2023年01月31日
アイデアよもやま話 No.5492 奇想天外な砂電池!
今回は奇想天外な砂電池(バッテリー)について、以下のネット記事を参考にその一部をご紹介します。
参考)
昨年 9月 1日(木)付けネット記事(こちらを参照)
昨年 9月19日(月)付けネット記事(こちらを参照)
昨年11月15日(火)付けネット記事(こちらを参照)

・気候変動や化石燃料の価格高騰により、いままで以上に注目されている再生可能エネルギー。
・環境への負荷を少しでも減らそうと、世界各国が再エネ移行に取り組んでいる。日本も、再エネの割合を2020年度の19.8%から、2030年には36〜38%にする目標を掲げている。
・一方で、再エネを主力エネルギーにするには課題も多い。なかでも太陽光や風力は天候に左右されるため、発電量が不安定なのがデメリットである。これを補うために、電気を貯めておける蓄電池が必要だと言われている。
・しかし、大規模な蓄電池の設置には物理的な土地と大きなコストがかかる。それに加え、畜電池のなかでも主流のリチウムイオンには、別の問題もある。原料となる鉱物の多くは、採掘のために人々が過酷な労働を強いられたり、なかには児童労働が行われていたりすることもあると指摘されているのだ。
・この課題を解決するアイデアがフィンランドで生まれた。
・エネルギー企業「ポーラー・ナイト・エネルギー(Polar Night Energy)」が、砂を主原料に熱エネルギーを蓄える装置を開発したのだ。
・砂を使ったエネルギー保存装置は、スチール製のコンテナに自動蓄熱システムを搭載し、その中に砂を入れるというシンプルな構造で、電気を熱エネルギーに変換して蓄える。
・具体的には、こたつやドライヤーに使われ、電気抵抗によって熱を発生させる抵抗加熱というしくみを利用して熱を発生させ、それをコンテナ内に循環させている。
・砂は熱を蓄えるのに優れた素材で、このエネルギー保存装置では500℃前後で数ヶ月間も蓄えることができるという。また、原料である砂は、可燃物質さえ取り除けば種類は問わないそう。
・砂電池は主に水を温めるボイラーとして使用する。
・世界初となる商用の砂を使ったエネルギー保存装置は、フィンランドの電力会社ヴァタヤンコスキ(Vatajankoski)社の発電所で稼働中だ。幅4m、高さ7mのスチール製コンテナに100tの砂が詰められており、最大出力は100kW、8MWhの容量を備えている。
・貯蔵した熱は必要なときに放出し、同地域の家庭やオフィス、市民プールを温めるために使用されている。現段階では問題なく稼働しているとのこと。夏の間にエネルギーを貯蔵し、寒さの厳しい冬に十分なエネルギーを供給することが期待されている。
・太陽光や風力などの再生可能エネルギーでつくられた電気を熱に変換して保存。この熱で温めた水を、配管を通じた地域熱供給システムに使えば家庭やオフィスなどを温めることができる。
・設置コストは、1kWhの容量あたり10ユーロ(約1,350円)。日本で買える一般的な家庭用蓄電装置で、容量1kWhあたり数万から数十万円することを考えると、かなりコストを抑えられる。
・砂電池の開発者は、砂に着目した理由について、「自然界に豊富にあって、どこにいても手に入るもの。それが砂だった」と述べている。
・日本の家庭用エネルギー消費は給湯が約30%を占めており、この冬は燃料価格の高騰が心配されていることから、低コストで環境にやさしい「砂電池」が普及するかもしれない。
・現在は貯めた熱から再度電気を作るにはガスタービンを使用するなどコストがかかる上に非効率だが、研究そのものはあることから将来は本当に砂から電気を作る「砂電池」が登場するかもしれない。

以上、ネット記事の内容の一部をご紹介してきました。

これらの記事を通して、砂電池の特徴について以下にまとめてみました。
・砂電池は砂を主原料に熱エネルギーを蓄える装置である。
・原料の砂は自然界に豊富にあり、どこでも入手出来る
・畜電池の主流であるリチウムイオンに比べて、かなり低コストで環境にも優しい
・主に水を温めるボイラーとして使用する。
・将来的には砂から電気を作る「砂電池」が登場する可能性を秘めている

ということで、日本も現在、脱化石燃料を目指しており、一方でロシアによるウクライナ侵攻などにより原油や天然ガスの価格や供給量が不安定であることから、砂電池の実用化の可能性について検討する価値がありそうです。

 
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