2023年01月14日
プロジェクト管理と日常生活 No.780 『エネルギー自給率と為替の関係から見えてくること!』
原発の再稼働について、これまでアイデアよもやま話 No.5374 原発再稼働をどう考える?プロジェクト管理と日常生活 No.773 『原発再稼働の課題とその対応策』でお伝えしてきました。
そうした中、昨年9月1日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でエネルギー自給率と為替の関係について取り上げていたのでご紹介します。

番組コメンテーターでピクテ投信投資顧問 シニア・フェローの市川眞一さんは次のようにおっしゃっています。
「(原発の新設が進まないとなると、原発の再稼働が現実的なのかという問いに対して、)原子力規制委員会が規制基準に適合していると判断した原子力発電所については順次再稼働していくと。」
「その中で建て替えや新設をどうするかということを国の方針としてもきっちり考えていく必要があると思いますね。」
「(ただエネルギーの少ない日本としては安定的にエネルギーを確保することがどれだけ大事かということをウクライナのことで分かりましたが、)新型コロナもありましたし、ウクライナの問題もあって、世界的にエネルギー価格が高騰している中で主要国の関係でみると(こちらを参照)、エネルギー自給率とロシアがウクライナに侵攻した2022年の2月24日からの為替の動きを各地域で見ると、エネルギー自給率の高い国は対ドルで価格変動が少なくなっているんですね。」
「ここには載せられなかったんですけども、例えばノルウェーはエネルギー自給率が727%なんですけども、対ドルでは12.5%、この間ノルウェー クローネは価格が上がっています。」
「(一方、)日本は自給率11%しかなくて、主要国の中で最も低いです。」
「その分、円は売られていると。」
「17.5%売られているんですね。」
「ですから、やはりエネルギー安全保障というのは単に経済だけでなくて国力にも大きく係わる問題になってきますので、エネルギーミックスをどうしていくのかについて、ここで更に検討をしっかりし、確かな方針を決めていかなければいけないと思いますね。」
「(安全に、安定して、そして採算もあうというようなところで国がどうエネルギー政策を立てるのかということではという指摘に対して、)そうですね。」

以上、番組の内容をご紹介してきました。

まず番組を通してあらためて感じるのは、日本のエネルギー自給率が主要国の中で最も低い11%ということです。
現在も進行中のロシアによるウクライナ侵攻や中国による台湾進攻に対する懸念など、世界情勢は不安定要因に欠きません。
従って、世界的に化石燃料のサプライチェーンが危うい状況であり、輸入依存度の高い日本はエネルギー安全保障の観点から、特に価格の上昇において私たちの暮らしに大きな影響を及ぼしているのです。
更に供給量の確保といった面においても不安材料を抱えているのです。
更に、市川さんが指摘されているように、エネルギー自給率の低さは経済だけでなくて国力にも大きく係わる問題なのです。
ただし、為替の変動は日本の低金利政策による日米の大きな金利差がエネルギー自給率の低さより大きく影響するのも確かです。

ということでプロジェクト管理と日常生活 No.773 『原発再稼働の課題とその対応策』でもお伝えしたように原発再稼働、あるいは安全性の高い新型原発の開発、更には革新的な再生可能エネルギーの開発をどう進めるのか、エネルギーミックス、すなわち電源構成の最適化に沿った電力の安定的供給、および電気料金の安定化が喫緊の国家的に重要な課題なのです。

 
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