2023年05月05日
アイデアよもやま話 No.5573 犯罪にも使われるメッセージ”暗号化”アプリ!
1月31日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で について取り上げていたのでその一部をご紹介します。 

全国で相次ぐ強盗事件ですが、こうした犯罪の情報のやり取りに使われているのが通信アプリ、最近は新しい傾向が生まれているようです。
強盗の内情を知るA氏は次のようにおっしゃっています。
「今、「テレグラム」は解析されちゃうとだいぶ前に聞いたので、「シグナル」はまだ平気じゃないかというところで「シグナル」使ってます。」

その「シグナル」について、ITジャーナリスト、三上洋さんは次のようにおっしゃっています。
「全てのメッセージでエンドツーエンドの暗号化、AさんとBさん、それぞれの端末でしか解けませんというかたちの暗号化なんです。」
「もし運営会社が記録を見たとしても内容は一切分からないという高度な暗号化です。」

更にこのアプリでは一定時間が経過するとメッセージが消える仕組みになっています。
全てのメッセージで「暗号化」、「自動消去」が出来るため、情報の秘匿性が高いとされます。
こうした暗号技術を使ったメッセージアプリが注目されるきっかけとなったのがロシアのウクライナ侵攻です。
ロシア政府の検閲への懸念などから「シークレットチャット」という機能が使える「テレグラム」の利用者が急増しました。
ウクライナのゼレンスキー大統領も「テレグラム」を利用し、積極的に戦況などの情報を発信しています。
しかし、その一方でテスラのイーロン・マスクCEOが「「シグナル」を使おう」と呼びかけたことなどをきっかけに「シグナル」の人気が急騰、「テレグラム」よりプライバシー性が高いとされることから、アメリカの議会では上院議員の連絡用アプリとして公認されました。
こうした「シグナル」や「テレグラム」を犯罪集団が悪用するケースも増えているのです。
三上さんは次のようにおっしゃっています。
「今後、闇バイトの問題、そして薬物売買、世界的に問題になっているテロ、いずれもやはりインターネット上で情報を隠して通信をしたいという需要があるわけです。」
「そのために「テレグラム」、更には一番暗号化が強い「シグナル」の使用が増えてくるんじゃないかなと危惧しています。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

誰しも通信アプリを使っていて、外部に漏れると困るような内容があると思います。
更には、企業内の従業員のやり取りが外部に漏れた場合には、最悪の場合には企業の存続に係わるような内容もあると思います。
そうした中で、こうした情報漏れの心配が全くないと言われる通信アプリ「シグナル」はとてもありがたいです。

一方、こうしたメリットのある「シグナル」は犯罪集団が悪用するケースも増えているといいます。
しかも、一定の時間が経過すると通信履歴が自動的に消去されるという問題があります。
そうすると、これまで容疑者がこうした通信履歴が証拠となって有罪となっていた事件の解決が困難になってしまいます。
ですから、「シグナル」のような通信アプリについては、犯罪捜査など特別な事案については国の要請により例外的に通信内容を回復出来るといった規定を設けるべきだと思います。
こうした規定は今回起きた強盗事件のような犯罪の抑止効果も大きいと見込まれるからです。

 
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