2023年01月30日
アイデアよもやま話 No.5491 あのロールスロイスもEVに参入!
昨年10月18日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でロールスロイスのEV参入について取り上げていたのでご紹介します。 
なお、日付は全て番組放送時のものです。

つい1時間ほど前にあの超高級車、ロールスロイスが手掛けた初めてのEVが公開されました。
超高級車メーカーがつくるEV、その全貌を取材しました。

ロンドンからクルマで2時間半、ウエスト・サセックス州にあるロールスロイス・モーターカーズ本社、発表会の冒頭で紹介されたのは、122年前に創業者、リャールズ・ロイスが残した言葉でした。
エトヴィッシュCEOは次のようにおっしゃっています。
「彼はこう言った。」
「電気自動車、EVは音もなく、クリーンだ。」
「臭いもなく、振動もない。」
「充電場所が整備されれば、とても便利なものになるだろう。」
「こうした予言がここに導いてくれた。」
「ロールスロイス「スペクター」(こちらを参照)だ。」

暗闇から姿を現したのが、ロールスロイス初の量産型EV「スペクター」、直訳すると「幽霊」や「亡霊」の意味ですが、「別世界の存在」、「短い時間に存在感を示すもの」という意味が込められています。
ロールスロイスらしい、幅の広いフロントグリルを残しつつ、車体は海を走るヨットから着想を得た流線形のデザイン、自社製品の中で空気抵抗が最も少ないものになっているといいます。
車内は、ドアや天井に細かいライトを組み込み、まるで夜空の中にいるような空間になっています。
現在、400年使用し続けることを想定した250万kmの走行試験中の途中です。
1回の充電での航続距離は520km、価格は6000万円台になる予定です。
ロールスロイスは2030年に全ての新車をEVにすると明言しています。
本当に達成出来るのでしょうか。
エトヴィッシュCEOは次のようにおっしゃっています。
「2030年の新車完全EV化をすると100%の自信で言える。」
「来年初めに「V12エンジン」モデルを出した後、「V12エンジン」は過去のものになる。」

ロールスロイスは昨年(2021年)、世界で5586台を売り上げて、過去最高を記録、今年(2022年)もこれを更新する勢いです。
エトヴィッシュCEOは次のようにおっしゃっています。
「高級品市場は全体として堅調で、強くなり続けている。」
「新型コロナの間にお金が貯まったようだ。」
「インフレという意味でもロールスロイスは良い投資にもなる。」
「そのため「今こそロールスロイスを買う時」と考える人が増えてるようだ。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

なお、関連するネット記事をチェックしてみて、まず驚いたのは、あの高級車メーカー、ロールスロイスが今年後半にEVを市販化する予定であることです。(こちらを参照)
ロールスロイスは保守的なメーカーのイメージがあるので、せいぜい2025年頃にようやくEVの開発を発表するのではないかと勝手に想像していたからです。
しかも、2030年には全ての新車をEVにすると明言しています。
こうしたEVの開発に積極的な背景には創業者、リャールズ・ロイスの予言があったのです。
こうしてみると、創業者がどんな思いでものづくりに取り組もうとしていたのかは、その後を継ぐ経営者にとても影響を与えることが分かります。

さて、「スペクター」の気になる仕様(予定)を他の関連するネット記事も参考に以下にまとめてみました。
・1回の充電での航続距離:520km
・最大出力:585馬力
・最大トルク:91.8kgm
・加速性能:4.5秒(0〜100km/h)
・設計走行距離:400年使用し続けることを想定した250万km
・価格:6000万円台

なお、1回の充電での航続距離は実際には300km程度だと思いますが、このようにそれほど長くないのには、それなりの理由があるのです。(こちらを参照)
ロールス・ロイスの購入者は、ガレージに他の車を7〜10台所有している傾向があるため、多くの場合はロールス・ロイスには年間2000マイル(約3218km)程度しか乗らないので航続距離は優先されないというのです。
その代わり、内装は飛び切り豪華な仕様が施される予定です。

そして、驚くべきは400年使用し続けることを想定したクルマづくりです。
このような自動車メーカーは他にないと思います。
恐らく、ロールス・ロイスは単なる移動手段としてだけでなく、ビンテージカーとして、末永く、その価値を維持することを前提に「スペクター」を開発・製造に取り組んでいると思われます。

ということで、世界一、最も豪華なイメージのある自動車メーカーがEVを今年後半に市販化するということで、環境意識の高まる中で世界中の大富豪と言われる層の人たちが少なからず関心寄せるのではないかと見込まれます。

こうして見てくると、あらためてガソリン車からEVへのシフトの世界的な流れの大きさを実感します。
同時に、日本の自動車メーカー、三菱自動車や日産自動車が世界に先駆けて、いち早くEVの量産車の販売を始めましたが、世界シェアを広げることが出来ていないことがとても残念でなりません。

EVに限らず、なぜ日本のメーカーは技術で先行して、グローバルな販売競争で勝利することが出来ないのか、このことについて国や日本のメーカーはしっかりと要因分析して、“ジャパン・アズ・ナンバーワン”を目指していただきたいと思います。
こうした企業の競争力強化が経済の活性化、年収の増加、雇用の拡大、そして税収の増加につながり、国の少子化対策など様々な対策の自由度を高めるからなのです。

 
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