業務用だけでなく家庭用の冷凍庫も提供する
・手頃な価格である

ということで、こうした急速冷凍技術の活用は恐らく冷蔵庫業界、あるいは冷凍庫業界のニューフロンティアとして国内外で新たな需要を生み出すと期待出来ます。
しかも松山さんも指摘されているように急速冷技術はフードロスの削減対策としてもとても有効なのです。

 
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