2023年05月18日
アイデアよもやま話 No.5584 気球など飛来時の撃墜要件の緩和へ!
アイデアよもやま話 No.5579 米中関係の新たな火種となった偵察気球!でアメリカの本土上空に現れた中国の偵察気球についてお伝えしました。
そうした中、2月15日(水)付けネット記事(こちらを参照)で日本の上空で目撃された気球型の飛行物体について以下のように報じています。

・防衛省は14日夜、過去に日本の上空で目撃された気球型の飛行物体について、「中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定される」と発表しました。
・防衛省によりますと、気球型の飛行物体は、国内では、
▽2019年11月に鹿児島県薩摩川内市などで、
▽2020年6月に仙台市などで
▽2021年9月に青森県八戸市などで確認されているほか、
▽2022年1月には海上自衛隊の哨戒機が九州西方の公海上で所属不明の気球を確認していたということです。
・防衛省は、外交ルートを通じて、中国政府に対して、事実関係の確認を求め、今後このような事態が生じないよう強く求めるとともに、外国の無人偵察用気球などによる領空侵犯は断じて受け入れられないことを申し入れたということです。
・防衛省は「気球であっても、わが国の許可なく領空に侵入すれば、領空侵犯となることから、今後とも、外国政府の無人偵察用気球を含め、気球に対して、これまで以上に情報収集・警戒監視に努めていく」としています。

以上、記事の内容の一部をご紹介してきました。

また2月15日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で日本国内における気球など飛来時の撃墜要件の緩和について取り上げていたのでご紹介します。 

気球などが飛来した場合、撃ち落とせるように武器の使用条件の緩和を検討していることが分かりました。
自民党の小野寺安全保障調査会長は次のようにおっしゃっています。
「我が国の防衛にとって大きな穴があるのではないか、そのような心配をもたらす事例だと思います。」

中国の偵察用気球と見られる物体が日本上空を飛行していた事態を受け、自民党内からは政府の対応に懸念の声があがりました。
外国の気球などが日本の上空に侵入した場合、武器の使用はこれまで正当防衛などに限られていましたが、防衛省はこのルールを見直す方針を自民党側に示しました。
中国政府に対し、政府として松野官房長官は次のようにおっしゃっています。
「外国の無人偵察用気球などによる領空侵犯は断じて受け入れられない旨申し入れました。」

一方、中国外務省は「確かな証拠もないまま中国を攻撃している」と反発しています。

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、2月17日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でも同じテーマについて取り上げていたのでご紹介します。 

日本でも気球を撃墜出来る法整備の議論が浮上していますが、解説キャスターで日本経済新聞論説主幹の原田亮介さんは次のようにおっしゃっています。
「偵察気球はまだよく分かってないんですよね。」
「通信傍受が狙いというけど、どういう性能なのか。」
「だから、まず撃墜ということではなくて、性能や中国の狙いを把握する。」
「それから、気球や、あるいはドローンも含めて国際ルールがないわけですから、その必要性について日本が働きかけるということが大事じゃないでしょうか。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

これらの内容を以下にまとめてみました。
・これまで2019年から2022年にかけて4回、日本各地の上空で「中国が飛行させた無人偵察用気球であると強く推定される」気球型の飛行物体が目撃された
・防衛省は、外交ルートを通じて、中国政府に対して、事実関係の確認を求め、今後このような事態が生じないよう強く求めるとともに、外国の無人偵察用気球などによる領空侵犯は断じて受け入れられないことを申し入れた
・防衛省は「気球であっても、わが国の許可なく領空に侵入すれば、領空侵犯となることから、今後とも、外国政府の無人偵察用気球を含め、気球に対して、これまで以上に情報収集・警戒監視に努めていく」としている
・外国の気球などが日本の上空に侵入した場合、武器の使用はこれまで正当防衛などに限られていたが、防衛省はこのルールを見直す方針を自民党側に示した
・中国政府に対し、政府としても「外国の無人偵察用気球などによる領空侵犯は断じて受け入れられない旨申し入れた
・一方、中国外務省は「確かな証拠もないまま中国を攻撃している」と反発している

こうしてみると、まず思うのは日本政府、あるいは防衛省の国家安全保障の観点からの危機意識の欠如です。
まさに“平和ボケ”と言わざるを得ません。
本来であれば、2019年11月に鹿児島県薩摩川内市などで飛行物体が発見された時に中国政府に自国で飛ばしたものかどうかを確認し、その結果次第で原田さんも指摘されているように、その狙いや性能を確認すべきだったのです。
ところが、冒頭でお伝えしたようにアメリカの本土上空に現れた中国の偵察気球の撃墜事件があって、初めて政府や防衛省は今回お伝えしたような動きを見せたのです。

ということで、政府や防衛省にはアメリカの動きに追随するのではなく、独立国家として主体的、かつ真剣に国家安全保障に取り組んでいただきたいと願います。

なお、原田さんは気球やドローンなどの国際ルールがないと指摘されておりますが、ChatGPTによれば、実際には国際ルールはあるようです。(添付参照)

添付)

気球やドローンなどによる領空侵犯の有無
ChatGPT
気球やドローンなどの飛行機材が領空を侵犯することは、国際法で禁止されています。
国際法において、領空は、国家主権の下にある空間であり、国家は自らの領空を保護し、他国に侵犯されることを禁止しています。気球やドローンなどの飛行機材が、他国の領空を侵犯した場合、国際法に違反することになります。
領空侵犯は、国家間の緊張関係や軍事的な衝突を引き起こすことがあり、深刻な外交問題となることもあります。そのため、各国政府は、領空侵犯を防止するための法的措置や防衛措置を講じています。例えば、各国は、領空の警備や防衛を目的とした航空自衛隊を編成しており、また、ドローンの監視や防衛システムの開発にも注力しています。
気球やドローンを運用する際には、国際ルールや各国の法律・規制を遵守することが重要であり、他国の領空を侵犯しないよう注意する必要があります。

 
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