2023年05月07日
No.5574 ちょっと一休み その875 『“緩慢”だった侍ナインを引き締めた大谷選手のスピーチ』
No.5556 ちょっと一休み その872 『今やスポーツアニメのヒーローを超えた大谷翔平選手!』で大谷選手のスーパーヒーローぶりをお伝えしました。
そうした中、4月21日(金)付けネット記事(こちらを参照)で“緩慢”だった侍ナインを引き締めた大谷選手のスピーチについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。

・去る3月21日に敵地マイアミで行なわれたアメリカ代表とのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝を前に、メジャーリーガーたちの恐ろしさを熟知する28歳の大谷翔平選手は日本代表の選手たちを鼓舞すべく次の言葉を発しました。

「僕から一個だけ。憧れるのをやめましょう」
「ファーストにゴールドシュミットがいたり、センターを見ればマイク・トラウトがいるし、外野にはムーキー・ベッツがいたり、野球をやっていたら誰しも聞いたことがあるような選手たちがいると思う。でも憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。」

・このアメリカ戦で1イニングを2奪三振でピシャリと抑えた20歳の高橋宏斗(中日)の言葉を借りれば、この時の侍ジャパンは「あの一言がなかったら気持ちで負けたまま」だった。
・米メディア『Jomboy Media』のクリス・ローズ氏がMCを務める人気ポッドキャスト番組「The Chris Rose Rotation」に出演したラーズ・ヌートバー(セントルイス・カーディナルス)は、試合前のナインの雰囲気について「あえて話題にしなかったんだけど、少し緩い感じがあったんだ。『アメリカの打線はえげつないから、とりあえずやってみて考えよう』って感じでね。そんな時にショウヘイがあのスピーチをしたんだ」と振り返った。
・「ハッとした。僕らは、彼ら(アメリカ代表のメジャーリーガー)を、いつのまにか尊敬の眼差しで見ていることを気づかされたよ。ハッキリ言ってショウヘイは彼ら(メジャーリーガー)より上手い。簡単に言うと、多くの選手に『ショウヘイが言ってるんだから、俺たちにもやれるに決まっている』という自信を与えてくれたと思う」
・伝説となった名スピーチの舞台裏を明かしたヌートバー。ともすれば、緩慢な空気を引き締めた大谷を次のようにも評している。

「ショウヘイは常に謙虚な男だ。だけど、誤解してはいけないんだ。時にはチームや仲間に喝を入れたり、競争心をかき立てることもできるんだ。内なる闘争心を持っているんだよ。『俺はお前よりいい選手だ』という感じで自信を持っている。それって簡単じゃないし、とてつもないことだと僕は思う」
・侍ジャパンにとって14年ぶりの3度目のWBC制覇。この栄光の立役者は、やはり大谷だったと言っていいだろう。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

記事を通して感じるのは、強豪選手の集まったアメリカ代表チームとの決勝戦を前にして弱気な日本代表選手たちの気持ちです。
そうした選手たちの内心を察していた大谷選手は「彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう」と選手たちの頭の上に重くのしかかっている“弱い心”、重圧を払いのけ、勝つことだけに専念するように仕向けたのです。
そして、大谷選手が言っているのだから、全力を出せば勝てるという自信を持たせたのです。
勿論、日本代表選手に選ばれたほどの選手たちなので、それ相応の実力は兼ね備えているわけですが、こうしたスピーチも功を奏して、日本代表はアメリカとの決勝戦を制し、見事、侍ジャパンにとって14年ぶりの3度目のWBCを制覇したのです。
ここで忘れてならないのは、大谷選手の勝利に向けた、随所で見せた気迫です。
この気迫も他の日本代表選手の勝利に賭ける想いをかき立てたはずです。

ここで思い出されるのは指導者に必須のリーダーシップとプラス思考です。(参照:No.1092 ちょっと一休み その155 『今こそ求められる指導者のリーダーシップとプラス思考!』

冒頭で、今や、大谷選手はスポーツアニメのヒーローを超えた存在であるとお伝えしましたが、優れた指導者の資質も兼ね備えているのです。
更にWBC後も連日のように報道されている大谷選手の一挙手一投足からは、一人の人間としての魅力が溢れているように思います。

なお、順天堂大学スポーツ健康科学部先任准教授の谷本道哉さんは、大谷選手の肉体は「別次元の宇宙人」、「スポーツ科学の常識からは考えられない」とおっしゃっています。(こちらを参照)
ネット上では他にも同様の記事が散見されます。

ということで、大谷選手は様々な面で稀に見る超一流の長所を持った野球選手で、しかも投打の二刀流で活躍し、更に指導者としての資質も兼ね備えており、間違いなく、野球界の歴史に名が残る人物と言えます。

更に国内外の世代を超えた野球ファンの人たちの心を虜にしており、多くの日本人に勇気と誇りを与えてくれています。
まさに“日本の至宝”と言える存在です。
是非、こうした大谷選手にはこれからも“未知への挑戦”に挑み続けていただきたいと思います。

 
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