2023年01月02日
アイデアよもやま話 No.5467 パナソニックHDが家事支援サービスを開始!
昨年9月13日(火)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でパナソニックHDによる家事支援サービスについて取り上げていたのでその一部をご紹介します。
なお、日付は全て番組放送時のものです。

パナソニックHDは9月13日、家族旅行の計画づくりや買い物の代行など、家事を支援するコンシェルジュサービスを9月15日から日本で始めると発表しました。
この新たなサービスを率いるのが執行役員の松岡陽子さんです。
アメリカのグーグルやアップルを渡り歩いた技術者でもあります。
なぜ
家電メーカーであるパナソニックで暮らしの支援サービスに取り組むのか、その狙いを聞きました。

9月13日、パナソニックHDが発表したのが次世代ファミリーコンシェルジュ「Yohana メンバーシップ」で、スマホのアプリを通じてコンシェルジュに相談出来る家事支援サービスです。
30代から40代の共働き世帯が主な顧客層で、月額1万8000円の定額制です。
水回りの手入れや週末の家族旅行の計画づくり、ディズニーランドの効率のよい回り方のプラン、更に子どもの誕生日会の企画づくりまで考えてくれます。

「Yohana メンバーシップ」は昨年9月にアメリカ・シアトルで開始したサービス、日本では9月15日から神奈川県で提供を開始する予定です。
このサービスを立ち上げたのが執行役員の松岡さんです。
アメリカでロボット工学やAIを研究、グーグルやアップルで幹部を務めた後、2019年にパナソニックに移籍しました。

「Yohana メンバーシップ」について、松岡さんは次のようにおっしゃっています。
「(ヨハナで対応出来る範囲について、)本当にすべてと思っていただいていいです。」
「例えば、私なんかは週末に1週間分、自分のカレンダーを見ながら、この日はミーティングがあって自分で作れないとか、ある日はこのレストランの予約はどうかと言ってくれて、いろんなことが出来ます。」
「このサービスの日本での展開について、)例えば「塾カルチャー」はアメリカにはないんですよね。」
「「どういうところがあるか探してください」だとか、そういうところはちゃんとハンドル出来るようにしようねとか。」
「(日本で何件まで広げたいなどの目標について、)勿論、全員に使っていただきたいですけど、最初は“共働きで忙しい家族”たちなどから入り出し、そこから“介護で忙しい方々”とか“自分で将来このまま健康でなるべく長くいたい方”とか、どんどん増やしていければいいなと思っていますね。」
「(これまでは「家事は自分でするもの」という意識だったが、その意識を変えることが出来るのかという問いに対して、)難しい質問ですよね。」
「私も実は初めの頃、教授でいた時に子どもが生まれて、全く他の人に(家事を)やってもらうというのは考えられなかったし、「研究ももっとやりたい」、「生徒もどんどん育てたい」、「でも子どもももっと見たい」となった時に「じゃあ自分で家の掃除は本当に自分の人生でしたいか」といった時に「しなくてもいいかな」と。」
「(ヨハナを)作った本当の目的に戻ると、(利用者には)「自分でなりたい人」になってもらいたい。」
「というので、まずそれを考えて欲しいなと思っていて、」

なお、家電など、ハードを中心に手掛けてきたパナソニックに入社し、家事支援というソフトのサービスを立ち上げる狙いついて、松岡さんは次のようにおっしゃっています。
「パナソニックとパートナーしたいと思った理由は、これだけ家の中、暮らしの中にいろんなタッチポイント(顧客との接点)がある、そういうハードを作っている会社はあまり見ないというところで、そういうところとつなげたい。」
「私が描きたい将来、パナソニックが描きたい将来が一緒に作れるなと思いましたね。」

このヨハナ、まずは個人向けにサービスを展開しますが、いずれ企業の福利個性のメニューに組み込んでもらうことも模索しているということでした。

以上、番組の内容の一部をご紹介してきました。

なお、「Yohana メンバーシップ」のサービスを展開する松岡陽子さんについて、どんな人物なのか、もっと知りたくなりネット検索したところ、元々計算機科学分野の研究者で、輝かしい経歴の持ち主であることが分かりました。(こちらを参照)
ちなみに出身は日本ですが、現在はアメリカ国籍です。

また、9月28日(水)付けのパナソニックHDの公式ページで「Yohana メンバーシップ」の内容、および松岡さんのこのサービス展開における想いなどについて詳細に伝えていたのでその一部をご紹介します。

・Yohanaの設立の意図を松岡はこう語る。
「Yohanaは、仕事と家庭を両立する親とその家族を対象に、家族全員の幸せを最優先し、お互いと向き合う時間を大切にするためのサポートに特化した企業です。様々な『こなさねばならない用事(タスク)』を抱えている働く親とその家族のくらしを、専門チームが外部のプロとも連携しながらサポートしていきます」。
・新型コロナウイルスによるパンデミックが発生。在宅ワークが大前提になる中で、松岡は家族との時間をやりくりすることの大変さを実感することとなる。
「それまでも、4児の母親、妻、高齢の親を持つ娘、そしてCEOとして日々忙しく生活する中で、子どもとの時間も大切にしながら、山ほどある仕事を何とかこなしていました。それがコロナ禍になって、在宅でオンライン会議をしようとしても、しょっちゅう子どもたちに話しかけられる状態に――私にとっては家族が何より大切ですが、同時に仕事のタスクも大量にこなさねばなりません。不可能な課題をいくつも背負い込んでいるような心境になりました。実際、何百万人もの働く親たちが同じような経験をしていることがわかりました」。
・コロナ禍によりバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥る親の多さは社会問題となり、Yohana独自のグローバルを対象としたリサーチ結果からも、米国に限らず同様に苦しむ人々が多いことが見えてきた。
「国や地域が変わっても、現代の家族、特に働く親たちの抱える悩みに大きな差はない、ということがわかってきました。子育て、食事の支度、買い物や家のメンテナンス、お誕生日会の手配、週末の旅行のプラン……家族との時間を最優先したいのに、あまりにも忙しすぎるんですね。こなしきれないタスクに囲まれて悲鳴を上げている状態なのだけれど、家庭のことで誰かに頼るのはためらわれる――」。
そんな家族を支えるため、2021年9月にYohanaを設立。ワシントン州シアトルで「Yohanaメンバーシップ」のサービス開始に漕ぎつけた。サービス立ち上げ以来、シアトルでは1,000以上の家族が、のべ2万件の用件をYohanaに依頼。多くのメンバーとその家族に対し、週8〜10時間以上のゆとり時間を生み出す、という実績を得た。2022年6月からはカリフォルニア州ロサンゼルスにも対象地域を拡大。リサーチの結果、特に忙しい家族が多いことが確認された日本においても、満を持してのサービス開始となる。
・シリコンバレー発のノウハウを日本仕様にカスタマイズ
「Yohanaメンバーシップ」は、松岡のバックグラウンドでもあるAIを活用する一方で、その最大の特長は「人」であると彼女は語る。
「お客様には、個別に『ガイド』と呼ばれる担当者がつきます。その担当者と信頼感のある人間関係を長期的に築くことができる。これが、他のスマートアシスタントサービスや生産性向上アプリとは異なる特長です」。
・直感的で使いやすいYohana App(Yohana アプリ。モバイル/ウェブ)。米国版のソースを活かしながら、日本のユーザーにとって違和感のないものにカスタマイズされている。
・これからの「支え合いのスタイル」を創出する
Yohanaは、「今を生きる家族に、これからの支え合いのスタイルを」をビジョンとして掲げている。誰かの力を借りて、ゆとりを持つことは決して贅沢や怠慢ではなく、家族の幸せや自身のキャリアのために必要な自己投資だと言える。
「Yohanaに頼っていただくことで子どもと過ごす時間が増えれば、家族の笑顔がもっと増えるかもしれない、仕事に集中できてキャリアが伸ばせるかもしれない。Yohanaが新しい支え合いのスタイルを形成する一助となり、皆さんに『なりたい自分』になっていただきたいですね」。
・また松岡は「Yohanaメンバーシップ」は、常にユーザーファーストの価値を提供しながら、お客様の声を受け止め、つど改良していくと語る。
「『Yohanaメンバーシップ』はソフトウェアと人、両方で成り立つソリューション。ソフトウェアがアップデートしていくように、人の側もどんどんアップデートしていかないといけない。両輪で進化していきたいと思っています。
・現時点では子育てをされているお客様向けのサービスとして打ち出していますが、将来的には老若男女問わずあらゆる人々に頼りにされる存在になりたい。さらには、『Yohanaメンバーシップ』はあくまでもYohanaのプロダクトの第一弾であり、今後、また別の取り組みにも着手していきます」。
・パナソニックグループとしての「共創」を
Yohanaの取り組みは、お客様とそのくらしに寄り添い続け「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現を目指す、パナソニックグループの経営理念にも通じる。
・Yohanaの日本ローンチをきっかけに、今後は日本のお客様とのタッチポイントの連携であったり、パナソニックグループの商品・サービスとのコラボレーションであったり、グループとのタッグに着手していくことになります。お互いに良い影響を及ぼしながら、現代の家族を支える仕組みの創出を目指します」。
・サービス概要
サービス名:Yohana メンバーシップ
開始時期:2022年9月15日(木)
サービス提供地域:神奈川県(今後拡大予定)
価格:月額18,000円(税込) *キャンペーン価格8,000円(税込)
*2022年9月15日(木)〜12月12日(月)のキャンペーン期間中にご登録いただいた方には、1年間月額8,000円(税込)の特別価格で提供します。
*「Yohana」チームによるTo-do整理、企画提案、調査、手配以外の実作業が発生する場合は、別途料金が発生します。

なお、「Yohana メンバーシップ」のサービス内容についてはこちらを参照下さい。

さて、こうして見てきて、まず驚いたのは松岡さんご自身が4児の母親、妻、高齢の親を持つ娘という状況において、「Yohana メンバーシップ」の展開にリーダーとして取り組まれていることです。
ですから、「Yohana メンバーシップ」の最初のユーザーは松岡さんご自身と言えます。
なぜならば、このサービスには松岡さんがこれまでいろいろと悩まれてきた問題の解決策が詰め込まれているはずだからです。
ですから、松岡さんのこうした活躍そのものが結婚して出産後も働きたい女性に勇気を与えることが出来、更にこのサービスが大いに役立つのではないかと期待出来ます。
更にこのサービスの範囲が拡大していくことにより、女性の社会進出がより一層し易くなり、少子高齢化による人手不足解消の対応策として貢献出来ます。
なお、こうしたサービスの利用を願っているのはこうした女性ばかりではありません。
年老いた両親の面倒を見ながら働く独身の男性や女性、あるいは子どもを抱えた、離婚した男性などもきっとこうしたサービスを利用したいと思っているはずです。
ですから、こうしたサービスの範囲の拡大は家族全体にとっての暮らし易さの向上につながります。
また、こうしたサービスの必要性は万国共通です。

私はこの番組を見て、はじめはパナソニックHDがなぜこのようなサービスを展開するのが、疑問を感じました。
しかし、このサービスが「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現を目指す、パナソニックグループの経営理念にも通じることから納得出来ました。
そして、製品やサービスを提供する企業が単に製品やサービスを提供するだけでなく、「物と心が共に豊かになる社会」の実現を目指すという意識を持つことによって製品やサービスの幅が広がり、それが個々の製品やサービスの機能の拡大につながり、更に企業同士の連携が広がるのではないかと思いました。

こうして多くの企業の活動が活発になり、経済の活性化が進み、賃金が上がり、適度な物価上昇があり、経済的にも文化的にもゆとりのある社会、全ての国民が自分らしい生き方が出来る社会、こうした社会の実現に「Yohana メンバーシップ」は大きく寄与出来る可能性を秘めていると思うのです。
そして、「Yohana メンバーシップ」はこれまでにはないタイプの世界的なインフラとして、暮らしに役立つ存在になり得るのです。

 
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