2023年01月21日
プロジェクト管理と日常生活 No.781 『進化する非常食の課題!』
非常食についてはこれまで以下のように何度となくお伝えしてきました。

アイデアよもやま話 No.1582 25年間保存出来る缶詰!

アイデアよもやま話 No.2818 ロングライフ食品の元祖、保存食も進化している!

アイデアよもやま話 No.5055 常温、常温でも120日間保存出来る豆腐!
そうした中、昨年9月1日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で進化する非常食について取り上げていたのでご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。

突然起こる災害、いざという時の備えに欠かせないのが非常食です。

東京・港区にある尾西食品株式会社、長期保存が可能なアルファ米を開発した非常食の老舗メーカーです。
その尾西食品が今日(9月1日)発売した商品について、伊藤秀朗商品開発部長は次のようにおっしゃっています。
「災害に役立つようにセットになっておりまして、アルファ米が1つ、それからレトルトの汁物が1袋、それとどこでも食べられるようにスプーンが1本ついております。」

水を入れるだけで食べることが出来るアルファ米と汁物のセット、「一汁ご膳」(けんちん汁・豚汁)、想定価格734円(賞味期間:製造から5年6ヵ月)です。
野菜がたっぷり入っているのが特徴です。
伊藤さんは次のようにおっしゃっています。
「非常食というのは、パンやご飯など、炭水化物が中心なものが多いので野菜が不足しがちと言われています。」
「それを出来るだけ解消すべく、そういった商品を目指しています。」

汁物をアルファ米に直接注ぐことで手元に水がなくても食事をすることが出来ます。
常温だと1時間ほど待てば完成、しっかり味が染み込んでいるといいます。

年々増加する非常食の市場、2021年度は前年度より20%以上伸びたといいます。(矢野経済研究所調べ)
尾西食品では今後も非常食の市場が伸びていくとみて、商品の種類などを更に増やしていく考えです。
伊藤さんは次のようにおっしゃっています。
「これまで非常食は自治体さんが中心の市場だったと思うんですけど、ここのところ災害も多くなってきて、一般のお客さんの関心も増えてきています。」

非常食をより身近にするための取り組みも行われています。
横浜高島屋(横浜市西区)の加納淳平さんは次のようにおっしゃっています。
「こちらは備蓄食を使って今回アレンジしましたパンが集積しているコーナーになります。」

横浜高島屋では非常食を食材として使った商品のフェアを初めて開催(9月6日まで)、乾パンを使ったデザートなどを販売しています。
加納さんは次のようにおっしゃっています。
「ただ単に備蓄食材を販売するだけでいいいかという疑問点から今回、こういったフェアを思いついた。」

「おはぎパン」では、パンの中のあんとして長期保存可能な羊羹を使い、更にアルファ米をパンの生地で包むことでおはぎの食感を再現しています。
今回、横浜の学生ベンチャー、株式会社ストックベース(StockBase)と連携しました。
ストックベースは、保存期限が迫って廃棄が必要になった非常食などを企業から引き取り、子ども食堂など必要な場所に届ける活動をしていて、今回のフェアの商品の一部にも期限間近の非常食が使われています。
ストックベースの関芳実代表は次のようにおっしゃっています。
「慣れていない食べ物なので食べるのに抵抗感があったりとか、こういったフェアをすることで一般の方にも手に取っていただいて、備蓄食の魅力、美味しさを知っていただくきっかけにしたいなと。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

非常食における尾西食品の取り組みを以下にまとめてみました。
・9月1日、アルファ米、レトルトの汁物、スプーンのセットを販売した
  水を入れるだけで食べることが出来る
  野菜がたっぷり入っている
  常温だと1時間ほど待てば完成、しっかり味が染み込んでいる
  想定価格734円
  賞味期間:製造から5年6ヵ月
・災害の増加などで年々増加する非常食の市場において、商品の種類などを更に増やしていく考えである

また非常食をより身近にするための取り組みについても以下にまとめてみました。
・横浜高島屋は非常食を食材とした商品のフェアを初めて開催し、乾パンを使ったデザートなどを販売している
・今回、横浜の学生ベンチャー、ストックベースと連携した
・そのストックベースは、保存期限が迫って廃棄が必要になった非常食などを企業から引き取り、子ども食堂など必要な場所に届ける活動をしている

こうしてまとめてみると、あらためて非常食における課題が浮き彫りになってきます。
・出来るだけ賞味期間を長くすること
・出来るだけ普段食べている食品の味に近づけること
・食べれるまでの時間は5分程度まで短くすること
・賞味期間が近づいてきた非常食について、以下のような有効活用を図ること
  横浜高島屋のように、非常食を食材とした商品のフェアの開催などにより、非常食の美味しさを広めること  
  ストックベースのように、必要な場所に届ける活動に取り組むこと

なお、こうした優れた特徴のある非常食は世界中の多くの難民の方々、あるいは食料難に苦しむ方々への支援活動の一環として、大きな貢献の可能性を秘めているのです。
ですから、国はこうした支援活動に向けて、強力なリーダーシップを発揮して欲しいと思います。

 
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