2023年05月16日
アイデアよもやま話 No.5582 SDGs達成に多大な貢献が期待出来る就活サイト「エシカル就活」 その2 大企業にも広がりつつある「エシカル就活」の利用!
国連が掲げているSDGs、持続可能な開発目標については、これまでアイデアよもやま話 No.5576 SDGsの達成 その2 SDGsとビジネスは両立出来るか!などで何度となくお伝えしてきました。
そうした中、2月3日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で就活サイト「エシカル就活」について取り上げていたので3回にわたってご紹介します。
2回目は、大企業にも広がりつつある「エシカル就活」の利用についてです。
なお、1回目はアイデアよもやま話 No.5578 SDGs達成に多大な貢献が期待出来る就活サイト「エシカル就活」 その1 「エシカル就活」とは・・・でした。

「エシカル就活」の利用は大企業にも広がっています。
その裏には激変する環境の中で、企業の存続を賭けた人材獲得戦略がありました。
間もなく就活シーズン突入、大企業も動き出します。
株式会社丸井グループの青井浩社長は次のようにおっしゃっています。
「そういったビジネスを行っていないところというのは優秀な人材が来ていただけないです。」

今、選ばれる企業に必要なこととは何でしょうか。
4月に就職予定の田崎菜津美さん、大学では女性がキャリアを積むことが難しい社会を変えようと活動をしてきました。
そんな田崎さんに白羽の矢を立てたのがファッションビルなどを運営する丸井グループ、4月から社員として迎えることになりました。
丸井が田崎さんと出会ったのはエシカル就活、およそ40人の内定者のうち、4人をエシカル就活を通じて採用しました。
丸井グループ 採用課の水本優さんは次のようにおっしゃっています。
「「丸井=商業施設・ショッピングセンター」というイメージがまだまだ根強く、従来の就職サイトですと「業界・業種」軸、セグメント(の検索)になっていて、やはり「丸井=社会課題解決のビジネスをやっている会社」だというのが中々伝えられなかったというところが、私たち歯がゆい想いでございました。」

社会課題の解決を志す人材獲得のため、「エシカル就活」を活用する丸井、運営する株式会社アレスグッドへの出資まで行い(昨年7月)、関係を強化しました。
ビジネスとSDGsの両立を加速させようとしているのです。
一部店舗では既に使用する電力を100%再生可能エネルギーにするなど、環境負荷に対応しています。
また、収益の柱となっている株式会社エポスカードの山岡さおりさんは次のようにおっしゃっています。
「廃棄プラスチックを使うことでCO2を9.8g分削減の効果があります。」

更にシェアハウス事業にも進出、若者に低価格の住まいを提供するなど、社会貢献事業を始めています。
社会に貢献出来ない企業に未来は無いと考えている丸井グループの青井社長、そのためにも社会課題に関心を寄せるZ世代の力が必要だと感じています。
「環境問題に対する切迫感、危機感が世界中で高まっている背景もありますし、特にZ世代をはじめとする若い人たちと一緒にビジネスをすることで、より良い未来をつくっていくことをとても重視しています。」
「ですのでZ世代は私たちにとってはとても大事なパートナー。」
「そういったビジネスを行っていないところは優秀な人材が来ていただけないです。」

今や人材確保のためにも求められる企業の社会貢献、そこに成長のカギがあると、Z世代の新たな力に期待を寄せます。
「社会課題の解決と収益が両立し始めた領域もあるんですけども、まだまだ未開拓。」
「領域を開拓してもらうことを一番期待したいことだと思います。」

そして大企業も安心できない人材獲得競争に異変が起きています。
アレスグッドの社長、勝見仁泰さんは次のようにおっしゃっています。
「(丸井グループの青井社長はSDGsを含め、やりがいを提供出来ないと優秀な人材が来ないという、随分危機感を持っていらっしゃいましたが、そういう時代になっているのかという問いに対して、)まさに脅威だと思っておりまして、ああいった企業が人材というところに対して、獲られてしまっているというのが既に起きていて、実際、我々のサービスを使ってくれている企業さんでも通常の売上とかでは業界2番手なんですけれども、業界1番手のところから内定が出ている学生さんを採用することが出来たと。」
「要はサステナビリティの取り組みの進捗度合いによって、学生に対していい訴求が出来て、売り上げ以外の文脈で学生さんに魅力を付けて採用することが出来た。」
「こういう事例が出来ると、今度は業界1番手の企業さんも変わらなきゃいけない、こういうようなうねりになっていますね。」
「(SDGsというところで、学生さんが判断をしたということで、そうなると企業のカギを握るのはこれからSDGs、そこにどう力を入れてアピール出来るかというところになることについて、)そうですね。」
「この動きは実は既に金融市場で起きていて、いわゆるESG投資(参照:プロジェクト管理と日常生活 No.531 『世界のビジネス界で影響を増す地球温暖化対策 その2 国際的な取り組み!』)、SDGsに近い言葉ですけども、そういったサステナビリティに対する取り組みをしている企業に融資、投資が世界中の投資家から集まってくると。」
「我々、このエシカル就活というのはこの人材バージョンであると思っていると。」
「なので、そういったサステナビリティの取り組みをしないと、良い人材、企業もヒト・モノ・カネのヒトが集まらないっていうような動きになっているんじゃないかなと思っています。」
「(ですから企業も変わっていかなければいけないでしょうけれども、海外の動きについて、)アメリカでいうとテック企業のレイオフがあるんですけども、長期的な目線で見ると、アメリカの方がこういったサステナビリティとか企業のパーパス(目的・目標や存在意義などのことで、企業の社会的価値観を示す言葉)、こういったものに対しての意識が、求職者の方、すごく高まっているんですよね。」
「(具体的にどういったところから分かるのかという問いに対して、)実際に我々もアメリカに事業展開しているんですけども、それでいうと、学生さん、特にZ世代の方々の企業を見る目線が、今までもらえる給料や福利厚生だけで企業を見てたんですけども、そこから更にこの企業は何を持って、このテクノロジーを使っているんだろうかというホワイの部分、ここに対してZ世代、特にアメリカ、ヨーロッパに対しては非常に注目しているというふうに感じますね。」

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

番組を通して「エシカル就活」を積極的に活用している丸井の取り組みを以下にまとめてみました。
・およそ40人の内定者のうち、4人をエシカル就活を通じて採用した
・「丸井=商業施設・ショッピングセンター」というイメージがまだまだ根強く、「丸井=社会課題解決のビジネスをやっている会社」であることがこれまで中々伝えられなかった中で、社会課題の解決を志す人材獲得のため、エシカル就活を活用している
・エシカル就活を運営するアレスグッドへの出資まで行い(昨年7月)、関係を強化し、ビジネスとSDGsの両立を加速させようとしている
・一部店舗では既に使用する電力を100%再生可能エネルギーにするなど、環境負荷に対応している
・更にシェアハウス事業にも進出、若者に低価格の住まいを提供するなど、社会貢献事業を始めている
・社会に貢献出来ない企業に未来は無いと考えている丸井グループの青井社長は以下のように考えている
-社会課題に関心を寄せるZ世代の力が必要であり、Z世代はとても大事なパートナーである
-社会課題の解決と収益が両立し始めた領域もあるが、まだまだ未開拓で、Z世代には新たな領域を開拓してもらうことを一番期待したい

また、アレスグッドの社長、勝見さんの考えを以下にまとめてみました。
・大企業も安心出来ない人材獲得競争に異変が起きている
・エシカル就活を通して、SDGsに積極的に取り組んでいる業界2番手の企業が業界1番手のところから内定が出ている学生を採用出来たという事例がある
・こういう事例が出来ると、今度は業界1番手の企業も変わらざるを得ないというようなうねりになってくる
・こうした動きは既に金融市場で起きており、ESG投資といった、SDGsへの取り組みをしている企業への融資、投資が世界中の投資家で起きている
・エシカル就活はESG投資の人材バージョンである

そもそも丸井といえば、モダンなファッションを取り扱う小売業というイメージを持っていましたが、今や「丸井=社会課題解決のビジネスをやっている会社」というように変容していることは知りませんでした。
しかし、こうしてみると、「エシカル就活」を運営するアレスグッドへの出資をしたり、内定者のうち、4人を「エシカル就活」を通じて採用したり、一部店舗では既に使用する電力を100%再生可能エネルギーにしたり、といったように、番組を通して、丸井グループのSDGsに取り組む真剣さが伝わってきます。
また、シェアハウス事業にも進出、社会貢献事業も始めているというのです。
そして、こうした今後の事業展開において、Z世代には新たな領域を開拓してもらうことを一番期待したいと丸井グループは考えているのです。
ですから、今後、SDGsの達成を目指して、丸井グループはいろいろと新たな事業展開に取り組んでいくと思われます。

1回目でもお伝えしたように、今やSDGsを軸に企業も事業のあり方を大きく変容させようとする動きが徐々に増えてきているのです。
ですから、よりSDGsに関心の高い人材獲得を目指すうえで、企業規模に係わらず、「エシカル就活」のようなサイトは今後ともユーザー数の増加が見込まれます。

なお、こうした動きはESG投資と言われるように投資家の間でもSDGsを軸に既に投資基準が変わりつつあるのです。
ですから、SDGsを軸に、今や、企業、就活生、投資家はそれぞれの立場で変容を遂げる流れが徐々に広がり、かつスピードを増していると言えます。

 
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