2023年03月18日
プロジェクト管理と日常生活 No.809 『期待されるマイナンバーカードの活用と課題!』
昨年10月13日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でマイナンバーカードの活用について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

あらためてマイナンバーカードの機能をまとめてみました。
(現在)
・コンビニで住民票などを発行

(2023年)
・引っ越しに伴う役所への届け出(2月)
・パスポート更新などのオンライン申請(3月)
・スマホに機能搭載(5月)
・運転免許証として利用(2024年度末⇒前倒しへ)

今後ともいろいろな機能が増えていくということですが、政府はマイナンバーカードを2022年度中にほぼ全ての国民に行き渡らせることを目標にしています。
こうした状況について、番組コメンテーターで東京大学大学院教授の渡辺安虎さんは次のようにおっしゃっています。
「(メリットについて、)医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)だけじゃなくて、データに基づく政策を考えるのに非常に役に立つと思うんですよね。」
「これまで政策の効果を分析しようとすると、大体統計データを使っているわけですね。」
「毎月勤労統計とかいろんな統計がありますけど、基本的に統計データは1つの政策分野を分析するためにつくられている数字を取っているわけですね。」
「行政データと言われるデータがあるんですけども、例えば学校とか病院とか税金とか、我々行政とやり取りした時に出てくるような全てのデータとして蓄積していくことが出来れば、マイナンバーでつなぐことが出来るようになるわけですね。」
「で、マイナンバーでつなぐと何がいいかっていうと、例えば学校と労働の統計をつなぐことが出来ると。」
「そうすると何がいいかというと、例えば中学校の時に少人数クラスにした時に、それが賃金にどんな影響を与えたのか、そういったことが異なる分野をまたいだかたちで政策の効果が分析出来るようになるというのが将来的には見越せて、それがうまくやれると、非常にいいのかなと思いますね。」
「(世界での行政データの活用の前例について、)デンマークとか北欧の国は、人口がそんなに多くないということもあるんですが、行政データを非常に細かく蓄積されていて、それに基づいていろんな政策が実際にデータに基づいて検討されているというかたちで、日本もそういうふうにデータを作っていけるといいなと思いますね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

見方によっては、私たちは以下のように様々な個人情報の中で暮らしています。
・住所、氏名、生年月日、経歴、・友人・知人の連絡先
・メモ
・健康(体重、血圧、脈数、健康保険証、お薬手帳など)
・金融資産(現金、銀行預金、クレジットカード、電子マネーなど)
・各種会員カード
・買い物情報(いつ、何をいくらで買ったか)
・交通カード(スイカなど)
・役所への届け出情報(住民票など)
・自動車免許証
・パスポート

そして、これらの個人情報が全てデジタル化されて、必要に応じて、タイムリーに有機的にこれらのデータが活用出来るようになれば、財布は不要になり、マイナンバーカード1枚、あるいはスマホだけで事足りてしまいます。
同時に企業や役所などもこれらの情報を含めた業務プロセスのもDX(デジタルトランスフォーメーション)化により大幅な効率化が図られます。
しかし、こうした取り組みの普及にあたって以下のような課題があります。
・個人情報の保護
  マイナンバーカード、あるいはスマホが破損したり、紛失・盗難した場合のタイムリーな回復
・個人情報漏洩時の被害の最小限化
個人情報の不正使用による被害発生時の補償
個人情報拡散の阻止
・単なるデジタル化や中途半端なDXによる効率の半減

ということで、日本の役所や企業の生産性は先進国の中で相対的に低いと言われていますが、マイナンバーカードの普及を起爆剤に、役所や企業によるDXの取り組み次第で、一気に生産性向上を図ることが出来ます。
その結果、経済力の向上や少子化問題の解決に貢献出来ます。
しかし、こうした取り組みが中途半端で終われば、あらゆる面で日本は衰退の道を歩むことになってしまうのです。

 
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